連日、灼熱の暑さに包まれたタイ・チャンインターナショナルでのSUPER GT第3戦。午後3時にスタートを切った66周にわたる戦いは、いくつかの波乱にも動じることなく着実にミッションを消化したNo.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)が勝利の美酒に酔うこととなった。
前日と変わらぬ強い日差しに、やや湿気が増したタイ大会。じりじりと気温が上がり、決勝直前の気温は37度。路面温度は50度というタフな状況の下、スタートが切られた。
38号車のスタートドライバーは立川。ホールショットを決めると、早速後続を引離しにかかった。トップ集団、そしてこれに続く上位争いも縦一列状態で緊迫した展開が続き、どのクルマにもポジションアップの可能性がある中でレースは中盤に入り、ルーティンワークのピットインを迎える頃となった。
まず動いたのは、トップ38号車。35周を終えてピットイン。翌周には2番手走行だった46号車がピットイン。2台のうち、ピット作業で迅速な動きを見せたのは46号車。ライバルにおよそ4.5秒速い作業でドライバーをコースへと送り込む。結果、46号車が暫定トップ奪還に成功した。対する38号車石浦は3番手からトップ奪還を目指して疾走、まずタイヤ無交換でポジションアップを狙ったNo.36 PETRONAS TOM’S RC Fの伊藤大輔を逆転、46号車柳田を猛追していたのだが…。44周目のヘアピンでブレーキにトラブルが発生。コントロールが効かなくなり、その先の第3セクターでスピン。これは石浦自らの判断でスピンしたものだったという。その後、クルマはピットへ戻ることはできたが、修復するには時間が足りず、このままレースを終えることになった。
レースはその後、46号車が後続に大量のリードを築いて周回を重ねていく。一方で2番手争いが激化。ライバルよりもタイヤに負荷がかかる36号車はNo. 6 ENEOS SUSTINA RC Fの大嶋和也に逆転を許すと、その後方で激しくポジション争いをしていた集団に飲み込まれる始末。結果、入賞はしたものの最終的には8番手までポジションを落としてしまった。
トップでチェッカーを受けることになった46号車。チームは昨年トップを快走するも、トラブルに泣くという悔しい結果に終わっていることから、見事なリベンジを果たしたことになる。また、本山にとってはチーム移籍後発の勝利。自身3年ぶりの優勝に合わせ、通算勝利数でも最多タイとなった。2位に続いた6号車、さらに粘りの走りで3位をもぎ取ったNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀組)がそろって今季表彰台となっている。
一方、GT300はGT-R勢がまたも強さを見せた。予選ではマザーシャシーでの参戦となるNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組)が奮闘するも、序盤から速さで安定感を誇るGT-R勢が本領発揮。予選2位のNo. 3 B-MAX NDDP GT-Rの星野一樹がはやくもオープニングラップでトップを奪うと、同じく予選3位のNo.10 GAINER TANAX GT-RのA・クートがこれに続いた。
とくに3号車のペースは速く、昨年同サーキットでの覇者としての強さをしかとアピール。これには10号車も歯が立たず、次第に独走を許してしまった。3号車はタイ戦2連覇を達成、また第2戦富士でクラス優勝を果たした10号車が2位を死守する一方、3位に続いたのは、No. 7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)。今季はつ表彰台を手にした。また25号車は緊急ピットインもあり、7位でレースを終えている。
■第3戦タイ 決勝結果
・GT500
1.No.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)1:38’26.734 66L
2.No. 6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資組)+7.931
3.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀組)+19.727
4.No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)+21.083
5.No. 1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)+21.677
6.No.37 KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)+26.281
・GT300
1.No. 3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠組)1:39’13.186 61L
2.No.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/富田竜一郎組)+9.231
3.No. 7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治組)+26.749