スーパーフォーミュラ2015 Round.7 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2015 Round.7

2015年11月9日

スーパーフォミュラ第7戦鈴鹿、石浦宏明が初戴冠達成!


11月8日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラの第7戦の決勝が行なわれた。今シーズンの最終戦を迎えた鈴鹿は2レース制のイベントとなり、午前に20周の、そして午後から28周のスプリントレースを実施。あいにくの雨となり、荒れた展開の中でレースの美酒に酔ったのは、アンドレ・ロッテラー(レース1/PETRONAS TOM’S SF14)と山本尚貴(レース2/TEAM 無限 SF14)のふたりだった。

天気予報どおり、決勝日の鈴鹿は前日夜遅くから雨が降りはじめた。今シーズンのスーパーフォーミュラでは、フルウェットでのレースはしておらず、予選でのタイムアタックもしくはスタート前のウォームアップでしかレインタイヤを装着していない。つまり、今年の最終戦が今季初のレインレースになったわけだ。その点を考慮したか、レース1はなんとセーフティカーランによる幕開けとなり、ごく普通の無難な戦いが始まった。問題なくトップをキープしたロッテラーは、自身が得意とする雨の一戦を独走。もちろん、タイトル争いでポイントリーダーである石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)も予選2番手からトップ奪取を狙ったが、ロッテラーの速さには及ばず。逆に、後方のジェームス・ロシター(FUJI x D’station KONDO SF14)の猛追に苦戦、ただ、水煙を上げて周回を重ねるコース上での逆転はそう簡単ではなく、総体的にほぼポジションキープの戦いが続いた。レース後半、トップのロッテラーはすでにひとり旅状態。2番手石浦は後方にいたロシターが痛恨のコースアウトとなり、代わって3番手に上がった小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)からも猛追にあうタフな展開を強いられたが、僅差で凌ぎ切ってチェッカー。タイトル争いをする中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)が4位に入ったため、タイトル決定はレース2へと持ち越され、獲得ポイントから石浦と中嶋の一騎打ちに絞られた。

正午前に雨が弱くなり、このまま天候の回復に期待がかかったが、午後3時からのレース2も降雨の中で28周の争いが繰り広げられることになった。レースを前に、今シーズンでスーパーフォーミュラへのタイヤ供給を終了するブリヂストンタイヤに対し、長年にわたる功績を称えるセレモニーが行われた。なお、来シーズンからは横浜タイヤ・アドバンによるタイヤ供給が正式にアナウンスされている。

レース2は28周にて実施。ドライコンディションであればタイヤ4本の交換義務があったものの、ウェットレースでの交換義務はないため、28周によるガチンコバトルがのスタートが切られた。ただし、今回はスタンディングスタート。濡れた足下をうまくコントロールして飛び出したのは、ポールスタートの山本尚貴(TEAM 無限 SF14)と予選4番手の中嶋一貴、予選5番手のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)だった。逆に予選2番手のロッテラーはクラッチミートでミスを生じて出遅れてしまう。1コーナーへは山本と一貴がガチバトル。レース後、一貴に「山本から気迫を感じた」と言わしめるほど、山本の堅持な気持ちがトップを奪うこととなった。逆に2番手の一貴はいまひとつペースが伸びず、2位死守が精一杯。さらには3番手の野尻智紀(DOCOMO DANDELIAN M40S SF14)からのプッシュに苦戦した。だがその後、野尻は電気系トラブルを発症。惜しくも戦列を離れている。これで代わって3番手につけたのがオリベイラ。しかし、前を走る中嶋をプッシュするまでには至らず。難しい雨のコンディションでトップを守り抜いた山本が待望の今季トップチェッカーを受け、Honda陣営に勝利をもたらした。2位一貴、3位オリベイラに続き、石浦が4位でチェッカー。この結果によって、石浦が2015年ドライバーズチャンピオンを獲得。続いてランキング2位は一貴、3位にロッテラーが続くこととなった。

第7戦鈴鹿サーキット 決勝結果(TOP6)

<レース1>
1.No.  2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.354
2.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’38.392
3.No.  8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’38.482
4.No.  1 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.592
5.No.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELIAN M40S SF14)
6.No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE SF14)


<レース2>
1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)1’37.963
2.No.  1 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.262
3.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)1’38.459
4.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)
5.No.  7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)
6.No.18 中山雄一(KCMG Elyse SF14)



2015年11月8日

スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿、2レース制の予選でロッテラーと山本がトップに


11月7日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の予選が行われた。最終戦にあたる今大会は、シリーズ唯一の2レースにて開催される。このため、ノックアウト方式の予選はいつも同様に行われたが、そのセッションでQ1のタイムがレース1に、そしてQ2を経てQ3でマークしたタイムがレース2に採用されるルールが設けられた。結果、レース1のポールポジションはアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)が獲得。続くレース2のトップは、山本尚貴(TEAM 無限 SF14)がそれぞれ獲得している。

薄曇りの予選日を迎えた鈴鹿。気温、路面温度ともに大きな変化もなく、終日曇天模様が続いた。チャンピオン争いに名乗りを挙げているのは4人のドライバー。うち3人がタイトル獲得経験者であり、現時点でポイントトップにつける石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)のみが初戴冠を目指して鈴鹿入りしている。

まず朝のフリー走行でトップタイムをマークしたのは、ランキング3位につけるロッテラー。予選に向けていい流れを作り上げた。午後の予選に入ってからもロッテラーの快進撃は変わらず。まず全19名が出走したQ1で2番手を0.038秒の僅差で阻止。ポール獲得者に与えられる貴重な1ポイント加算に成功した。僅差の2番手タイムだったのが石浦。さらにジェームス・ロシター(FUJIxD’station KONDO SF14)が同タイムをマークしたが、ひと足先にベストタイムをマークした石浦が2番手となった。一方、ランキング争い6点差でトップの石浦を追う中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)は、朝のフリー走行からいまひとつタイムを伸ばせず、Q1でも5番手どまりだった。

続くQ2へは14名が進出。8名に絞られるQ3を目指してアタック合戦となる。この中でまたもトップタイムを叩き出したのがロッテラー。一方で、石浦は5番手、さらに一貴はQ3進出ギリギリとなる8番手に留まり、精彩を欠く形となった。そして迎えた最後のQ3。すっかり勢いづいたロッテラーはここでもトップに立ち、このまま連続ポールポジション獲得かに思われたのだが…。その直後、最後のアタックで山本がロッテラーを0.06秒上回るベストタイムをマーク。山本が開幕戦鈴鹿に続く、2度目のポールを手にした。

明日の決勝は午前中に行なわれるレース1が20周、さらに午後からのレース2が28周で実施される。ドライコンディションでの戦いになれば、レース2ではタイヤ4本交換が義務付けされるが、雨となり、レインタイヤ装着時にはその義務は撤廃される。現時点での天気予報では雨の可能性も高い。明日、果たしてどのようなドラマが展開されるのか。そして最後までもつれたタイトル争いの行方はいかに。シーズン集大成の戦いが幕を開ける。

第7戦鈴鹿サーキット 予選結果(TOP6)

<レース1>
1.No.  2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.354
2.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’38.392
3.No.  3 ジェームス・ロシター(FUJIxD’station KONDO SF14)1’38.392
4.No.  8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’38.482
5.No.  1 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.592
6.No.16 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)1’38.645

<レース2>
1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)1’37.963
2.No.  2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.023
3.No.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELIAN M40S SF14)1’38.192
4.No.  1 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.262
5.No.  8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’38.305
6.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)1’38.459

 



2015年11月8日

シーズン最後の鈴鹿、タイトルをかけた激戦へ


ついに今シーズン最後の戦いを迎えるSUPER FORMULA。第7戦最終戦の舞台は、三重・鈴鹿サーキット。多くのドライバーが認める日本、いや世界屈指のコースとして知られる伝統のサーキットでチャンピオンタイトルをかけた一戦が繰り広げられることになる。秋深まる鈴鹿でシーズンの締めくくりにふさわしいバトルの末、果たして誰が王座を手にするのか。いざ、最終決戦!

「JAFグランプリ鈴鹿」で狙うは、勝利のみ!

最終戦を迎えた今シーズンのSUPER FORMULA。この時点でシリーズチャンピオンをかけた戦いに権利を持つドライバーは事実上ふたりに絞られた。石浦宏明と中嶋一貴である。確かに、現在のランキングで4位までの4選手がタイトルの可能性を持つが、ポイント差を考慮すればよほどの大逆転でない限り実現しない。となれば、久々の日本人ふたりによるタイトル争いとなりそうだ。

現在、45ポイントでランキングトップに立つのは、石浦。これまで優勝2回を含む表彰台4回と安定感を誇る。一方、6ポイント差で追うのが一貴。ダブルエントリー中のWEC(世界耐久選手権)で負傷し、第2戦岡山を欠場するも、その他のレースは第6戦SUGO以外の4戦で優勝1回、2位3回という抜群の好成績を残してきた。これに続くランキング3、4位はアンドレ・ロッテラーとジョアオ・パオロ・デ・オリベイラのふたり。獲得成績によって順位こそ違うが、31点の同ポイントで、トップ石浦との差は14ポイントと大きい。

ここでレースでの獲得ポイントの話をしなければならない。SUPER FORMULAでは通常優勝時は10ポイント獲得となり、予選でポールポジションを手にすればさらに1ポイントが加算される。だが、最終戦は大会唯一の2レース制をとっており、1レースで獲得できる最大ポイントは9ポイント。ポールポジション1ポイント、1位の5ポイントに加え、優勝者には別途3ポイントが与えられるためだ。つまり、2レースでポール・トゥ・フィニッシュを飾れば18ポイントが手に入ることになる。よって、先述のとおり4選手に権利が残されているというわけだ。

日本人チャンピオンは2013年、山本尚貴が逆転によるタイトルを手にし、また昨シーズンも一貴がチャンピオンに輝くなどここのところ日本人の制覇が続くが、日本人同士によるタイトル争いは2012年以来。このとき、1ポイント差で最終戦を迎えた暫定トップの一貴がランキング2位の塚越広大を3ポイント差で退け、タイトルを奪取している。一貴は国内トップフォーミュラで2度の戴冠経験者だけに、ランキング2位で挑む最終戦は、ある意味さほどプレッシャーを感じることなく決戦を迎えられるのかもしれない。

一方でランキングトップからタイトルを狙う石浦にとっては、大きな挑戦が待ち受ける。2008年に当時のフォーミュラ・ニッポンでデビューするも、2012年から2年間は参戦のチャンスに恵まれず、2014年に復帰。今年第2戦の岡山で飾ったポール・トゥ・ウィンが自身初トップフォーミュラでの優勝という、いわば遅咲きのドライバーだ。今シーズンは着実に成績を残しており、安定感は参戦ドライバーの中でもダントツ。周りに左右されない強さがこの最終戦でも発揮されれば、石浦が王座を手にすることも充分に考えられる。自身も「このランキングで最終戦を迎えられることがうれしい」とこの激戦を楽しんでいる様子。実のところ、石浦と一貴はかつてステップアップカテゴリーのフォーミュラ・トヨタでしのぎを削り合った仲でもある。古くから互いを知るドライバー同士の心理戦にも注目があつまりそうだ。

2レース制から見えるもの

土曜日の予選は通常のQ1-Q2-Q3とこれまで同様のタイムアタックとなるが、Q1の結果が第1レースの、そしてQ3の結果が第2レースのグリッドとなるだけに、そのアプローチも重要になる。当然のことながら、慌ただしくスケジュールが過ぎていきそうだ。2レース制だけに、確かに決勝レースはスプリント戦で短くなるが、都度やるべきことが山積なわけで、よりいいコンディションで戦う準備に余念がないといえる。

さらにドライバー、チームをより悩ませるのはその戦略をどうするか、だ。なにしろ第1レースはピットインの義務がない20周の、そして第2レースはタイヤ交換が義務漬けされた28周の戦いとその内容が異なり、都度ベストなタイヤ選択をする必要がある。土曜日朝の走行時から、タイヤの使用をどうマネージメントするか、ここはチームとしての総合力が大きく左右しそうな気配だ。

シーズンを通し、クルマの開発やエンジンの進化により、SF14としてのポテンシャルも向上。より戦える武器を手にしたドライバーたちが今年最後の大決戦を披露する様子をしかと見守りたい。

主なタイムスケジュール

・11月7日(土)
09:15~10:15     フリー走行
12:10~13:00     ピットウォーク
13:30~         公式予選(ノックアウト方式)
  13 : 30~13 : 50 Q1(19台→14台)
  14 : 00~14 : 07 Q2(14台→  8台)
  14 : 17~14 : 24 Q3
16:30~17:00     キッズピットウォーク

・11月8日(日)
10:00~                  決勝第1レース(20Laps)
12:05~12:55     ピットウォーク
15:00~         決勝(28Laps)





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