スーパーフォーミュラ2015 Round.2
スーパーフォオミュラ第2戦岡山、ポールの石浦がSF初優勝!
5月24日、岡山・美作市の岡山国際サーキットにおいて、全日本選手権スーパーフォミュラ第2戦の決勝レースが行われ、前日の予選で自身初ポールポジションを獲得した石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が激しい攻防戦を制してチェッカー。自身初優勝を果たした。
レースウィーク中、決勝日は雨になるのではという予想を覆し、朝から青空が広がった岡山国際サーキット。加えてじりじりと照りつける日差しに気温もぐんぐん上昇。夏日の中で午後3時からの決勝を迎えることになった。
前日の予選でトップタイムをマーク、併せてコースレコード更新も果たした石浦。上位3名が出席した記者会見で、「プログラムで自分のプロフィールを見たら、予選、決勝ともに最上位が2位と書いてあったので、ポールを獲らなきゃと思った」などと笑いを誘い、うれしさを目一杯表現するというよりも、ようやく欲しいものが手に入ったという満足感が先行する様子を見せた。
昨シーズンから新たに導入されたSF14はハンドクラッチによるスタート方式のため、未だそのコツを掴み切っていないドライバーも少なくない。だが、石浦は昨シーズンから比較的好スタートを決めており、今回の決勝でも極めて落ち着いた幕開けを迎えていた。一方で、予選2位以下は違った展開を強いられる。
頭ひとつ出たトップの石浦に続いたのは、予選5位に沈んだジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)。完璧なタイミングでまさに間隙を縫ってのポジションアップを決め、石浦を追随する。さらには予選4位の小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)がこれに続く一方、予選2、3位だった野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)と山本尚貴(TEAM 無限 SF14)は彼らの後塵を拝した。
ショートコースで知られる岡山戦の周回数は68周。抜きどころも少なく、チャンスを作るにはスピーディなピット作業も大きなウェイトとなる。そんな中、上位陣でいち早くピットインを行ったのが山本。リアタイヤ2本交換に留め、9.2秒という最短の作業時間でコースに復帰、ライバルの出方を伺った。その目前にいた野尻は山本に次いでピットイン。こちらもリア2本交換と給油でコースに復帰、ひと足先にタイヤを温めた山本との一騎打ちとなった。両者は巧みにオーバーテイクシステムを使って攻防戦を展開。結果、システムをより効率的に使った野尻がポジションキープに成功した。
続くポジション争いの見どころは、オリベイラと小林のピットストップ。2台は38周終わりで同時にピットに戻ると、タイヤ4本を交換し、給油作業に入る。だがオリベイラ陣営が左フロントタイヤの装着に手間取り、ピットロードへと先に向ったのは小林。労せずポジションアップを果たしたが、逆にオリベイラは野尻と山本にも先行されてしまった。一方でトップをひた走る石浦は、上位陣の展開を見届けるかのように39周終了の時点でピットイン。トップをキープしたままレースに復帰した。
レース後半に入ると、トップ石浦と2位小林の差が1秒前後に変わり、小林が執拗なまでのプレッシャーを石浦に与え始める。ときにはオーバーテイクシステムを使って背後に近づき、またときには間を開けてミスを誘うなど、巧みな駆け引きを見せた。だが、「SF14では、近づき過ぎると空力面でのコントロールが難しい」と苦戦。しかし、両者は終盤に入ってなお、攻防戦を見せてレースを大いに盛り上げ、7年ぶりの開催となった岡山戦でのハイライトを作った。
結果、石浦が1.108秒の差でチェッカーを受けると、以下、小林、野尻、山本、オリベイラと続いてタフな一戦を終えている。
■第2戦岡山 決勝結果(TOP6)
1.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1:29’49.130 68Laps
2.No. 8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)+1.108
3.No.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELIAN M40S SF14)+15.606
4.No.16 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)+18.049
5.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)+21.641
6.No.20 アンドレア・カルダレッリ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)+38.309

スーパーフォーミュラ第2戦岡山、石浦宏明が自身初ポール!
5月23日、岡山・美作市にある岡山国際サーキットにおいて、全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦の予選が行われ、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が再三に渡ってコースレコードを更新する活躍で、自身初となるポールポジションを獲得することとなった。
荒れたレース展開を見せたシーズン開幕戦の鈴鹿からおよそ1ヶ月。第2戦の舞台となった岡山は国内トップフォーミュラレース開催が7年ぶりとなる。もちろんスーパーフォーミュラ、そしてSF14での一戦は初。また、参戦ドライバー19名のうち、7年前のフォーミュラレース(当時はフォーミュラ・ニッポン)経験者は5名。つまり、大半のドライバーにとっては、初挑戦となる。
そんな中、走りはじめから安定した速さを見せていたのが、ホンダ勢の山本尚貴(TEAM無限)や野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)ら。だが、その後方で虎視眈々とチャンスを狙っていたのが、トヨタエンジンを搭載する石浦だった。オフシーズンの公式テストから大幅にセットアップを変更、サーキット入りした石浦は、朝のフリー走行で着実に合わせ込みの作業を進めて予選をアタック。Q1を5位、Q2を3位とじわりじわりポジションアップし、ついにQ3で1分12秒429のトップタイムをマーク。2番手野尻との差は僅か0.096秒ながら、ポールポジション獲得に成功した。
一方、日本国内レース復帰2戦目の小林可夢偉も、自己ベストとなる4位を獲得している。
■第2戦岡山 予選結果(TOP6)
1.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’12429
2.No.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELIAN M40S SF14)1’12.525
3.No.16 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)1’12.695
4.No. 8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’13.083
5.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)1’13.093
6.No. 7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’13.139

SUPER FORMULA第2戦岡山 プレビュー
7年ぶりのバトルを制するのは、どのドライバー!?
SF14による2シーズン目を迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ。開幕戦・鈴鹿ではさらに進化したクルマ、それを操るドライバーのテクニックによって魅せどころたっぷりな一戦となった。そしてシーズン第2戦目の舞台は岡山国際サーキット。トップフォーミュラのイベント開催は実に7年ぶりとなるだけに、また違ったドラマを堪能できそうだ。
■岡山ならではの展開を見逃すな
SUPER GTではすでにお馴染の岡山国際サーキットだが、久しぶりとなるフォーミュラレースだけに、不確定要素が多くなりそうだ。ちなみに、7年前、2008年度(当時はフォーミュラ・ニッポン)の一戦に出場した経験を持つドライバーは5選手。その中でチャンピオン経験を持つのは、アンドレ・ロッテラー、J・P・デ・オリベイラの2名。さらに石浦宏明、小暮卓史、伊沢拓也の3名が加わる。現在は車両の特性、ポテンシャルが大きく異なるため、経験者にメリットがあると断定するのは早急というもの。事実、公式テスト中のトップタイムは、スーパーフォーミュラ2年目のジェームス・ロシターがマークした1分12秒783であり、これは2008年開催時の予選トップタイム(1分15秒808)を大きく上回っている。総体的にタイムアップが進んだ現行のSF14による戦いは、これまでの経験値に寄るものではなく、“今の岡山”を制することに絞られることになるだろう。
また、岡山のコースは他のサーキットに比べて距離も短く、コンパクト。正直、ランオフエリアもさほど広くはない。コースアウトを喫すればコースに戻ることは簡単ではない。攻めたい気持ちとそれを抑制するテクニックとの絶妙なコントロールが要求されるだろう。そんな岡山での見どころは、バトルを展開する中、数少ないパッシングポイントで確実にチャンスをモノにできるかどうか。第1コーナーでのブレーキ合戦、高速セクションでのコーナーワークなど、ショートサーキットながら次々とミッションが待ち受ける…そんなイメージがある。
さらには外的要因、つまり天候の行方、第三者によるアクシデントなど、いずれもレースという戦いにはつきまとうものではあるが、走り慣れたサーキットとそうでない場所とでは、違いもあるはず。岡山ではその対処に戸惑いが生じるかもしれない。何が起っても不思議ではない、だが、何があってもいつもどおりの戦いができるかどうか。それはドライバーに加え、彼らを支えるチームとしての総合力にも影響してくることだろう。
■ディフェンディングチャンピオン、一貴が欠場
SUPER FORMULAとして、そしてSF14での初開催を迎え、楽しみも増幅の第2戦。だが、開催を心待ちにしているファンに残念なお知らせがある。それは、昨シーズンのチャンピオン、中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)の欠場だ。
中嶋は第1戦鈴鹿決勝を2位でフィニッシュ、予選5位からの追い上げを見せる活躍で場を盛り上げた。その後、WEC・世界耐久選手権第2戦のスパ6時間へ参戦するため渡欧。しかし初日のフリープラクティス1回目で大クラッシュ、脊椎損傷という大怪我を負った。手術を受け、無事退院。先日はフランスでWECチームメンバーとのキャンプにも参加したという情報が入っている。だが、岡山戦は大事をとって出場を見送ることになっており、参戦は7月中旬の第3戦までお預けに。代わりにTOM’Sチームでの参戦経験を持つ大嶋和也がステアリングを握る。
勢力図がやや異なる中での一戦となる岡山。不確定要素が多い分、未知数の楽しみがあると考えれば、盛り上がりかたもまたひと味ちがってくる。観客スタンドとコースとの距離が比較的近く、迫力あるバトルもしっかり目に焼き付けられるサーキットだけに、五月晴れの中、チャンスがあればぜひライブでの観戦をオススメしたい。
■主なタイムスケジュール
・5月23日(土)
09:30~10:30 フリー走行
11:50~12:40 ピットウォーク
13:40~ 公式予選(ノックアウト方式)
13:40~14:00 Q1(19台→14台)
14:10~14:17 Q2(14台→ 8台)
14:27~14:34 Q3
16:45~17:15 キッズピットウォーク
・5月24日(日)
09:10~09:40 フリー走行
09:55~10:10 サーキットサファリ
11:20~12:10 ピットウォーク
15:00~ 決勝(68Laps)