スーパーフォーミュラ2015 Round.3
スーパーフォーミュラ第3戦富士、オリベイラが完勝
7月19日、静岡・富士スピードウェイにおいて、全日本選手権フォーミュラ選手権の決勝レースが行われ、予選2位からスタートを切ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)がオープニングラップでトップを奪取、その後は盤石のレース運びで今季初優勝を達成した。
台風11号の影響を受け、ウェットコンディションとなった前日から一転、薄曇りで迎えた決勝日は、湿度が高く蒸し蒸しとした暑さを感じるドライコンディションとなった。前日は大半の車両がレインタイヤを装着しての走行に留まっていたことから、朝のフリー走行はレースウィーク初のドライタイヤでのセッションとなる。結果、決勝に向けての入念なセットアップを進めることとなり、その中でトップタイムをマークしたのがオリベイラだった。
午後2時、1コーナーからの風が強まり、灰色の重い雲が一部の場所に張り出すなど落ち着かない上空の下、55周にわたる決勝レースは全車がクリアスタートを切ったかに思われたが、その先の1コーナーで多重クラッシュが発生。波乱の幕開けとなった。
ポールポジションからスタートしたアンドレア・カルダレッリはスタートのミスから後続車と絡んでフロントウィングを破損。ピットインを強いられて万事休す。優勝のチャンスが手からこぼれ落ちる。これに対し、リードを奪ったオリベイラ、さらに予選8位に甘んじていた中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)が混乱をくぐり抜けて2位へのジャンプアップに成功。さらに予選6位の小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)が続いた。
逃げるオリベイラを軸にレースの動向が注目される中、オープニングラップで他車と接触し、コースアウトの末に立ち往生していたナレイン・カーティケヤンの車両を移動させるため、レースはセーフティカーがコースイン。その後5周終了時までレースがコントロールされた。そして迎えたリスタート。トップのオリベイラは中嶋の猛追を意識し、見事にこれを防戦。その後2台の勝負はピットイン後の展開へと持ち越されることとなった。
一方、後方ではセーフティカーランで差の詰まったライバルとの駆け引きが激化。少しでも優位に立とうと、次はピットインのタイミングやその戦略の中身で競うことに。早い段階でピットインしたドライバーの多くは給油のみを行い、タイヤ交換を見送るパターンが多く、後からピットインした車両は、給油とタイヤ交換の両方を行うスタンダードな作戦を採る形が主流となった。
レースは折り返しを過ぎ、要所要所でサイド・バイ・サイド、あるいは富士の長いストレートを使っての攻防戦を展開。中でも開幕戦から次第に上り調子を見せている元F1ドライバーの小林可夢偉と、若手の国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)は何周にもわたってバトルを見せ、詰めかけたレースファンにより見どころの多いホットな戦いを披露した。結果、ふたりのバトルは、果敢に攻め続けた国本に軍配が上がり、最終的に4位入賞を果たしている。
レースは安定した速さと強さを誇示し続けたオリベイラが、2位中嶋を15秒強引離しての完勝。3位には終盤までピットインのタイミングを延ばし、巧みな戦略を完遂させた第2戦のウィナー、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が続いている。
■第3戦富士 決勝結果(TOP6)
1.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)1:28’21.088 55Laps
2.No. 1 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)+15.347
3.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)+22.451
4.No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)+36.289
5.No. 2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)+37.766
6.No. 7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)+39.298
