スーパーフォーミュラ2014 Round.6
SUPER FORMULA第6戦 SUGO プレビュー
いよいよシリーズ終盤に向けてのラストスパートが切られた全日本選手権スーパーフォーミュラ。9月は上旬に行われた九州・オートポリスと今回の舞台、本州最北端のサーキットでもあるスポーツランドSUGOの2戦が行われるため、大詰めを迎えたシリーズ戦をより一層落ち着かない状況に導いているような気もする。そして今回は、チャンピオン争いもさる事ながら、もうひとつ気になる出来事がSUGOの戦いに関与。気になるトピックスが満載の一戦となりそうだ。
■フォーミュラOBドライバーが監督に! 新チームが参戦
今シーズン、日本を離れてヨーロッパでGP2に参戦中の伊沢拓也。昨シーズンまで日本最高峰のフォーミュラレースで腕を磨いてきたが、このたびSUGOおよび最終戦鈴鹿に緊急参戦することになった。2012年にはシリーズランキング3位を獲得している実力派ドライバーが、SF14での初レースをいかに戦うのか。テクニカルなSUGOでの奮闘に注目が集まりそうだ。
なお、伊沢が参戦するチームもこのSUGO戦がデビューレースとなる。監督を務めるのは、道上龍氏。昨シーズンまでSUPER GT・GT500クラスにフル参戦していたキャリア豊富なドライバーとして知られており、現在は、同・GT300に参戦するTEAM 無限のエグゼクティブアドバイザー。また後進の育成を精力的に行っていることでも知られている。すでに全日本カート選手権においては自身でチームを運営しているため、今回のフォーミュラチーム結成は、次なるステップへと続くものとも見て取れる。「自分がチームを起こしてスーパーフォーミュラに参戦するなら、まず伊沢に乗って欲しかった」と道上氏がいうように、この新チーム「DRAGO CORSE(ドラゴ コルセ)」がその名前の如く、龍のように勇ましい戦いを見せるかどうか、楽しみが広がる。
■SF14での初レースを迎えるSUGO
前回のオートポリス同様、今回の舞台、SUGOもSF14で戦う初めてのレースとなる。山間部にあるサーキットは1周3.7kmほどあり、アップダウンを含むテクニカルコースとして知られ、外国人をはじめ、多くのドライバーがチャレンジングなコースだと、声にする。特徴豊かなコースだけに、クルマのセットアップにもポイントが多くあるようで、ドライバーとエンジニアによる互いのコミュニケーション能力が、戦いの行方を左右する可能性も出てくるだろう。
他のサーキットに比べ、SUGOはコース距離も比較的短めであり、レイアウト的にはハイスピードコースとなるため、攻防戦になるパターンが多い。むろん、完璧なクルマの仕上がりでポールポジションからスタートを切れば、独走体勢…ということにも成りかねないが、決勝レースは周回数が68周と多く、混戦になる確率も自ずと高くなる。また、前回のオートポリスでは燃料補給を実施しないルールだったが、今回は義務ではないものの給油、ピットイン、タイヤ交換は可能。つまりは、チームの戦略次第で展開に変化が現れると見ていい。
■SUGOでも見られるか? コースレコード更新
今シーズンは各サーキットでコースレコードの更新が続くSF14でのタイムアタック。ノックアウト方式による予選は今回も同じ。Q1で出走台数の上位14がQ2に駒を進め、Q2ではQ3進出目指し、上位8台のシートを巡って激しいタイムアタックバトルが繰り広げられる。ショートコースのSUGOでは、どのタイミングでアタックに出ていくか、そのあたりがポイントになるとも言える。自身が満を持してピットで待機している間に、他車がクラッシュして赤旗にでもなれば、リズムが崩れ、集中力にも多少影響が出てくるはず。速さだけでなく、あらゆる外的要因に対しても強さを見せつけてこそ、ポールポジションを手にすることができるのだ。
しかしその一方で、難コースであるSUGOを得意とするドライバーも少なくない。ル・マン24時間の怪我から復帰するも、前回のオートポリスでは不運に泣いたロイック・デュバルは、ここSUGOを得意とするドライバーのひとり。現在、ランキング4位とチャンピオン争いの渦中にあって、やや微妙な順位にいるが、まだまだチャンスも残っている。確固たる自信をもってこのSUGOでの反撃に挑んでくることだろう。これに対し、現在シリーズランキング暫定トップの座にいるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは、このSUGOとの相性がさほど良くない。苦手意識うんぬん…のレベルではないだろうが、ここはチーム一の総合力でSUGOでの一戦をうまくマネージメントしたいところだろう。このオリベイラを2.5点差で追うアンドレ・ロッテラーはある意味、今勢いのあるドライバー。安定した速さ、勝負強さをうまく形にすれば、SUGOでの勝利もあり得る。それぞれの思惑がどのような結果となって現れるのか。その行方を見守りたい。
■主なタイムスケジュール
・9月27日(土)
08:00 ゲートオープン
09:00~10:00 フリー走行
11:55~12:25 ピットウォーク
13:10~ 公式予選(ノックアウト方式)
13:10~13 : 30 Q1(20台→14台)
13:40~13 : 47 Q2(14台→ 8台)
13:57~14 : 04 Q3
16:50~17:20 キッズピットウォーク
・9月28日(日)
07:00 ゲートオープン
09:15~09:45 フリー走行
09:45~09 : 55 スタート練習
11:00~11:35 ピットウォーク
15:00~ 決勝 68Laps
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA