スーパーフォーミュラ2014 Round.3 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 国内イベント・レースレポート
  3. スーパーフォーミュラ2014
  4. Round.3

スーパーフォーミュラ2014 Round.3

2014年7月14日

スーパーフォーミュラ第3戦富士、波乱のレースを中嶋一貴が制する!


7月13日、静岡県・富士スピードウェイにおいて、全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦の決勝が行われた。55周のレースは、終盤に降り出した雨に多くのクルマが翻弄されることになったが、その中でチャンスを掴んだのは、予選4位スタートの中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14))だった。

朝から薄曇りの天気となった富士スピードウェイ。決勝を迎える午後2時直前になっても、気温23度、路面温度28度と想定以上に低い数値のままだった。なお今回、55周、250kmのレースではタイヤ交換、ガソリン補給は義務付けられてはいないが、燃料搭載量を考えても補給は必要のため、そのタイミングで併せてタイヤ交換を行うのが正当法と見られており、実際のところも突然の雨を意識して戦略を立てたチームが大半だったようだ。

決勝直前のウォームアップセッションで風に乗ってパラパラと通り雨になったことから、レースはウェット宣言下のままスタート。急きょ代役での参戦ながらポールポジションを獲得するという大技を披露したアンドレア・カルダレッリ(Team KYGNUS SUNOCO SF14)に代わり、予選2番手のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)がホールショットを奪うと、さらには予選3番手で勢いにのるジェームス・ロシター(フジ・コーポレーション KONDO SF14)もこれに続き、カルダレッリは3番手から周回を重ねていった。

スピードで勝るオリベイラは頭ひとつ飛び出してトップをキープ。2位ロシター、3位アンドレアに続いたのは、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)。この3台はつねに1~2秒台という僅差で互いを牽制、次なる展開に向けてチャンスを伺った。だが、皮肉にもレースは雨という要素によって新たな変化が訪れる。天候の崩れを気にしつつ、ルーティンワークを終えた各車だったが、チェッカーまで残り15周を切ってから招かざる客、雨が降り始めたのだ。

あっという間にグランドスタンドには傘の花が開き、4番手で健闘していたカルダレッリがスピンを喫し、雨の犠牲となる。一方、逃げるオリベイラとの差を詰めたいロシターと、カルダレッリを抜いて3番手に浮上していたロッテラーはもともと“ちょい濡れ”コンディションを得意とするだけあって、チャンスとばかりプッシュを始める。結果、先輩格のアンドレがロシターをまず料理し、一時は6秒以上あったトップとの差を2.5秒まで縮めて一気に勝負へと持ち込もうとする。しかしながらレース終盤に訪れたトップ2台のバトルは展開することなく、終止符が打たれてしまった。

なんとトップのオリベイラが単独スピン。これは周回遅れになった後方車両がクラッシュし、飛び散ったパーツを避けようとして招いた結果だったというが、オリベイラにとっては悔やんでも悔やみ切れないレースの結末になってしまったといえる。レースはこのアクシデントを受けて、セーフティカーを導入。ペースがコントロールされ、レースが再開したのは残り僅か3周になってからだった。

SCラン中にレインタイヤへスイッチした大半の車両に対し、ついにトップを奪ったロッテラーとその後方につけていたロシターは依然スリックのまま。あとはひたすらガマン比べになるかと思われたが、次第に酷くなる雨にはこのふたりも立ち向かうことができず、リスタート後はずるずるとポジションを下げることに。思わぬ展開でトップの座が巡ってきたのは、ルーキーの平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)。しかしその背後を中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)がピタリとマーク。両者とも悪路をものともせず果敢に攻めるギリギリのバトルを繰り広げた。最終的に軍配が上がったのは、中嶋。先輩として、またタイトル経験者の意地を見せて今季初勝利を飾っている。

 

 

■第3戦富士 決勝結果(TOP6)

1.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1:26’37.171 55Laps
2.No. 7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)+0.780
3.No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)+3.219
4.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)+3.950
5.No. 1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)+6.121
6.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)+29.406

 

記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

  • GNNS_SF3_F_0713_PH



  • 2014年7月13日

    スーパーフォーミュラ第3戦富士、初参戦のカルダレッリがポールをゲット!


    7月12日、静岡・富士スピードウェイにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦の予選が行われ、ル・マン24時間レースで負傷し、今大会を欠場したロイック・デュバル選手に代わって出走したアンドレア・カルダレッリ(Team KYGNUS SUNOCO SF14)が自身初となるポールポジションを手にした。

    第2戦に続き、戦いの舞台は富士。ちょうど台風8号車通過した後とあって、前日の専有走行では大変蒸し暑い天候の中でセッションが繰り広げられたが、予選日は薄曇りの中、さほど気温も路面温度も上昇せずアタックするにはまずまずの条件となった。結果、上位争いはつねに100分の数秒を争うハードな状況となり、中でもノックアウト予選でQ1からQ2へかけては、1000分の5秒差というサバイバルなコンディション。今シーズンから投入されたSF14のポテンシャルの高さが改めて証明されることとなった。

    Q1でトップタイムをマークしたのは中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)。だがQ2、Q3と今ひとつ波に乗れず、最終的には4番手どまりに。一方、徐々に調子を上げてきたのが、前回好成績を収めたJ・P・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM INPUL SF14)だった。Q2でトップタイムを奪うと、Q3でも果敢にアタック。1分23秒729でトップに立つ。2番手には今シーズンからフル参戦を開始したジェームス・ロシター(フジ・コーポレーション KONDO SF14)がトップとわずか1000分の1秒差で2番手につけて、このままチェッカーを迎えるかと思われたのだが、ここへ来て、カルダレッリが1分23秒667の驚異的なタイムをマーク! オリベイラに0.062秒差をつけて、急きょ参戦が決定したニューカマーが予選の主役に収まることとなった。

     

    ■第3戦富士 予選結果(TOP6)

    1.No. 8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’23.667
    2.No.19 ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)1’23.729
    3.No. 3  ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーション KONDO SF14)1’23.730
    4.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’23.751
    5.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’23.858
    6.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’23.943

     

    記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

  • GNNS_SF3_Q_0712_PH



  • 2014年7月10日

    SUPER FORMULA第3戦富士 プレビュー


    第2戦開催からおよそ2ヶ月弱。再びフォーミュラカーのエキゾーストサウンドが戻ってくる。7月12-13日、静岡・富士スピードにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦が行われる。大型の台風8号が九州地方に上陸し、現時点では日本列島に暴風雨の警戒が広がっているが、週末は台風一過のなかで好バトルが見られるのかどうか、気になるところだ。

     

    ■前回に続いての富士戦はどんな戦いに?

    前回第2戦が行われたのも、同じ富士スピードウェイ。五月晴れに恵まれ、安定したコンディションが味方し、予選では次々とコースレコードが更新された。さらには、決勝日に2レースを実施する超スプリントレースが採用され、駆け引きの上手なドライバーが巧みなテクニックを披露するシーンが多く見られた。

    一方、今回のレースは通常どおりのスタイルで250kmを争う。予選はいつもと同じノックアウト方式が採用され、最終アタックのQ3に出走できる8名に残るべく奮闘することになる。今季、ニューマシンとなったSF14に搭載されるエンジンもまた新しく、「NRE=Nippon Racing Engine」と呼ばれている。とはいえ、その心臓部は2メーカーがリリースしており、SUEPER GTのGT500クラス車輌にも採用されているホンダ(HR-414E)およびトヨタ(RI4A)の2,000cc、直列4気筒、ターボエンジンが搭載されている。シーズン前にはこのニューパッケージでのテストを頻繁に行う予定だったが、悪天候による降雪などで思うような走行が行えず、ある意味突貫工事に似た慌ただしさの中、開幕戦を迎えたという経緯もあり、どのチームも完璧なセットアップを見つけ出しているとは言い難い。

    そういう意味では、同じサーキットで2戦連続の戦いになることは、エンジニアやドライバーにとってプラス材料になるのではないかと思うのだが、レースフォーマットが異なるうえ、前回の5月開催よりも天候がより厳しい暑さになることが予測されるため、ひと言で比較対象になるというのは難しいだろう。ニューマシンにはまだまだ明らかにされていない高いポテンシャルが多く潜んでいると思われる。

     

    ■チャンピオン争いというには気が早いけれど

    今季開幕戦の鈴鹿を勝利したのは、ロイック・デュバル。続く第2戦の富士は、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラとアンドレ・ロッテラーがそれぞれのレースを制し、“ガイジン”ドライバーのみが表彰台の真ん中に立っている。3人はみなチャンピオン経験を持つベテラン組。ニューマシンをいち早く自分のモノにしているのだろうか。そんな中、次なる覇者に近いポジションにいると思われるのが、中嶋一貴。今季も日本のスーパーフォーミュラ、SUPER GTに加え、海外での世界耐久選手権(WEC)を掛け持ちする超ハードワークだが、WECのメインレースともいえるル・マン24時間レースが6月に終了。そのあと少しばかりレースイベントから解放されているはずだから、鋭気を養った状態で今大会に挑んでくるはず。日本人初となるル・マンでのポールポジション獲得という偉業を成し得た中嶋の勢いに着目したい。

    ところで、迎え撃つ“ガイジン”組には少し変化が。初戦ウィナーのデュバルは、ル・マンの練習走行中に大クラッシュを演じ、足を負傷。本人は参戦する意向を持っていたが、最終的にFIAからの認可が下りず、残念ながら欠場することに。僅差とはいえポイントランキングでトップに立つ彼にとっては悔しい限りだが、復帰後の奮闘に期待がかかる。

    上位陣の安定した戦いに加え、そろそろ本領発揮が待たれるホンダ勢。前回、第2レースで5位入賞を果たしたディフェンディングチャンピオンの山本尚貴を筆頭に、粘り強く、また虎視眈々とライバルとのバトルに挑んでくるはず。果たして、シーズン前半戦から折り返しに向かうこの富士戦で流れが変わるのか? 楽しみな一戦になることだろう。

     

    ■主なタイムスケジュール

    ・7月12日(土)
    07:00 ゲート、パドックオープン
    09:15~10:15 フリー走行
    11 : 15~11:55  ピットウォーク
    14:45~ 公式予選(ノックアウト方式)
    14 : 45~15 : 05 Q1(19台→14台)
    15 : 15~15 : 22 Q2(14台→ 8台)
    15 : 32~15 : 39 Q3
    17:30~18:00 キッズピットウォーク

    ・7月13日(日)
    06:00      メインゲート オープン
    07:00      パドックオープン
    08:50~09:20  フリー走行
    11:05~11:45  ピットウォーク
    13:15~13:23  ウォームアップ
    14:00~     決勝 55Laps

     

    記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA





    スポーツカーの中古車情報ならGTNET