スーパーフォーミュラ2014 Round.3
SUPER FORMULA第3戦富士 プレビュー
第2戦開催からおよそ2ヶ月弱。再びフォーミュラカーのエキゾーストサウンドが戻ってくる。7月12-13日、静岡・富士スピードにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦が行われる。大型の台風8号が九州地方に上陸し、現時点では日本列島に暴風雨の警戒が広がっているが、週末は台風一過のなかで好バトルが見られるのかどうか、気になるところだ。
■前回に続いての富士戦はどんな戦いに?
前回第2戦が行われたのも、同じ富士スピードウェイ。五月晴れに恵まれ、安定したコンディションが味方し、予選では次々とコースレコードが更新された。さらには、決勝日に2レースを実施する超スプリントレースが採用され、駆け引きの上手なドライバーが巧みなテクニックを披露するシーンが多く見られた。
一方、今回のレースは通常どおりのスタイルで250kmを争う。予選はいつもと同じノックアウト方式が採用され、最終アタックのQ3に出走できる8名に残るべく奮闘することになる。今季、ニューマシンとなったSF14に搭載されるエンジンもまた新しく、「NRE=Nippon Racing Engine」と呼ばれている。とはいえ、その心臓部は2メーカーがリリースしており、SUEPER GTのGT500クラス車輌にも採用されているホンダ(HR-414E)およびトヨタ(RI4A)の2,000cc、直列4気筒、ターボエンジンが搭載されている。シーズン前にはこのニューパッケージでのテストを頻繁に行う予定だったが、悪天候による降雪などで思うような走行が行えず、ある意味突貫工事に似た慌ただしさの中、開幕戦を迎えたという経緯もあり、どのチームも完璧なセットアップを見つけ出しているとは言い難い。
そういう意味では、同じサーキットで2戦連続の戦いになることは、エンジニアやドライバーにとってプラス材料になるのではないかと思うのだが、レースフォーマットが異なるうえ、前回の5月開催よりも天候がより厳しい暑さになることが予測されるため、ひと言で比較対象になるというのは難しいだろう。ニューマシンにはまだまだ明らかにされていない高いポテンシャルが多く潜んでいると思われる。
■チャンピオン争いというには気が早いけれど
今季開幕戦の鈴鹿を勝利したのは、ロイック・デュバル。続く第2戦の富士は、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラとアンドレ・ロッテラーがそれぞれのレースを制し、“ガイジン”ドライバーのみが表彰台の真ん中に立っている。3人はみなチャンピオン経験を持つベテラン組。ニューマシンをいち早く自分のモノにしているのだろうか。そんな中、次なる覇者に近いポジションにいると思われるのが、中嶋一貴。今季も日本のスーパーフォーミュラ、SUPER GTに加え、海外での世界耐久選手権(WEC)を掛け持ちする超ハードワークだが、WECのメインレースともいえるル・マン24時間レースが6月に終了。そのあと少しばかりレースイベントから解放されているはずだから、鋭気を養った状態で今大会に挑んでくるはず。日本人初となるル・マンでのポールポジション獲得という偉業を成し得た中嶋の勢いに着目したい。
ところで、迎え撃つ“ガイジン”組には少し変化が。初戦ウィナーのデュバルは、ル・マンの練習走行中に大クラッシュを演じ、足を負傷。本人は参戦する意向を持っていたが、最終的にFIAからの認可が下りず、残念ながら欠場することに。僅差とはいえポイントランキングでトップに立つ彼にとっては悔しい限りだが、復帰後の奮闘に期待がかかる。
上位陣の安定した戦いに加え、そろそろ本領発揮が待たれるホンダ勢。前回、第2レースで5位入賞を果たしたディフェンディングチャンピオンの山本尚貴を筆頭に、粘り強く、また虎視眈々とライバルとのバトルに挑んでくるはず。果たして、シーズン前半戦から折り返しに向かうこの富士戦で流れが変わるのか? 楽しみな一戦になることだろう。
■主なタイムスケジュール
・7月12日(土)
07:00 ゲート、パドックオープン
09:15~10:15 フリー走行
11 : 15~11:55 ピットウォーク
14:45~ 公式予選(ノックアウト方式)
14 : 45~15 : 05 Q1(19台→14台)
15 : 15~15 : 22 Q2(14台→ 8台)
15 : 32~15 : 39 Q3
17:30~18:00 キッズピットウォーク
・7月13日(日)
06:00 メインゲート オープン
07:00 パドックオープン
08:50~09:20 フリー走行
11:05~11:45 ピットウォーク
13:15~13:23 ウォームアップ
14:00~ 決勝 55Laps
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA