8月4日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦の決勝レースが52周に渡って行われ、終盤に攻防戦となるなか、ポールポジションスタートの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が、チームメイトのアンドレ・ロッテラーをシャットアウト、今シーズン待望の初優勝をもぎとった。
予選日よりも蒸し暑い日となった決勝日。薄曇りながら湿気の高いコンディションの中、朝のフリー走行が始まり、各車決勝に向けてのセットアップを進めることになった。
今大会はオートバイレースとの併催イベントだったこともあり、決勝レースは通常よりおよそ1時間遅い午後3時15分にスタート。だが、その直前、ダミーグリッドに各車が整列する中、にわかに雲行きが怪しくなり、ついにはポツリポツリと雨が落ちはじめた。ウェット宣言が出るかと思われたが、すでにグリッドについた車両はこのままスタートを切るのみ。難しいコンディションでのスタートが切られることになった。
ポールポジションの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が難なくスタートを決め、その後ろには、“ちょい濡れ”コンディションが得意なアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)そしてジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)ら、つまり“ガイジン”ドライバーがズラリと並ぶ。彼らは一切の躊躇なしに力で滑るクルマをねじ伏せるかのような力強さで上位グループを形成、互いに逆転のチャンスを伺った。
その上位グループのルーティンワークはレース後半に入ってから。まず2位争いのロッテラーとオリベイラが先陣を切り、その翌周にトップの中嶋がコースに戻った。待ち受けたスタッフが右フロントタイヤの交換に少してこずり、それ様子を目の前で見た中嶋は「あぁ…」と一瞬気落ちしたというが、幸い大きなロスタイムは回避。トップのままレースに復帰、ファステストラップを叩き出しながら依然として猛追する後方のライバルからのプレッシャーをはねのけ、そのままフィニッシュ! 今季初、そして自身初となるこのカテゴリーでのポール・トゥ・ウィンを達成することになった。
なお、次戦のスーパーフォーミュラ第5戦は、当初8月下旬に韓国・インジェ大会が開催される予定だったが、主催者側の意向によってキャンセルが正式に発表されている。これにより、レースを運営するJRPでは9月下旬のSUGO戦を第5戦として実施されることから、今後代替戦の実施などを引き続き検討していくとのことだ。
・第4戦もてぎ 決勝結果(TOP6)
1.No.01 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)52周 1:24’17.917
2.No.02 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)+1.812
3.No.08 ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)+7.422
4.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)+16.057
5.No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)+46.210
6.No.39 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)+55.653
記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA