スーパーフォーミュラ2013 Round6 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2013 Round6

2013年9月30日

スーパーフォーミュラ第6戦SUGO、デュバルが今季初優勝!


9月29日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦の決勝レースが86周に渡って行われ、ポールポジションからスタートを切ったロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が激闘を制し、待望の今シーズン初優勝を果たした。また所属チームにとって10年ぶりの勝利となった。

レースウィーク中、申し分のない秋晴れの好天気に恵まれたSUGO。穏やかな日差し、爽やかな風が吹く絶好のレース日和になった。だが一方で決勝は、68周の戦いの中で4度もセーフティカーがコースインし、レースをコントロールするという波乱に満ちた展開となった。

スタートで気持ちわずかにスタートが鈍ったポールシッターのデュバル、なんとかトップをキープし、1コーナーに向ったが、イン側からスタートを切った山本尚貴(TEAM 無限)はそのあおりを喰い、行く手を拒まれる。さらに予選3番手スタートのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)が山本のアウト側に並び、逆転を狙う。ロッテラーは左タイヤをダートに落としながらもクルマをコントロール。その勢いで1コーナーで山本を制し、2位を奪った。

迫力満点のオープニングラップを終えたが、レースは思わぬ方向へと進む。2周目、コースアウトの末に1台のクルマがスポンジバリアに突っ込み、車両回収のためにセーフティカーが導入される。SCランは7周終了まで続いたが、このインターバルで早くも2台のクルマがルーティンワークのピットインを行う。8周目にはレースが再開、だが、その直後に2台のクルマがストレート上で接触。1台がコースアウトし、1コーナーのスポンジバリアへと直進するアクシデントが発生した。これにより、またもSCランが! このタイミングになると、上位争いを含め、続々とクルマがピットイン。作業に取り掛かった。

一方、ピットインのタイミングをずらしたのが、小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。今季は開幕戦で3位表彰台に上がっただけで、好成績を残せていない小暮は、ぜひ優勝を! とぐんぐん後続を引き離す好走を見せる。だが、その独走劇に水を挿したのが、3度目となるSCランだった。小暮はこのタイミングでピットイン。作業を終えてトップでレースに復帰できると自身は思っていたのだが、その目の前には伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が!伊沢は1度目のSCランでルーティンワークを終えており、2台はすぐさま一触即発状態のバトルを演じはじめる。2番手小暮は、その背後にハイペースで近づいてくるデュバルの存在を感じ取っており、早いタイミングでトップを奪還したいと伊沢を猛プッシュ。だが開幕戦以来の優勝を目論む伊沢も譲れない。激しく競る2台は37周目の1コーナーで接触! 小暮が伊沢をはじき出すような形となり、伊沢は2コーナーのアウト側に飛び出し、そのままクルマがストップ。リタイヤを喫した。一方の小暮はペースを落とすことなく再び勝利への道をひた走ったのだが…。

その後、2台の接触に対し、小暮は10秒間のペナルティストップが科せられ、52周に失意のピットインを行った。これで小暮の手から優勝の可能性がこぼれ落ち、変わってトップに立ったのはデュバルだった。そしてその直後には、ロッテラー。時に際どいサイド・バイ・サイドの攻防戦を披露。文字通り“ギリギリ”のバトルが何周にもわたって続き、詰めかけたSUGOのレースファンを魅了した。

レースは最終盤、56周目に4度目のSCがコースイン。コース上のあちこちでトラブルやアクシデントが発生するという荒れた状況となり、64周終了までレースがコントロールされてしまう。そして迎えた残り4周のレースでは、リスタートからして激しい駆け引きが繰り広げられた。一旦加速したデュバルだったが、その直後にペースを落とし、真後ろにつけるロッテラーのアクセルワークを翻弄する。功を奏し、トップをキープしたデュバルだったが、ロッテラーも負けてはいない。最後の最後までチャンスを信じ、デュバルに詰め寄った。が、あと僅か及ばず。フィニッシュラインはイン側にデュバル、そのアウト側の後方にロッテラーという形で2台がチェッカードフラッグを受け、結局0.041秒という僅差でデュバルが逃げ切りに成功することとなった

2位ロッテラーに続いたのは、山本。4度目のリスタートで、後方にいた国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)の猛追に遭うもシャットアウトに成功。今季3度目の3位でレースを終えた。

最終戦は2レースで開催されるスーパーフォーミュラ。現時点でシリーズチャンピオン争いはロッテラーがトップに立ち、6点差でデュバルが2位につけている。だが、この2人は世界耐久選手権(WEC)参戦のため、欠場がほぼ確定している。ランキング3位には山本がつけるが、トップのロッテラーとは13点の差があるため、逆転チャンピオンを果たすには、鈴鹿での高得点獲得が必須。気の抜けない最終戦は、11月9-10日、三重・鈴鹿サーキットで開催される。

・第6戦SUGO 決勝結果(TOP6)
1.No.08 ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)1:37’08.879
2.No.02 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)+0.041
3.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)+2.520
4.No.39 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)+4.640
5.No.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)+5.224
6.No.03 安田裕信(KONDO RACING)+9.103

 

記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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  • 2013年9月30日

    スーパーフォーミュラ第6戦SUGO、デュバルが今季2度目のポール獲得


    9月28日、秋晴れの快晴に恵まれた宮城・スポーツランドSUGOにおいて、全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦の予選が行われた。Q1を含む3度のタイムアタックで最速ラップを叩き出したのは、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)。自身今シーズン2度目となるポールポジションは、チャンピオンタイトルを目指すランキング2位の立場として最良の結果を導くことになった、

    朝は雲ひとつない青空が広がったSUGO。安定した天候ながら、フリー走行中の路面コンディションは滑りやすい状態で、各ドライバーともクルマのセットアップに苦心した。そんな中、デュバルがトップタイムをマーク。今シーズン果たしていない優勝に向けて好スタートを切ることになった。

    その後、ピットウォークを経て迎えたノックアウト方式の予選。まずユーズドタイヤを装着した状態でアタックに入ったQ1。予選用にセットアップしたクルマのコンディションを確認し、ニュータイヤでのアタックに向った。ここでもデュバルはトップタイムをマーク。これに僅差で山本尚貴(TEAM 無限)、小暮卓史(NAKAJIMA RACING)らが続いた。

    その後のQ2では、ディフェンディングチャンピオンの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)がトップにつけ、デュバルは2番手時計。安定した速さをしかとアピールすると、その勢いのままQ3へと突入した。参戦台数19台からQ1、Q2を経て最終アタックとなるQ3へと駒を進めたのは8名。万全を喫してコースインしたデュバル。ライバル達が次々と自己ベストタイムをマークする中、その有終の美を飾るかのようなタイミングで総合トップタイムの1分06秒141のトップタイムをマーク。第3戦富士に次いで今シーズン2度目のポールシッターとなった。

    現在、シリーズランキングでトップの座につけるアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)は予選3番手、そしてランキング3番手の山本は2位スタートとなり、明日はタイトル争いを見せるドライバーが上位に集結。タイトでパッシングポイントが少ないSUGOのコースを味方につけることができるのは、一体どのドライバーか? 決勝の68周から目が離せない!

    ・第6戦SUGO 予選結果(TOP6)

    1.No.08 ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)1’06.141
    2.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)1’06.343
    3.No.02 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)1’06.368
    4.No.01 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)1’06.414
    5.No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)1’06.460
    6.No.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)1’06.724

     

    記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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  • 2013年9月27日

    「タイトル獲得のターニングポイントは、ズバリ優勝!」


    第5戦・韓国インジェでの一戦が開催中止となったため、およそ2ヶ月ぶりのレース開催となる全日本選手権スーパーフォーミュラ。第6戦の舞台となるのは宮城・スポーツランドSUGO、距離こそやや短いが起伏に富んだコースレイアウトを持ち、攻めがいのあるテクニカルコースとして知られている。と同時に納得のいくセットアップを見つけなければ、攻防戦に持ち込むことが難しくなる。ドライバーとチームによる総合力をしかと見せつけてこそ、この菅生戦のイニシアチブを取ることができるだろう。

    ■テクニカルコースでライバルをリードするカギとは?

    現時点での天気予報を見る限り、菅生戦が行われる週末は安定した秋晴れに恵まれるようだ。中秋とはいえ、寒暖の差もあるこの季節ともなるとサーキットのある仙台市の山間部は肌寒さを覚える気温になる可能性もある。そんな中、見どころとなるのは、予選から始まるチャンピオンタイトル獲得への激しいバトルだ。

    山間に位置するスポーツランドSUGOは、アップダウンのある高速サーキットで、中高速コーナーを合わせ持つ、やや距離が短いコースとして知られる。ステアリング操作が多く、いわゆるテクニカルコースだけにパワー勝負というよりは、ドライバーの巧みなステアリングさばきがコンマ数秒の争いをより過酷なものにすると言える。

    ■佳境を迎えるタイトル争い

    第5戦韓国戦がキャンセルされたことにより、今シーズンのチャンピオン争いはこの菅生戦と最終戦の鈴鹿の2戦で争われることになった。佳境に入った中、現在、ランキングトップに立つのは、アンドレ・ロッテラー。世界耐久レース(WEC)との掛け持ちを強いられており、そのいくつかはレーススケジュールがバッティングしていることから、スーパー・フォーミュラへの全レース出走は不可能なのだが、そんな厳しい環境をもろともせず、第2、3戦で連勝し、第4戦でも2位入賞と申し分のない結果を残している。ランキング2位につけるロイック・デュバルもロッテラー同様に、WECを優先するスポット参戦。だが、しぶといレース運びで好成績を残し、この菅生戦では今季未達成の優勝を狙っていることだろう。

    スポット参戦組ふたりがランキング1-2を占領する中、3番手につけるのが、日本人の山本尚貴だ。第2、3戦で連続3位を獲得。当の本人は表彰台の真ん中を目標としているのは当然だが、ここまで着実にポイントを積み重ねてきたのが功を奏した形だ。とはいえ、4番手との差もわずか。しかもそれがチャンピオン経験を持つ中嶋一貴とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラのふたりとあれば、その争いも厳しいものになると思われる。

    中でもディフェンディングチャンピオンの中嶋は、序盤戦で苦しみ、ようやく第4戦で今シーズン初勝利を達成。ここで勢いに乗らないと連覇の可能性はほぼなくなってしまう。というのも、トップのロッテラーと中嶋とのポイント差は13点。ポール・トゥ・ウィンという理想の形を達成して得られるポイントは11点であるためそう簡単な話ではないが、中嶋はもとより、チャンピオン争いの渦中にあるデュバル、山本、そしてデ・オリベイラもまずは誰よりも先にチェッカーを受けることが今大会のミッションになることは言うまでもない。

    ■ランキング1-2のふたりは菅生戦がラスト戦に

    一方、ランキングトップと2位のふたりにとっては、この菅生戦が今シーズンラストレースとなる。というのも、最終戦の鈴鹿戦が彼らのメインレースであるWEC戦とバッティングしているからだ。

    しかも、最終戦は2レース制が導入されており、通常のレースより獲得ポイントが多くなる。2レースの場合、単純に1レース開催時の倍数でポイントを獲得できるわけではなく変則的なポイント構成になるが、それでも2レースあればポイント獲得の機会が増えることには違いない。だからこそロッテラーを追うデュバルに限らず、ポイントリーダーのロッテラーも、ライバルたちより優位な地位に立ってプレッシャーをかけたいというのが本音。よって、彼らも今回の菅生戦は何が何でも「優勝」しておくことが必須条件になるのだ。

    ■インディ勝者の、あの選手が再び参戦!

    昨年、前身のフォーミュラ・ニッポンでスポット参戦を果たし、久々に日本のレースで勇姿を披露した佐藤琢磨。今シーズンは開幕戦の鈴鹿に参戦、その後、アメリカに戻りシリーズ参戦中のインディ第3戦で日本人として初優勝を果たしたのは、記憶に新しい。その佐藤が再び東北の地を踏む。昨年、自身初となる菅生のコースを経験しているだけに、今年はさらなる飛躍に注目が集まりそうだ。

     

    ◎全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦 菅生
    ・9月28日(土):予選日
    09:00 – 10:00 フリー走行
    11:50 – 12:25 ピットウォーク
    13:10 – 13:30 公式予選(Q1)
    13:40 – 13:47 公式予選(Q2)
    13:57 – 14:04 公式予選(Q3)
    16:40 – 17:10 キッズピットウォーク

    ・9月29日(日):決勝日
    09:15 – 09:45 フリー走行
    11:05 – 11:35 ピットウォーク
    14:50 – グリッドウォーク
    15:00 – 決勝(68Laps)

    ・併催イベント
    全日本F3選手権シリーズ第12&13戦
    GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race 2013 東北シリーズ第3戦
    2013 MUGEN POWER Cup CIVIC One Make Race 第4戦
    SUGOロードレースシリーズ第4戦 CBR250R Dream CUP

     

    Text : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA





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