スーパーフォーミュラ2013 Round1 本選 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2013 Round1

2013年4月15日

スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿、波乱の展開を伊沢が制す!


4月14日、三重・鈴鹿サーキットで行われた全日本選手権スーパーフォーミュラ第1戦の決勝レース。51周およそ300kmの長丁場を制したのは、ポールポジションからスタートを切った伊沢拓也(No.40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。終盤まで予選2位の小暮卓史(No.32 NAKAJIMA RACING)にリードを許していたが、セミファイナルラップで小暮がまさかの失速! マシントラブルに泣いた小暮はなんとかクルマをフィニッシュラインまで運んだものの、松田次生にも逆転され、3位に甘んじた。
一方、大型新人の呼び名も高い平川亮(No.7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)はタフな戦いを冷静に戦い抜き、8位フィニッシュ。デビューレースでいきなり入賞を果たすという快挙を見せている。

前日の予選日よりも気温が上がり、レース日和の朝を迎えた鈴鹿サーキット。午後に入ると空は薄曇りとなったが、2万9000人もの観客がスーパーフォーミュラとしての最初の戦いの行方を見守った。スタートを決めたのは、ポールポジションから飛び出した伊沢。しかし、その背後にぴたりとつける予選2番手の小暮が、オープニングラップ後の2コーナー進入でアウト側から一気に勝負に出て逆転を果たす。先頭に立った小暮はあっという間に後続との差を開けて、ひとり旅状態になった。

このひとり旅、実は今回300kmという通常よりも50km長いレース距離を踏まえて小暮がチームとともに採った作戦がライバルと異なったために起こったもの。ライバルたちの多くは、燃費走行を続け、ルーティンワークのピットインでは、チェッカーまで必要な燃料を搭載するという戦略を立てていた。しかし、小暮はスタート時に燃料をさほど入れず、いわゆる「軽タン」状態でどんどん後続を引き離そうとしたというわけ。当然、ピット作業での給油ではライバルたちよりも多くの時間が必要となる。そのためにもできる限り多くの差を築いておくことが必要なのだ。

実際、20周を過ぎたあたりからピットインが始まり、ライバルたちは20秒前後で作業を済ませる中、22周目でピットに戻った小暮は作業に34.2秒をかけてコースへと復帰。しばらく重いクルマでコースを周回し続けた。そして小暮に代わって暫定トップに立っていた伊沢は27周を終えてピットイン。こちらは20.2秒という短い時間で全作業を終えてコースへと戻っていく。ちょうどそのとき、小暮は最終コーナーを立ち上がり、メインストレートへと向かう頃。フレッシュタイヤを着けたばかりの伊沢は、まだプッシュができない状態。迫り来る小暮には一応の抵抗は見せたが、S時1つ目の進入で小暮の先行を許してしまった。

全車がルーティンワークを終えると、再び小暮がトップに立ち、それを伊沢が追うという展開が続いていく。後方には昨日の予選を僅差で4位となったベテラン松田次生(No.20 Lenovo TEAM IMPUL)がつき、その後ろを予選5番手の山本尚貴(No.16 TEAM 無限)が追う。終盤までトップと2位との差はつねに2.5秒近く保たれていたことから、このまま小暮が久々の優勝を遂げるのではないかと思われたのだが…。ラスト5周くらいから、トップ2台の差が縮まり始める。

実は30周を過ぎたあたりから、小暮はエンジンの吹き上げが悪くなっていることを感じ、ドライブ中にもメインスイッチのオン・オフをはじめ、車体を揺するなど、機能を復調させるために出来うる限りの手段を試していた。しかし努力の甲斐なく一向にペースは戻らない。さらにセミファイナルラップに入るころには、ペースが大幅にダウン。ついにレース残り2周を切った50周目の130Rで、後続の伊沢が小暮に襲いかかり、逆転! トップに立った。さらには最終ラップで小暮に追い付いた3位の松田がシケインで見事なツッコミを見せてオーバーテイク。心持ち後ろで2台の行く末を見ていた山本はその僅差を詰め切れず、小暮はなんとか3位を死守することになった。

「優勝はしたが、今日は戦いで小暮選手に負けていた」と覇者の伊沢はポール・トゥ・ウィンながらも笑顔はなかったが、1週前のSUPER GTの開幕戦でも優勝を果たしており、両カテゴリーで初戦を制するという幸先いいスタートを切っていることは確かだ。そして、2位に入った松田選手もロングランのレースでは久々の表彰台。さらにここ数年、精彩を欠いて上位争いから遠ざかっていた小暮自身も悔しい結果ながら3位表彰台へと上がり、復活の兆しを見せたことから、新生スーパーフォーミュラでの激しいバトルは、今後も盛り上がりを見せてくれそうだ。

次戦、スーパーフォーミュラ第2戦の舞台は、テクニカルコースとして知られる九州・大分のオートポリスで6月1、2日に開催される。

・第1戦鈴鹿 決勝結果(TOP6)
1.No.40 伊沢拓也 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 1H28.09.169 51L
2.No.20 松田次生 Lenovo TEAM IMPUL +2.345
3.No.32 小暮卓史 NAKAJIMA RACING +2.686
4.No.16 山本尚貴 TEAM 無限 +2.751
5.No.01 中嶋一貴 PETRONAS TEAM TOM’S +6.800
6.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ Lenovo TEAM IMPUL +8.829

 

記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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