SUPER FORMURA 2025 Round5
SUPER FORMULA第6&7戦富士 プレビュー
今季3度目のワンデーレース、富士で号砲
前回のレースからおよそ2ヶ月。サマーブレイクと言うには早いタイミングでの”お休み”を経て、今週末は全日本スーパーフォーミュラ選手権の第4回大会(第6戦・第7戦)が静岡・富士スピードウェイにおいて開催される。厳しい暑さが予想されるなか、久々の戦いは文字通りホットな展開となるのだろうか。
テストを経て迎えるシーズン中盤戦
レースこそ2ヶ月のインターバルとなったが、実のところ6月上旬には同じ富士において丸2日間公式合同テストが実施されている。寒い時期に行なわれたシーズン開幕前とは異なり、気候を含め、コンディションとしてはリアルタイムでの公式テストとあって、どのドライバー、チームともに気合十分のなかでテストに取り組むこととなった。2日間で走り込んだ時間はトータルにして10時間。両日ともに安定した天候となり、ドライコンディションでの走り込みが可能だった。それゆえ、慌ただしいスケジュールで進むレースウィークでは試すことが難しいような内容にも積極的に取り組み、これから迎えるシーズン中盤、後半の戦いに向けて各々用意したメニューをこなしていたようだ。そのテストで好調さをアピールしたのは、現時点でポイントランキングトップに立つNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。前回、第5戦オートポリスでは表彰台に上がることができなかったが、今回の富士で再び波に乗り、自身初のタイトル獲得に向けてしっかりとライバルに差をつけたいところだろう。
一方、ランキング2番手につけるチームメイトのNo.6 太田格之進も同じ思いのはず。開幕の鈴鹿大会、続くもてぎで牧野と同じように表彰台に立つも、オートポリス戦ではノーポイントに終わっている。昨シーズンのチャンピオンであるNo.1 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)がそのオートポリスでシーズン初勝利を果たしており、今後の活躍次第では、強力なライバルになることも容易に想像がつく。それだけに太田自身も富士でポイントを上乗せしたいと思っているはずだ。
今大会は、ワンデーx2日間!
ハイスピードサーキットでのレースは、前述のとおり予選と決勝を1日で行なうワンデーレースを土曜、日曜それぞれに実施する。そのため、金曜日にはフリー走行が設けられており、午前中に1時間、午後から1時間の計2時間を走り、翌日からの戦いに向けて最終調整を行なう形だ。まずはこの2つのセッションでどのドライバーが好調かどうか、チェックしてみたい。
土曜日開催の第6戦は、午前中にノックアウト予選を実施する。Q1では、これまでのポイントランキングをもとにグループを2つに分け、Q2進出車両を決める。Q2には各グループ6台、合計12台が出走し、ポールポジションを競うことになる。天候次第では、タイヤマネージメントを考え、最小ラップでのアタックになる可能性も高い。どのタイミングでコースインし、アタックを行なうのかドライバー同士の駆け引きにも注目しながら、最速ラップを刻むのが誰になるのか、見届けたい。
その後、およそ5時間強で決勝を迎えるが、レースはタイヤ交換のウィンドウが決められた36周での戦いとなる。ピット作業のタイミングとしては、通常のレース展開と似通ったものになると思われるが、オープニングラップの内容次第でその後の動きにも変化が生じるはずだ。
翌日開催の第7戦も午前中にノックアウト予選を行なうが、前日より1時間遅れのスタート。夏日が厳しいコンディションとなれば、高い数値を示すであろう路気温に気を配りながらのアタック合戦のなるだろう。もちろん、セットアップの”さじ加減”にも影響があるだろう。一方、決勝スタート時間は前日と同じ。ただ、レース距離に変化が見られる。プラス5周の41周での戦いとなり、かつタイヤ交換のウィンドウには制限がない。予選ポジション、そしてスタート直後の自身のポジションを考慮して各ドライバーがどのタイミングでピットに舞い戻ってくるのか。ピットインでは他のドライバーとの”兼ね合い”も少なからず影響が出てくるため、さまざまなシナリオが予想される。”運も実力のうち”とよく言われるが、自身の思い描く理想のレース展開をやってのけるのがどのドライバーになるのか、注目したい。
シーズン前半から中盤を迎えるなか、この富士で自身のポジションがより明確になるだけに、シーズン後半を見据えてより内容ある戦いをすべく、奮闘するドライバーの勇姿をしっかり目に焼き付けたい。
■主なタイムスケジュール
7月18日(金)
11:00 – 12:00 フリー走行1回目
14:50 – 15:50 フリー走行2回目
7月19日(土)
09:10 – 09:20 第1戦 予選Q1・A組
09:25 – 09:35 第1戦 予選Q1・B組
09:45 – 09:52 予選Q2
11:30 – 12:10 ピットウォーク
14:20 – 15:15 スタート進行
15:15 – 第6戦 決勝レース 36周/最大75分
7月20日(日)
10:10 – 10:20 第2戦 予選Q1・A組
10:25 – 10:35 第2戦 予選Q1・B組
10:45 – 10:52 予選Q2
11:35 – 12:15 ピットウォーク
14:20 – 15:15 スタート進行
15:15 – 第7戦 決勝レース 41周/最大75分
SUPER FORMULA 第5戦APプレビュー
1ヶ月ぶりの決戦。舞台は九州へ
モビリティリゾートもてぎで開催された2連戦からおよそ1ヶ月。今週末には、早くもシリーズ第5戦の戦いが控える全日本スーパーフォーミュラ選手権。その舞台となるのは、本州から離れて九州・大分へと移り、オートポリスで再びバトルを繰り広げることになる。年に一度の九州決戦、また新たなヒーローが生まれるのか。さらに盛り上がりそうな気配だ。
・山間に位置するサーキット
新緑がまぶしい季節となり、天候が良ければ初夏を存分に感じることができる時期に開催される今回の一戦。ワインディングロードを登り、観光気分も存分に味わえる先に待っているのが、オートポリス。開催時期は昨年とほぼ変わらないが、今年は5戦目。去年は2戦目だっただけに、今年は早くもシーズン中盤を意識した戦いとなる。
阿蘇山に囲まれるような場所にあるオートポリスは、アップダウンに富み、コーナーも低、中、高速コーナーが多彩に組み込まれている。また、車両のピットがメインストレートの左側、つまりコースの外側に配置されているというユニークなコースでもある。
・九州決戦の見どころは?
年に一度の開催、しかもシーズンオフでのテスト開催もないオートポリス。文字通り、ぶっつけ本番の戦いとなる。チームが持つ豊富なデータを活用し、ベースセットを持ち込むことになる。もちろん、経験のあるドライバーにとっては”勘を戻す”ところからの調整となるだろうが、今シーズンからステアリングを握るドライバーにとっては、その適応力が問われる戦いでもある。自身のスキルの高さをアピールする絶好のチャンスというわけだ。ただ、経験あるドライバーにとっても今年の一戦は”特別感”があるのではないだろうか。というのも、スーパーフォーミュラでは今シーズンからタイヤスペックが変更されており、そのタイヤを装着して走行するのは初めて。この点は参戦ドライバー全員が”イコールコンディション”であるため、予選日朝のフリー走行で誰がいち早く路面に見合うセッティングを導き出すか、その点も注目だ。
・シーズン中盤戦に向けて
3月上旬にシリーズが開幕した今シーズンは、鈴鹿、そしてもてぎで1大会2レースを開催、すでにこのオートポリスで5戦目を迎える。シーズン中、全12戦での開催であるため、早くもシーズン中盤に向けての一戦に位置する。つまり、タイトル争いを意識する以上、好成績を残すことが求められるのがこの大会でもある。これまでの2大会を振り返れば、No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が初チャンピオン獲得に向け、いい波に乗っているのは明らか。初戦を制した牧野の僚友、No. 6 太田格之進らに対し、ディフェンディングチャンピオンのNo.1 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)は、圧倒的な速さや強さをまだ存分に発揮できていないとも言える。ポイントランキングだけでシーズンを占うにはまだ時期尚早ではあるが、そろそろ巻き返しに入らなければ、タフな戦いが続くなかでのシリーズ連覇達成には暗雲立ち込める事になりかねない。そういう意味でも、このドライバーのポテンシャルが他のサーキットよりも問われやすいオートポリスは、いつも以上のドラマが期待できるのではないだろうか。勢いに乗る大田や牧野がこのまま突っ走るのか、あるいは、未だ優勝に手が届きそうで届かないNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が悲願の勝利を果たすのか。はたまた、そろそろ”エンジン始動”といきたいNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が”目覚める”のか……。そして、今大会には、WEC参戦で欠場していたNo. 7 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)や怪我で参戦を見送っていたNo.19 オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)が出走。腕に覚えのあるドライバーたちがどのようなベストパフォーマンスを披露するのか、しかと見届けてほしい。
主なタイムスケジュール
5月17日(土)
09:15 – 10:45 フリー走行1回目
12:40 – 13:30 ピットウォーク
14:00 – 14:10 予選Q1・A組
14:15 – 14:25 予選Q1・B組
14:35 – 14:42 予選Q2
16:30 – 17:00 キッズピットウォーク
5月18日(日)
09:40 – 10:10 フリー走行2回目
10:45 – 11:35 ピットウォーク
14:30 – 決勝レース 41周/最大75分