SUPER GT 2012 Round4
レースプレビュー・SUPER GT第4戦SUGO
SUPER GT、今シーズンの中盤戦がスタート!夏休みの戦いはみちのくSUGOで!
夏休みに入って2度目の週末、7月28-29日、宮城・スポーツランドSUGOにてSUPER GT第3戦「SUGO GT300km RACE」が開催される。今シーズンの序盤戦を終え、ライバルたちの動向なども把握できた今、同時にチャンピオン争いを意識し始める中盤戦だけに、まずはいい流れをしっかりとつかみたいというのが本音だろう。
何かが起こる?毎年思わぬ展開に発展するSUGO戦
第3戦セパンから1ヶ月強。いよいよSUPER GTのシーズン中盤戦が始まる。戦いの舞台となるのは、みちのく仙台のスポーツランドSUGO。折り返しの一戦は、ショートサーキットながら、アップダウンのあるテクニカルコースとして知られる。さらには、なにかしら毎戦波乱のドラマが待ち受ける一戦でもある。セパン、SUGO、そして8月の鈴鹿1000kmと続く、夏の三連戦はシリーズ戦のチャンピオン争いにも大きな影響を与えるポジションとなるだけに、各チームとも譲れない大事な戦いになることだろう。
東北地方にあるサーキットではあるが、ここでも真夏の厳しい暑さが待ち受ける。近年こそ十分な暑さ対策によってドライバーがツラい状況に置かれることもすっかり軽減したが、クルマ、とりわけタイヤにとってはその路面温度とのマッチングは依然として繊細なもの。僅かの温度差によってタイヤのもつポテンシャルが活きてくるか否かも、レースの流れに影響を与えてくることだろう。
今季未勝利のGT-R、本領発揮となるか?
開幕戦からスタートダッシュを見せたのは、レクサスSC430勢。シーズンオフのテストではアップデートキットが有効に作用せずタイムを出せないでいたのだが、シーズンが幕を開けると、状況はすっかり好転。ライバル勢を寄せ付けない速さを披露し、岡山、そして富士の500kmを制してきた。
一方、セパンで昨年に続いて勝利したのはホンダHSV-010 GT。No.18 ウィダーHSV-010(小暮卓史/C・ヴァン・ダム組)がコーナリングサーキットに強みを発揮し、灼熱の一戦ではスバ抜けた速さで完勝している。今回のSUGOもセパン同様HSV-010 GTとの相性がよく、フィニッシュラインぎりぎりまでトップ争いを繰り広げた一昨年の同士バトルも記憶に残る。今シーズンは安定した速さで表彰台の常連になっていることから、今年も文字通りホットなバトルがHSV-010 GT同士で見られるかもしれない。とりわけ、2位どまりでいまだ未勝利のNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)やNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)がそのチャンスを狙っている。
ライバルたちの活躍の裏で、今季はまだ表彰台の真ん中に上がっていないのが、日産GT-R勢だ。かつてはここSUGOがもともと鬼門というか、今ひとつ相性がよくないコースではあったが、近年は戦績も上昇、勝てるサーキットとしてターゲットを合わせてくるようになっている。とりわけディフェンディングチャンピオンであるNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/R・クインタレッリ組)は、厳しい暑さを味方につけた勝利を狙っている。というのも、昨シーズンはここで優勝を果たし、続く鈴鹿で2位につけ、チャンピオン争いを一気に有利にしたからだ。1号車は現時点でレース展開の流れが今ひとつよくなく、納得のいく戦いができていないだけに、なんとしてもこの戦いで一気に流れもリズムも取り戻したいというところだろう。
GT300は実力拮抗の状態から、また新たな覇者が誕生?
今シーズンの序盤ではっきりと明らかになったのは、GT300での上位争いを掌握しているのは、様々なFIA GT車両であるということ。3戦を終えてそれぞれ異なるFIA GT車両が制し、トップクラスを席巻している。とはいえ、次の勝者の座を狙う車両も様々で、GT300はGT500よりもはるかに厳しい戦いが待ち受けていそうだ。もちろん、JAF GT車両もこのまま黙って指をくわえているわけにはいかない。SUGOというコース特性を活かし、またウェイトハンデなどを味方につけ、有利なレース展開に持ち込むことも考えられる。
ところで、今シーズン当初からSUPER GT初のハイブリッドカー参戦として注目を集めているNo.31 apr HASEPRO PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀組)だが、このSUGOからついにライバルが加わる。7月上旬にツインリンクもてぎでシェイクダウンを済ませ、万全の準備でデビュー戦を迎えるNo.16 無限 CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)だ。3大メーカーが異なるアプローチで攻防戦を展開するGT500に比べ、GT300は多種多様な車両同士の拮抗戦を見ることができるだけに、それぞれの動向にしっかりと注目することをオススメする。
主なスケジュール
・7月28日(土)
07:10 – 08:00 オープンピット
08:15 – 10:15 公式練習
08:15 – 09:55 : GT500 & GT300
09:55 – 10:05 : GT300
10:05 – 10:15 : GT500
11:30 – 12:15 ピットウォーク
12:40 – 13:10 公式予選 Q1
12:40 – 12:55>>GT300
12:55 – 13:10>>GT500
14:30 – スーパーラップ
16:30 – 17:15 GTキッズウォーク
17:25 – 18:15 サーキットエクスペリエンス
・7月29日(日)
09:05 – 09:50 フリー走行
11:45 – 12:30 ピットウォーク
12:55 – ウォームアップ
14:00 – 決勝
記事:島村元子/ TEXT: Motoko SHIMAMURA