SUPER GT 2012 Round3 概要 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 国内イベント・レースレポート
  3. SUPER GT 2012
  4. Round3 概要

SUPER GT 2012 Round3

2012年6月7日

第3戦は、SUPER GT唯一の海外戦・セパンの戦い!


暑さをモロともせず、デッドヒートを制するンのは?

SUPER GTシリーズの第3戦が、6月9-10日にマレーシア・セパンインターナショナルサーキットにおいて開催される。シーズン前半戦を統括する一戦は、唯一の海外戦となり、しかも赤道直下に位置するサーキットでの戦いは、暑さをも考慮した、文字通り「灼熱の」戦いを繰り広げることになりそうだ。

■緒戦を制したSC430に挑むライバル達
開幕戦の岡山、そしてお膝元である第2戦の富士で速さ、強さを存分にアピールして勝利したレクサスSC430勢。オフシーズン中はアップデートキットによるクルマのセットアップが難航するなどバタバタしていたのがウソのような快走劇が続いている。一方、今回の舞台、セパンはシーズンオフにタイヤテストを行うサーキットであり、どの自動車メーカー、タイヤメーカーにおいても事前のデータ収集は済んでいる。確かに、当日の天候はそのときになってみないとわからないものの、今季のレギュレーションに基づいた総体的なクルマ作りは着々と進んでいると思われる。

となると、レクサス勢の優位はここセパンでも続くのかと思いきや、実はそうではない。このサーキットを一番得意とするのがコーナリングマシンとして知られるホンダHSV-010勢。中高速のコーナーがリズミカルに連続するレイアウトを持つセパンとの相性はすこぶる良く、昨シーズンもNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史/カルロ・ヴァン・ダム組・昨季は小暮
/L・デュバル組)が快勝している。さらには日産GT-Rも得意とするコースのひとつ。今季は表彰台が3メーカーの中で一番遠い存在になっているだけに、なんとしても好成績を残したいというのが本音だろう。

■GT-Rの敵はGT-R?
確かに、GT-Rの表彰台は第2戦富士でNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ミハエル・クルム組)が3位に入り、安定した速さを披露していえるが、日本の気候と異なるサーキットでの強さを期待したいのが、それぞれ異なるタイヤを装着するGT-R勢だ。

まずは酷暑に強いミシュランタイヤを装着するNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)。前回の富士では、不安定な天候を味方にした同じミシュランタイヤを履くライバルNo.39 DENSO KOBELCO SC430に
勝利され、ディフェンディングチャンピオンとして悔しい思いをしているだけに、このセパンで王者の貫禄をしかとアピールしたいところだ。そして、アドバンタイヤを着けるNo.24 D’station ADVAN GT-R(安田裕信/ビ
ヨン・ビルドハイム組)にも注目が集まる。何しろこのチームはセパンとの相性がすこぶるよく、かつて2シーズン連勝を果たした経験を持つ。ピタリと条件が当てはまればGT-R本来のポテンシャルをしっかりと引き出せる走りを見せるため、侮れない存在になること、間違いナシだ。

■群雄割拠のGT300

FIA-GT3組が幅を利かせている今シーズンのGT300クラス。GTA(GTアソシエイション)が新たに第2戦終了後に、BOP(性能調整)を発表。GT3車輌において再び変更が見られる。中でも、ディフェンディングチャンピオンで、前回富士では驚異の追い上げを見せて優勝を果たしたNo.0 GSR初音ミクBMW(谷口信輝/片岡龍也組)が用いるBMW Z4 GT3は車重が+
20kgの扱いとなり、シリーズ争いをするトップ車輌としては厳しい条件を受けることになった。しかし、いずれにせよ、序盤戦で好成績を残しているチームは、そろそろ搭載されたウェイトがじわりじわりと効きはじめる頃。セパンではそつのない戦いに徹する可能性もある。

ということで、強豪に代わって勝利を目論むのはやはりポルシェ勢。オールラウンダー的な強さは世界中のサーキットで実績を上げているクルマならでは。これらの車輌にメイド・イン・ジャパンのJAF GT勢車輌がどこまで食い
込むのか。見どころになることだろう。

なお、今シーズン、ハイブリッドシステムを搭載して参戦中のNo.31 apr HASEPRO
PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀)だが、セパンではこのシステムを搭載しないというアナウンスが出ている。これはハイブリッド車輌を輸送するにあたり、特別処置をとらなければならない、ということが一因。ハイブリッドシステムに必要なリチウムイオン電池が危険物取り扱いによる輸出入の規制対象となるようだ。これによって、今回はガソリンエンジンでの参戦となるため、車重やエアリストリクターが新たに設定されている。

■暑い戦い、300km先のゴールを目指して

今シーズンから他の大会でのレース距離の見直しが行われているSUPER GT。第3戦セパンでも一昨年と同じ300kmに戻っている。通常、日本での決勝レースは午後2時スタートが大半なのだが、マレーシアの気候を配慮し、決勝は現地時間の午後4時(日本時間の午後5時)からとなっている。

暑さに限らず、車内は「熱さ」の戦いもあり、また亜熱帯特有のスコールによる天候の激変、という展開もないわけではない。まずはクルマのポテンシャルをしっかりと引き出せるようなセットアップに始まり、状況の激変において、チーム、ドライバーが一丸となってしっかりと対応できる「チーム力」がいつも以上に求められるだろう。デッドヒートを制して、シリーズ序盤戦をいい形で終えることができるのは、果たしてどのチームか?

■主なスケジュール(日本との時差は-1時間)

・6月9日(予選日)
10:00 – 12:00 公式練習
12:10 – 13:30 ピットウォーク・キッズウォーク
15:30 – 16:00 公式予選 Q1
 15:30 – 15:45>>GT300
 15:45 – 16:30>>GT500
16:30 –       スーパーラップ

・6月10日(決勝日)
09:40 – 09:57 サーキットサファリ
09:57 – 10:27 フリー走行
10:35 – 10:52 サーキットサファリ
12:00 – 14:00 ピットウォーク
14:55 –      ウォームアップ
16:00 –      決勝 (54Laps)

記事:島村元子/ TEXT: Motoko SHIMAMURA





スポーツカーの中古車情報ならGTNET