SUPER GT 2024 Round.8
第8戦もてぎ、またも雨の一日に。
11月2日、栃木・モビリティリゾートもてぎにおいて、SUPER GT第8戦の予選が行なわれた。雨による不安定なコンディションで難しいセッションとなったが、渾身のアタックを決めたNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)が今シーズン初のポールポジションを掴んでいる。
台風21号から変わった低気圧や前線の影響を受け、土曜日の日本列島は広範囲で雨模様に。戦いの舞台となるもてぎも朝から本降りの雨に見舞われた。
午前9時にスタートした公式練習。終了までに合計6回もの赤旗中断となった。気温16度、路面温度18度のコンディションのなか、まず開始早々にエンジントラブルが発生した車両が3コーナー手前のコースサイドにストップ。これにより最初の赤旗が提示される。その後もV字コーナーやS字でつぎつぎと雨の”餌食”になるクルマが続出。赤旗と再開を繰り返した。
そんななか、4回目の赤旗からの再開後に雨量の少なくなったタイミングを味方にし、各車がタイムアップに成功。うち64号車が唯一1分50秒台を切る1分49秒676をマークし、トップに立った。その後、セッションは、1台の車両のコースアウトで5回目の赤旗となったが、これをもってGT300とGT500両クラスの混走を終了し、GT300クラスの専有走行へと切り替わった。
だが、そのセッションでも中盤を迎える前にS字でスピンする車両が出て赤旗に。その後、雨脚が強まったこともあり、GT300クラスはこのまま終了。さらにGT500クラスは走行そのものがキャンセルされることになった。
正午を前に行なわれたピットウォークでは幸い雨も小降りとなり、午後1時を前にサポートレースも行なわれた。しかしながら、依然として天候は不安定で、さらに雨が強くなるという予報が出ていたが、当初の予定どおり午後2時にまずはGT300予選Q1が行なわれた。
その後、GT500のQ1は少し雨量が減った状態でスタート。そのなかで朝の公式練習でトップタイムを刻んだ64号車が、Q1をトップで通過。これに、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra、No. 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8が続いた。
GT300のQ2を挟み、およそ1時間後にスタートしたQ2では、燃料リストリクター径の調整が1ランクダウンの対象である車両のなかで、No.36 au TOM’S GR Supraが大きく躍進。序盤から64号車が合算タイムでもトップをキープしていたが、これにQ2のトップタイムをマークした8号車が合算2番手で続くと、36号車はラストアタックで2番手タイムをマークし、さらに合算でも3番手につけることとなった。なお、64号車のとっては、2021年第3戦鈴鹿以来、3年ぶりのポールポジションでもあった。
GT300クラスは、まだ雨が強く降るなかでスタート。天候悪化を懸念し、各車セッション開始とともに一斉にコースへと繰り出す。全24台がコースインし、10分間のセッションでQ2でのクラス分けを行なうため、まずは上位14台入りを目指してアタックするが、タイヤを温めるなかでスピンするクルマが続出。結果、開始11分を過ぎて赤旗中断となる。再び10分間でのセッション再開となるなかで各車最後のアタックに臨んだが、残り2分の時点で、1台がコースアウト。また赤旗が提示され、これをもってセッションも終了となった。結果、序盤にトップタイムをマークしたNo.45 PONOS FERRARI 296がそのままトップ通過を果たしている。一方で、タイトル争いを展開するなかで、ランキング2位のNo. 2 muta Racing GR86 GTと同3位のNo.88 VENTENY Lamborghini GT3は、上位14台に残れず、Q2はQ1の15位以下の車両が出走するグループ2でグリッドを競うことになった。
Q2では、まず15位以下の車両がグループ2として出走。このセッションで意地を見せたのは、2号車と88号車。グループ2、3番手で通過している。そして上位14台が競ったグループ1では、序盤にQ1同様45号車が好タイムをマークしたが、終盤にはランキングトップのNo.65 LEON PYRAMID AMGがトップへ。これで決定かと思われたが、No. 7 Studie BMW M4、No.18 UPGARAGE NSX GT3が次々これを上回ると、さらには残り1分を切ってNo.31 apr LC500h GTがタイムアップ。GT300クラスは合算タイムではなくQ2でのタイムがそのまま採用されるため、31号車がシーズン初となるクラスポールを手にすることとなった。
第8戦もてぎ 予選結果 各クラストップ3(GT500はQ1、Q2合算タイム)
GT500
1.No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)3’37.911
2.No. 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)3’38.292
3.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)3’39.585
GT300
1.No.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)1’52.322
2.No. 7 Studie BMW M4(荒聖治/二クラス・クルッテン)1’57.479
3.No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)1’57.661