SUPER GT 2024 Round.8
もてぎ300kmを制したのは、au TOM’S GR Supra!
11月3日、栃木・モビリティリゾートでSUPER GT第8戦の決勝レースが開催され、予選3番手スタートのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が圧倒的な強さを見せて独走勝利。シーズン2勝目を挙げた。
前日の予選は終日雨となったもてぎ。予選もフルウエットでのアタックとなり、万全のコンディションとは言い難いなかでのグリッド争いとなった。そこから一転、決勝日は早朝から澄んだ青空がサーキット一面に広がり、まさに”レース日和”に恵まれる。
一方、各チームにとってはレースウィーク初のスリックタイヤでの戦いになるため、決勝直前のウォームアップ走行ではスリックタイヤの皮むきや熱入れなど、念入りに作業を進める姿が見られた。
午後1時、栃木県警によるパトカーと白バイのパレードラップ、さらにフォーメーションラップを経て300kmの戦いがスタート。ポールポジションスタートのNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)がきっちりホールショットを死守すると、その後方では予選2番手スタートのNo. 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)と同3番手の36号車が激しい鍔迫り合い。しかし、トップ3台はそれぞれポジションをキープし、周回を重ねていく。一方、レースは6周を前にして、スロー走行後に停車した車両を原因とするFCY(フルコースイエロー)が早々に導入された。2周後の8周目、リスタートでは8号車が64号車を5コーナーで逆転。しかし、その直後に再びGT300車両のトラブルによって2度目のFCYが導入された。すると、10周目のリスタートでは8号車が操作ミスで失速し、64号車がトップを奪還。さらには36号車に先行を許してしまった。一方、36号車は5コーナーで64号車をも”料理”し、トップを掴み取る。
序盤から激しいトップ争いを繰り広げるなか、今度は16周目の90度コーナーで4番手を走るNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)が8号車を逆転、勢いに乗る38号車はさらにペースの上がらない64号車を猛攻。17周目には再び同じ場所で64号車を抜き去り、2番手へ浮上した。一方、トップに立った36号車はさらにペースアップ。後方での激しいポジション争いを意に介さず、我が道を行くとばかり、あっという間に後続との差を10秒以上へと広げてしまった。
レースは3分の1を終えたばかりの22周目からピット作業がスタート。これを機にトップ36号車を逆転したい38号車は我先にとピットイン。これに後続の4台が続く。すると翌周には6台がピットへ。これを見たか、トップを快走する36号車も24周終わりにピットイン、さらに2台が続き、最終的にコース上のGT500全14台が3周の間にルーティンのピット作業を終えることになった。
結果、36号車はトップキープのまま戦線復帰に成功。38号車、8号車がこれに続くも依然として36号車の独走は変わらず。逆に周回を重ねるうちに、2位以下は各車の間隔が狭まって僅差の攻防戦へと変わり、とりわけ6位の座を巡っては7台が縦一列状態でのバトルを繰り広げた。
後半に入ると、トップ36号車は2位以下に20秒近い大差をつける独走に。一方、2位38号車と3位8号車は差がさらに縮まり、53周目の3コーナーでポジションが入れ替わる。ペースがキツくなった38号車はさらに後方のNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)にも攻め立てられることになるも、巧みなライン取りを見せて16号車に逆転のチャンスを与えない。最後の最後まで続いたテール・トゥ・ノーズの激しい3位争いだったが、軍配は38号車に上がり、最後の表彰台をもぎ取っている。また、2位でチェッカーを受けた8号車は、第4戦富士以来となる表彰台だった。
もてぎ戦を前にランキングトップだった36号車は、サクセスウェイトと”1リスダウン”というタフなコンディションながら、他を圧倒する走りで優勝。開幕戦以来の勝利を果たすと、ポイントでも2位以下を引き離す形で最終戦鈴鹿を迎えることに。これを追うライバルたちは、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTがランキング2位を死守。だが、レース自体は6位フィニッシュとなったため、ポイント差が17点へと大きく開いてしまった。逆に3位表彰台を手にした38号車がランキング3位へと浮上。これに加え、もてぎ戦を前にランキング2位だったNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)がランキング4位として”生き残る”ことになり、最終戦鈴鹿では、4台によるタイトルをかけて争うことになった。
GT300クラスでは、GT500クラス以上に激しいポジション争いが繰り広げられた。予選がウエットコンディションとなったため、合算タイムではなく、Q2のベストラップがスターティンググリッドとなったGT300クラス。No.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)がチームとして4年ぶりにクラスポールからスタートを切り、2回のFCY導入後もトップを死守し、周回を重ねていく。一方、その後方では、予選4番手のランキングトップNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が早々に3番手へ浮上。これにNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が続き、緊迫のポジション争いが続いた。
上位での僅差の戦いが続くなか、予選で雨に苦戦し、後方グリッドに甘んじた”試合巧者”たちがじわりじわりとポジションアップ。なかでも予選17番手に甘んじた前戦の覇者、No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が2度目のFCY後のリスタートを味方にして6番手まで大きくポジションを引き上げ、さらに前方の上位争いへ加わる。
そんななか、真っ先にピット作業に着手したのがNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)。タイトル争いで2位につけるも、予選は16番手スタート。鈴鹿に向けて少しでもポイントを獲ろうとタイヤ無交換作戦を敢行する。その後、20周終わりでトップ2台がピットへ。これを見てか、3番手の65号車、そして88号車が22周終わりでピットイン。65号車はタイヤ無交換、88号車はリヤ2本の交換のみの”時短戦略”を採り、コースに復帰した。
GT500クラス同様、GT300クラスもコース上の全車が26周終わりでピット作業を完了。残る3分の2弱の戦いへと突入する。そのなかでじりじりとポジションを下げたのが31号車。一方その後方では、88号車が65号車に迫って30周目の90度コーナーで逆転。34周目にはその勢いをもって31号車をかわし、ついにトップへと立った。その後は周回ごとに2位以下との差をつける力走。逆に31号車は65号車にも先行を許すなど精彩を欠くことになった。
レース終盤、入賞圏内を走っていた61号車にトラブルが発生。1コーナーを直進し、コースアウト。このレース3度目となるFCYが導入された。また、リスタートでは、かろうじて3番手を死守していた31号車にNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が襲いかかり、ポジションチェンジ。その後は踏ん張れず、さらにポジションを落とす結果となった。
トップに立った88号車は20秒近い差をつけて独走のチェッカー。前回のオートポリスに続く勝利で今季3勝目をマーク。また、もてぎは昨シーズンでも優勝しており、シーズンをまたいでの連勝でもあった。2位には手堅い走りを見せた65号車。タイトル争いで2番手につけていた2号車が13位でノーポイントに終わったため、直近のライバルは88号車へと代わったが、その差は11点に。なお、2号車もまだタイトル獲得の可能性を残して最終戦鈴鹿に臨むことになる。そして、最後の表彰台の一角を手にしたのは18号車。今シーズン2度目の入賞でシーズン初の表彰台となった。
第8戦もてぎ 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)1:53’50.242 63Laps
2.No. 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)+20.513
3.No.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)+27.554
GT300
1.No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)1:55’28.374 59Laps
2.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)+1Lap
3.No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)+1Lap
第8戦もてぎ、またも雨の一日に。
11月2日、栃木・モビリティリゾートもてぎにおいて、SUPER GT第8戦の予選が行なわれた。雨による不安定なコンディションで難しいセッションとなったが、渾身のアタックを決めたNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)が今シーズン初のポールポジションを掴んでいる。
台風21号から変わった低気圧や前線の影響を受け、土曜日の日本列島は広範囲で雨模様に。戦いの舞台となるもてぎも朝から本降りの雨に見舞われた。
午前9時にスタートした公式練習。終了までに合計6回もの赤旗中断となった。気温16度、路面温度18度のコンディションのなか、まず開始早々にエンジントラブルが発生した車両が3コーナー手前のコースサイドにストップ。これにより最初の赤旗が提示される。その後もV字コーナーやS字でつぎつぎと雨の”餌食”になるクルマが続出。赤旗と再開を繰り返した。
そんななか、4回目の赤旗からの再開後に雨量の少なくなったタイミングを味方にし、各車がタイムアップに成功。うち64号車が唯一1分50秒台を切る1分49秒676をマークし、トップに立った。その後、セッションは、1台の車両のコースアウトで5回目の赤旗となったが、これをもってGT300とGT500両クラスの混走を終了し、GT300クラスの専有走行へと切り替わった。
だが、そのセッションでも中盤を迎える前にS字でスピンする車両が出て赤旗に。その後、雨脚が強まったこともあり、GT300クラスはこのまま終了。さらにGT500クラスは走行そのものがキャンセルされることになった。
正午を前に行なわれたピットウォークでは幸い雨も小降りとなり、午後1時を前にサポートレースも行なわれた。しかしながら、依然として天候は不安定で、さらに雨が強くなるという予報が出ていたが、当初の予定どおり午後2時にまずはGT300予選Q1が行なわれた。
その後、GT500のQ1は少し雨量が減った状態でスタート。そのなかで朝の公式練習でトップタイムを刻んだ64号車が、Q1をトップで通過。これに、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra、No. 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8が続いた。
GT300のQ2を挟み、およそ1時間後にスタートしたQ2では、燃料リストリクター径の調整が1ランクダウンの対象である車両のなかで、No.36 au TOM’S GR Supraが大きく躍進。序盤から64号車が合算タイムでもトップをキープしていたが、これにQ2のトップタイムをマークした8号車が合算2番手で続くと、36号車はラストアタックで2番手タイムをマークし、さらに合算でも3番手につけることとなった。なお、64号車のとっては、2021年第3戦鈴鹿以来、3年ぶりのポールポジションでもあった。
GT300クラスは、まだ雨が強く降るなかでスタート。天候悪化を懸念し、各車セッション開始とともに一斉にコースへと繰り出す。全24台がコースインし、10分間のセッションでQ2でのクラス分けを行なうため、まずは上位14台入りを目指してアタックするが、タイヤを温めるなかでスピンするクルマが続出。結果、開始11分を過ぎて赤旗中断となる。再び10分間でのセッション再開となるなかで各車最後のアタックに臨んだが、残り2分の時点で、1台がコースアウト。また赤旗が提示され、これをもってセッションも終了となった。結果、序盤にトップタイムをマークしたNo.45 PONOS FERRARI 296がそのままトップ通過を果たしている。一方で、タイトル争いを展開するなかで、ランキング2位のNo. 2 muta Racing GR86 GTと同3位のNo.88 VENTENY Lamborghini GT3は、上位14台に残れず、Q2はQ1の15位以下の車両が出走するグループ2でグリッドを競うことになった。
Q2では、まず15位以下の車両がグループ2として出走。このセッションで意地を見せたのは、2号車と88号車。グループ2、3番手で通過している。そして上位14台が競ったグループ1では、序盤にQ1同様45号車が好タイムをマークしたが、終盤にはランキングトップのNo.65 LEON PYRAMID AMGがトップへ。これで決定かと思われたが、No. 7 Studie BMW M4、No.18 UPGARAGE NSX GT3が次々これを上回ると、さらには残り1分を切ってNo.31 apr LC500h GTがタイムアップ。GT300クラスは合算タイムではなくQ2でのタイムがそのまま採用されるため、31号車がシーズン初となるクラスポールを手にすることとなった。
第8戦もてぎ 予選結果 各クラストップ3(GT500はQ1、Q2合算タイム)
GT500
1.No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)3’37.911
2.No. 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)3’38.292
3.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)3’39.585
GT300
1.No.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)1’52.322
2.No. 7 Studie BMW M4(荒聖治/二クラス・クルッテン)1’57.479
3.No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)1’57.661
SUPER GT第8戦もてぎ プレビュー
激戦必至、もてぎはウェイト”あり”の戦いに
いよいよ今シーズンも残り2戦となったSUPER GT。第8戦の舞台となる栃木・モビリティリゾートもてぎでの戦いがこの週末に迫る。もともと、シーズン最後の一戦に位置づけられていたが、第5戦鈴鹿が台風接近の影響を受けて開催延期となったことで、もてぎ戦は第8戦ながら、最終戦ではなくなった。国内サーキットでもユニークなレイアウトを持つこのサーキットで、果たしてどのようなバトルが繰り広げられるのあろうか。秋深まるなか、”ウェイト搭載”のクルマたちが見せる攻防戦に注目だ。
■”泣き笑い”のサクセスウェイト
もてぎ戦を前に、各チームが頭を悩ましているであろうこと。それはおそらくサクセスウェイトを積載したクルマでのセットアップではないだろうか。とりわけ、チャンピオン争いに名乗りを上げているチームは、なんとしてもライバルよりも前でチェッカーを受けることが必須条件であり、そのためにもまず、予選で好位置につけることが重要になる。というのも、もてぎが極めて抜きづらいコースであるからだ。
ストップ&コ゚ーのレイアウトを持つもてぎ。距離も決して長くはなく、アクセルのオンオフを頻繁に行なうため、タイヤへの負荷も大きい。コーナーが多く、加速と減速を繰り返すなかで重きを置くのが、クルマのセットアップということになる。この一連の操作がリズミカルに出来るクルマに仕上げることができれば、当然ながら速さあるクルマとして予選での上位グリッドを手にすることができる。また、レースにおいても逃げの一手で戦う、もしくは、前を行くライバルへの猛攻で隙をついたパッシングの可能性も高まる。今年のようにサクセスウェイトが関係してくる状態であれば、なおさらだ。
そのサクセスウェイトだが、積載はするもののシーズン7戦目を迎えたことで換算が変わる。前回のオートポリス戦までは、シーズンを通して累積された1ポイントを2kgに換算した分をサクセスウェイトとしたが、もてぎでは、1kgへと半減。つまり、各チームは累計獲得ポイントと同等の重さを積載することになる。ただし、GT300クラスにおいては、その上限が50kgとなり、これを超える分は免除されるが、GT500クラスには、燃料流量リストリクター径の段階的調整という”足かせ”があるため、50kg超のウェイト積載組は、段階的にリストリクター径の調整を受けることとなる。
もてぎでその対象となるのが、トップ3の3台。No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、No.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)そしてNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)がその対象となる。なかでも37号車と100号車のサクセスウェイトは51kg。つまり、あと1kg軽ければ、リストリクターの調整を受けずに済んだことに。とはいえ、調整を受けないギリギリの50kgを積む場合でも、決して楽な条件とはいえない。ただ、もてぎのストップ&コ゚ーのレイアウトを考慮した場合、MAX50kgのサクセスウェイトか、リストリクター調整を受けかつ34kgのサクセスウェイトを積載するのか、果たしてどちらが有利に戦えるのか? もてぎで”ウェイトあり”の戦いを長らくしていないだけに、その答は誰にもわからない。まずは、与えられた条件下に見合うクルマに仕上げてくることが、第一条件となるだろう。
これに対し、前回のオートポリスで3位表彰台を獲得したNo. 3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)には、追い風が吹いているかもしれない。サクセスウェイトは46kgでリストリクター調整は不要。そのトップランカーとしてもてぎに臨むことができる。前戦で2位に入っていれば、リストリクター調整の対象になってしまったことを考えると、3位という結果は”たまたま”なのか? レース自体、セーフティカーが入ったタイミングとピット作業の周が絶妙で、多くの運を引き寄せたレースを見せていた。いずれにせよ、”運の強さ”を感じる戦いだっただけに、上昇気流に乗っていることには違いない。ミスのない手堅いレース運びを信条とする3号車は、ランキングトップ3にとって意識せざるを得ない相手だといえる。3号車が彼らより上位でチェッカーを受けることになれば、最終戦の鈴鹿がより一層盛り上がるだけに、ファンとしてはさまざまな”チェックポイント”を気にしての観戦となるだろう。
GT300クラスはタイトル争いの上位2台のポイント差がオートポリスでの結果を受けて縮まった。一方、クラストップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)も同2位のNo. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)も、ともにもてぎを得意としている。しかも装着するのはどちらもブリヂストン。クルマこそ違えど、似たような戦略をもって臨むことも考えられる。そして、その2台に割って入ろうとするのがオートポリス戦の覇者、No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)ではないだろうか。サクセスウェイトは3台揃って上限の50kg。だが、88号車はダンロップタイヤを装着する。温まりが良く、オートポリスでも他車を席巻する速さを見せていた勢いを、もてぎでも披露することができれば、さらにクラスチャンピオンの争いが混沌としたものになりそう。そうなれば、最終戦鈴鹿に向けて、ますます盛り上がりを見せることになる。
■今度こそ改定後の予選なるか!?
第6戦SUGO、第7戦オートポリスのプレビューでも紹介したが、予選ルールの改定がなされて以降、実はまだその”改訂版”でのレースが実施されていない。というのも、すべて天候悪化の影響を受けているからだ。SUGOは予選日に走行セッションは実施されたが、午後からの予選は悪天候によりキャンセルされ、決勝のスターティンググリッドは、公式練習でマークした各車のベストラップをもとに決定された。
続くオートポリスでは、予選日に一切クルマが走れずそのまま終了。翌日日曜日の朝から予選を行なうという慌ただしいスケジュールで進められたが、時間の制限もあり、Q1、Q2で各ドライバーが走行することは叶わず。各クラスとも30分間の計時方式で予選を敢行した。そのため、各チームでは、ひとりのドライバーがアタックを担当しただけで、合算タイムでの予選でもなければ、完全ドライコンディションではなく、ウェット宣言下でのセッションでもあった。
残すところあと2戦となった今シーズン。今度こそ、Q1、Q2と各ドライバーがアタックする形でセッションが進み、また両セッションで装着可能となったニュータイヤでのアタックを見てみたいものだ。ようやく季節も進み、秋らしさを感じるなか、サクセスウェイトという足かせの影響も大きいだろうが、もてぎで存分に各ドライバーがニュータイヤでアタックできることを願っている。
■レース距離は300kmの短期決戦
もてぎのレースはこれまで同様、300kmの短期決戦。抜きづらいコースでの300kmだからこそ、先述のように予選順位がとても大きな意味合いを持つことになる。ピットイン回数も1回ゆえ、タイミングを大幅にずらすことは難しい。とりわけGT300クラスの場合、タイヤ無交換という戦略は十分考えられるが、ウェイトを積載するなか、また気温次第でパフォーマンスにも影響が出るため、予想以上に不確定要素が大きくなる可能性も高い。逃げ切り先行の展開となるか、チームの持つ”道具”とコンディションを味方にライバルを出し抜くか。ここも大きな見どころとなりそうだ。
主なスケジュール
AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
11月2日(土)
09:00〜10:25 公式練習(GT300+GT500)
10:25〜10:35 公式練習(GT300専有)
10:35〜10:45 公式練習(GT500専有)
10:55〜11:10 FCYテスト
11:25〜12:05 ピットウォーク
14:00〜14:20 公式予選Q1 GT300
14:28〜14:38 公式予選Q1 GT500
14:48〜14:58 公式予選Q2 GT300 L15
15:06〜15:16 公式予選Q2 GT300 U14
15:24〜15:34 公式予選Q2 GT500
15:55〜16:25 キッズウォーク
11月3日(日)
09:45〜10:25 ピットウォーク
10:40〜11:00 ドライバーアピアランス
11:30〜11:50 ウォームアップ
11:50〜13:00 スタート進行
13:00〜決勝300kmレース