SUPER GT 2024 Round.8 概要 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2024 Round.8

2024年10月27日

SUPER GT第8戦もてぎ プレビュー


激戦必至、もてぎはウェイト”あり”の戦いに
 

いよいよ今シーズンも残り2戦となったSUPER GT。第8戦の舞台となる栃木・モビリティリゾートもてぎでの戦いがこの週末に迫る。もともと、シーズン最後の一戦に位置づけられていたが、第5戦鈴鹿が台風接近の影響を受けて開催延期となったことで、もてぎ戦は第8戦ながら、最終戦ではなくなった。国内サーキットでもユニークなレイアウトを持つこのサーキットで、果たしてどのようなバトルが繰り広げられるのあろうか。秋深まるなか、”ウェイト搭載”のクルマたちが見せる攻防戦に注目だ。

 
■”泣き笑い”のサクセスウェイト
もてぎ戦を前に、各チームが頭を悩ましているであろうこと。それはおそらくサクセスウェイトを積載したクルマでのセットアップではないだろうか。とりわけ、チャンピオン争いに名乗りを上げているチームは、なんとしてもライバルよりも前でチェッカーを受けることが必須条件であり、そのためにもまず、予選で好位置につけることが重要になる。というのも、もてぎが極めて抜きづらいコースであるからだ。
 

ストップ&コ゚ーのレイアウトを持つもてぎ。距離も決して長くはなく、アクセルのオンオフを頻繁に行なうため、タイヤへの負荷も大きい。コーナーが多く、加速と減速を繰り返すなかで重きを置くのが、クルマのセットアップということになる。この一連の操作がリズミカルに出来るクルマに仕上げることができれば、当然ながら速さあるクルマとして予選での上位グリッドを手にすることができる。また、レースにおいても逃げの一手で戦う、もしくは、前を行くライバルへの猛攻で隙をついたパッシングの可能性も高まる。今年のようにサクセスウェイトが関係してくる状態であれば、なおさらだ。
 

そのサクセスウェイトだが、積載はするもののシーズン7戦目を迎えたことで換算が変わる。前回のオートポリス戦までは、シーズンを通して累積された1ポイントを2kgに換算した分をサクセスウェイトとしたが、もてぎでは、1kgへと半減。つまり、各チームは累計獲得ポイントと同等の重さを積載することになる。ただし、GT300クラスにおいては、その上限が50kgとなり、これを超える分は免除されるが、GT500クラスには、燃料流量リストリクター径の段階的調整という”足かせ”があるため、50kg超のウェイト積載組は、段階的にリストリクター径の調整を受けることとなる。
 

もてぎでその対象となるのが、トップ3の3台。No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、No.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)そしてNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)がその対象となる。なかでも37号車と100号車のサクセスウェイトは51kg。つまり、あと1kg軽ければ、リストリクターの調整を受けずに済んだことに。とはいえ、調整を受けないギリギリの50kgを積む場合でも、決して楽な条件とはいえない。ただ、もてぎのストップ&コ゚ーのレイアウトを考慮した場合、MAX50kgのサクセスウェイトか、リストリクター調整を受けかつ34kgのサクセスウェイトを積載するのか、果たしてどちらが有利に戦えるのか? もてぎで”ウェイトあり”の戦いを長らくしていないだけに、その答は誰にもわからない。まずは、与えられた条件下に見合うクルマに仕上げてくることが、第一条件となるだろう。
 

これに対し、前回のオートポリスで3位表彰台を獲得したNo. 3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)には、追い風が吹いているかもしれない。サクセスウェイトは46kgでリストリクター調整は不要。そのトップランカーとしてもてぎに臨むことができる。前戦で2位に入っていれば、リストリクター調整の対象になってしまったことを考えると、3位という結果は”たまたま”なのか? レース自体、セーフティカーが入ったタイミングとピット作業の周が絶妙で、多くの運を引き寄せたレースを見せていた。いずれにせよ、”運の強さ”を感じる戦いだっただけに、上昇気流に乗っていることには違いない。ミスのない手堅いレース運びを信条とする3号車は、ランキングトップ3にとって意識せざるを得ない相手だといえる。3号車が彼らより上位でチェッカーを受けることになれば、最終戦の鈴鹿がより一層盛り上がるだけに、ファンとしてはさまざまな”チェックポイント”を気にしての観戦となるだろう。
 

GT300クラスはタイトル争いの上位2台のポイント差がオートポリスでの結果を受けて縮まった。一方、クラストップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)も同2位のNo. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)も、ともにもてぎを得意としている。しかも装着するのはどちらもブリヂストン。クルマこそ違えど、似たような戦略をもって臨むことも考えられる。そして、その2台に割って入ろうとするのがオートポリス戦の覇者、No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)ではないだろうか。サクセスウェイトは3台揃って上限の50kg。だが、88号車はダンロップタイヤを装着する。温まりが良く、オートポリスでも他車を席巻する速さを見せていた勢いを、もてぎでも披露することができれば、さらにクラスチャンピオンの争いが混沌としたものになりそう。そうなれば、最終戦鈴鹿に向けて、ますます盛り上がりを見せることになる。
 

■今度こそ改定後の予選なるか!?
第6戦SUGO、第7戦オートポリスのプレビューでも紹介したが、予選ルールの改定がなされて以降、実はまだその”改訂版”でのレースが実施されていない。というのも、すべて天候悪化の影響を受けているからだ。SUGOは予選日に走行セッションは実施されたが、午後からの予選は悪天候によりキャンセルされ、決勝のスターティンググリッドは、公式練習でマークした各車のベストラップをもとに決定された。
 

続くオートポリスでは、予選日に一切クルマが走れずそのまま終了。翌日日曜日の朝から予選を行なうという慌ただしいスケジュールで進められたが、時間の制限もあり、Q1、Q2で各ドライバーが走行することは叶わず。各クラスとも30分間の計時方式で予選を敢行した。そのため、各チームでは、ひとりのドライバーがアタックを担当しただけで、合算タイムでの予選でもなければ、完全ドライコンディションではなく、ウェット宣言下でのセッションでもあった。
 

残すところあと2戦となった今シーズン。今度こそ、Q1、Q2と各ドライバーがアタックする形でセッションが進み、また両セッションで装着可能となったニュータイヤでのアタックを見てみたいものだ。ようやく季節も進み、秋らしさを感じるなか、サクセスウェイトという足かせの影響も大きいだろうが、もてぎで存分に各ドライバーがニュータイヤでアタックできることを願っている。
 

■レース距離は300kmの短期決戦
もてぎのレースはこれまで同様、300kmの短期決戦。抜きづらいコースでの300kmだからこそ、先述のように予選順位がとても大きな意味合いを持つことになる。ピットイン回数も1回ゆえ、タイミングを大幅にずらすことは難しい。とりわけGT300クラスの場合、タイヤ無交換という戦略は十分考えられるが、ウェイトを積載するなか、また気温次第でパフォーマンスにも影響が出るため、予想以上に不確定要素が大きくなる可能性も高い。逃げ切り先行の展開となるか、チームの持つ”道具”とコンディションを味方にライバルを出し抜くか。ここも大きな見どころとなりそうだ。
 

主なスケジュール

AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
 

11月2日(土)
09:00〜10:25 公式練習(GT300+GT500)
10:25〜10:35 公式練習(GT300専有)
10:35〜10:45 公式練習(GT500専有)
10:55〜11:10 FCYテスト
11:25〜12:05 ピットウォーク
14:00〜14:20 公式予選Q1 GT300
14:28〜14:38 公式予選Q1 GT500
14:48〜14:58 公式予選Q2 GT300 L15
15:06〜15:16 公式予選Q2 GT300 U14
15:24〜15:34 公式予選Q2 GT500
15:55〜16:25 キッズウォーク
 
11月3日(日)
09:45〜10:25 ピットウォーク
10:40〜11:00 ドライバーアピアランス
11:30〜11:50 ウォームアップ
11:50〜13:00 スタート進行
13:00〜決勝300kmレース





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