SUPER GT 2024 Round.7 概要 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2024 Round.7

2024年10月18日

SUPER GT第7戦オートポリス プレビュー


シーズン最難関!? MAXウェイトでの戦いに

 
夏の終わりに開催予定だった第5戦鈴鹿が台風の影響で延期、さらには第6戦SUGOは、折からの秋雨前線が停滞して本格的な雨模様に見舞われた今シーズンのSUPER GT。SUGOでは予選も開催されず、決勝も予定時刻を遅らせて、なんとか開催の運びとなった。いよいよシーズン終盤戦へと突入する今回の舞台は九州・オートポリス。願わくば、秋晴れのなかで阿蘇山麓の絶景地ならではの景色を堪能しつつ、めいっぱいレースを楽しみたいところだ。
 

ようやく実現!? 改定後の予選方式

今シーズンから新たに導入した予選方式の見直しが行われ、第5戦鈴鹿から改訂版の方式で実施される予定だった予選。また持ち込みタイヤの使用方法も併せて見直しが行なわれているため、今度こそ各ドライバーはオートポリスで”新たな”予選方式に挑むこととなる。
 

これまで、Q1、Q2そして決勝スタート時まで同一タイヤを装着することが求められたが、オートポリスの予選からは、Q1、Q2でそれぞれ新たなタイヤを装着することが可能となる。Q1とQ2のベストタイムを合算して、決勝のスターティンググリッドを決定することには変わりないものの、タイヤを温存しようとドライバー同士も妙な気遣いをする必要もなく、そのプレッシャーやストレスから開放されたのではないだろうか。とりわけ、タイヤへの攻撃性が高いことで知られるオートポリスだけに、当然ながら予選の時点からうまくタイヤをマネージメントすることが求められるため、改訂版の予選方式が大いに活かされることだろう。
 

一方、GT300クラスのドライバーにとっては、また新たな心配材料が出てきたかもしれない。各セッションでニュータイヤを装着できるのはGT500クラスと同じ。しかし、今回からGT300クラスのQ1での組分けは実施されず、参加27台が一斉にセッションに臨むこととなる。20分と時間は倍になった。だが、コース上の台数も倍増。タイミングを味方にし、クリアなコースでのアタックを行なうことは至難の業だと思われる。コース上はドライバーひとりの戦いであっても、それを支える縁の下の存在_つまりチームの総合力がモノを言いそうだ。シリーズ争いも佳境を迎えるなか、ライバルの動向をも視界に入れつつ、自分たちがより優位な立場に立てるよう、アプローチする必要があるだけに、”試合巧者”であることが求められる。速さだけではなく、さまざまな方面において”上手さ”を活かすことで、強いレース運びができるのではないだろうか。
 

高低差に富み、大小さまざまなコーナーを取り入れたユニークなレイアウトを持つオートポリスはクルマのセットアップも難しいとされる。また、タイヤへの攻撃性も高く、それ以外にもレース中はタイヤのピックアップにも悩まされやすい。総合力の高さをもって戦いを制する必要があるため、GT500、GT300両クラスともシーズン最難関の戦いになることだろう。
 

そんななか、これまでの戦績によって獲得したポイントをベースに換算して積載するサクセスウェイトにも言及する必要がある。本来、シーズン7戦目のレースであれば、サクセスウェイトは獲得ポイントx1kgでの換算となる。しかし、今シーズンは第5戦鈴鹿が延期となっており、オートポリスは第7戦でありながら、シーズン”6戦目”のイベントになる。つまり、獲得ポイントそのままのウェイトを積載しなければならない。タイヤへの負荷が高い難コースでシーズン最重量のウェイトで戦うのが、今回の一番のポイントでもある。今夏は、観測史上的にも酷暑が続いたようだが、その暑さが去った今、SUPER GTでは、また異なる意味での”サバイバル”レースが待ち受けているというわけだ。
 

■大詰め直前、タイトル争いは?
GT500クラスは、SUGOで後方グリッドスタートを切ったNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が戦略とピットタイミングを味方につけ、大逆転勝利。唯一のシーズン2勝目を挙げたチームとなった。これでランキング争いでも2位へとジャンプアップ。僚友であるランキングトップのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)との得点差もわずか1ポイントに迫った。トムスの2台に続いて、同3位につけるのが、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)。今シーズンから投入されたCIVIC TYPE R-GTでの初優勝をNo. 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)に譲っているだけに、100号車としては、シリーズチャンピオンの座を是が非でも手にしたいはず。確実なレース運びを得意とする100号車だが、”あともう一歩”の結果を求め、オートポリスでは36号車や37号車に対して先行するレースをしたいと望んでいるはずだ。
 

一方、シーズン後半戦に入り、軽いサクセスウェイトを味方にランキングアップを目論むチームがいることを忘れてはならない。勢いあるものの、それが結果に直結していないNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)やNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)、さらにNo. 3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)あたりも静かに爪を研いで躍進の好機を待っていそうだ。
 

なお、今大会のレースは3時間という時間制での一戦。オートポリスでは初の試みとなる。これまで300kmというどちらかと言えばショートレースでの開催が多かったのだが、昨シーズンは450kmレースを実施。さらに今シーズンは3時間という長めの戦いになる。難関のコースで長時間のレースとなれば、どうしても不確定要素の発生率も高まりそうな気配がする。フルコースイエロー(FCY)に加え、セーフティカー(SC)導入の展開ともなれば、たちまちポジション争いに下剋上が生じてもおかしくはない。実力だけでは太刀打ちできない事態もあるだけに、展開次第では、まさに”サバイバルレース”に変貌することもあるだろう。戦う側にとってはとてつもなく過酷な状況だろうが、観る側にとっては筋書きがまったく読めないレースのおもしろさを体感できるまたとないチャンスと言えよう。
 

■GT300はタイヤ次第!?
前回のSUGO戦は雨先行のレースウィークとなり、予選はキャンセルされ、決勝前の走行は公式練習が主なものとなった。一方、決勝前に雨は上がり、ウエットスタートからドライアップするなかでレースが展開された。なかには、スタート時点でスリックタイヤを装着して”ギャンブル”に出たチームもあったが、大半はドライバー交代を兼ねたピット作業時にウエットからスリックタイヤへと交換した。そこで各チームが装着したタイヤがパフォーマンスを発揮。結果、表彰台に上がった3チームは、ブリヂストン、ミシュラン、ダンロップとそれぞれ異なるメーカーのタイヤを装着していた。
 

舞台となるオートポリスはタイヤへの負荷が高いため、ドライバーによるタイヤマネージメントも見どころのひとつであるとはいえ、タイヤそのもののパフォーマンスが結果にも影響を与えることは確かだろう。果たしてどのような展開を見せるか、注目してほしい。
 

■主なスケジュール

AUTOPOLIS GT 3Hours RACE

10月19日(土)
09:20〜10:45 公式練習(GT300+GT500)
10:45〜10:55 公式練習(GT300専有)
10:55〜11:05 公式練習(GT500専有)
11:15〜11:35 FCYテスト
11:45〜12:05 サーキットサファリ
12:15〜13:05 ピットウォーク
14:50〜15:10 公式予選Q1 GT300
15:18〜15:28 公式予選Q1 GT500
15:38〜15:48 公式予選Q2 GT300 L15
15:56〜16:06 公式予選Q2 GT300 U14
16:16〜16:26 公式予選Q2 GT500
16:45〜17:15 キッズウォーク
 

10月20日(日)
09:40〜10:30 ピットウォーク
10:45〜11:05 ドライバーアピアランス
11:30〜11:50 ウォームアップ
11:50〜13:00 スタート進行
13:00〜    決勝3時間レース





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