SUPER GT 2024 Round.5
最終戦鈴鹿、au TOM’S GR Supraのポール獲得、タイトル決める
12月7日、三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第5戦の予選が行なわれ、ランキングトップのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が合算タイムでポールポジションを獲得。これにより、明日の決勝を待たずして、今シーズンのGT500クラスチャンピオンを獲得した。
今シーズンの第5戦として開催される”最終戦”の鈴鹿大会。もともと8月31日、9月1日での開催だったが、折しも台風10号接近の影響を受けて開催延期となった経緯がある。このため、シリーズ戦としては”季節はずれ”のカレンダーにて実施されることとなった。
まず、午前9時15分からの公式練習は気温11度、路面温度12度という寒さのなかでスタート。コースに向かった各ドライバーは細心の注意を払いながら、タイヤを温めクルマのフィーリングを確認し始めた。開始から1時間が近づくなか、1台の車両がスプーンカーブでスピン、コースアウトしてグラベルにストップ。これで赤旗となり、およそ9分間にわたりセッションが中断した。その後はおよそ3分間のフルコースイエロー(FCY)練習を挟んで、GT300クラスとの混走を終了する。GT300クラス専有走行後に行なわれたGT500クラス専有走行に入ると、続々と各車が従来のコースレコードを上回るタイムを連発。そのなかでNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)がトップタイムをマーク、2番手にはNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が続き、逆転チャンピオン獲得に向けていい形でセッションを終えることとなった。なお、ランキングトップの36号車も4番手のタイムをマーク。ライバルを牽制する結果を残している。
午後の予選を迎える頃には、気温、路面温度ともに上昇。気温14度、路面温度24度のなか、午後1時50分にスタートしたQ1。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zが挙動を乱してヒヤリとさせたが、無事コースに復帰、アタックを続ける。一方、ライバルたちが各車ベストタイム更新を続けて17号車、さらには36号車とトップが入れ替わったが、最後の最後に24号車が1分43秒670のタイムでトップを奪取。これにNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が2番手に続き、36号車が3番手となった。なお、今シーズンをもって、SUPER GTの活動終了を発表したNo.23 MOTUL AUTECH Zのロニー・クインタレッリは、担当したQ1を15番手で終えることになった。
GT300クラスのQ1を挟み、GT500クラスのQ2がスタート。気温は変わらず、路面温度が約3度下がるなか、セッションの幕が上がった。ワンラップアタックを意識するチームも多く、なかなかコースインせずピット内で待機する姿が見られたが、満を持してアタックへ。各車ペースアップするなかでチェッカーフラッグが振られると、まず100号車がトップタイムをマークしたが、すぐさまNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が1分43秒143と大幅に既存のコースレコードを塗り替える好タイムをマーク。2番手には17号車が続き、注目の36号車は3番手に留まったが、Q1との合算タイムで総合トップへと浮上。これにより、新たに3点を追加し、明日の決勝を待たずして今シーズンのシリーズチャンピオンを手にすることとなった。また、総合2番手には17号車、3番手は14号車が続いている。なお、Q2でトップに立った14号車だが、走行中に他車の妨害となるようなスロー走行のペナルティを取られ、予選結果より5グリッド降格の形で決勝のスタートを切ることになる。
GT300クラスでは、公式練習でNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がトップタイムをマーク。今シーズンの初ポールポジション獲得に期待が集まった。一方、大逆転チャンピオンを狙うNo. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)も2番手タイム、そしてRanking2位からタイトルを目指すNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)も3番手につけるなど、予選に向けて皆、静かな闘志を燃やす結果となった。
迎えた予選。大逆転がかかる2号車だったが、自己ベストタイムを更新する走りを見せるなか、デグナーカーブで痛恨のスピンを喫してしまう。これで万事休すかと思われたが、コース復帰を果たして再アタック。4番手までポジションを挙げてQ1を終えている。一方、トップタイムをマークしたのは、88号車。9番手に終わったランキング暫定トップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)にプレッシャーをかけるパフォーマンスを披露する。
Q1で上位14台に入ったクルマで競うことになるQ2_U14。予選開始より気温は1度、路面温度は8度下がるなかでのセッションとなったが、88号車が暫定トップタイムをマーク。好調さをしかとアピールした。だが、最後にトップタイムを叩き出したのは、チャンピオン経験車のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)だった。とはいえ、合算タイムでは88号車がトップを奪取。ポールポジションに与えられる3点を加え、65号車とのポイント差を11点から8点へと縮めることに成功している。2位につけた61号車に続き、2号車は3番手。可能性としては極めて厳しい状況ながら、まだタイトルの可能性を残し、翌日の決勝に迎える。一方の65号車は10位からチャンピオンを目指すことになった。
第5戦鈴鹿 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)3’27.008
2.No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)3’27.208
3.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)3’27.364
GT300
1.No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)3’50.338
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)3’50.796
3.No. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)3’51.046