SUPER GT 2024 Round.5 概要 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2024 Round.5

2024年12月4日

SUPER GT第5戦(最終戦)プレビュー


シーズン最終決戦は、真冬の鈴鹿で!
 

今年4月に岡山で幕を開けた2024SUPER GTシリーズ。ようやくシーズンのラストレースを迎えることになる。夏の終わり、9月1日に開催予定だった鈴鹿大会が台風10号接近の影響を受けて延期されたため、その戦いが今週末、「SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL」として同じ三重・鈴鹿サーキットにて開催される。第5戦ではあるが、シーズン最終戦となるこの戦い。もちろん、ドライバー、チームそろってタイトルがかかった重要な一戦でもある。例年とは異なり、12月という冬本番のコンディションとなるなか、果たしてどのような展開を見せるのか。いつも以上のドラマが待ち受けているのか、大いに気になるところだ。
 

4チームが目指すシーズンタイトルの行方

過去7戦で2勝をマークしたのは、2チーム。現時点でランキングトップにつけるNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)とその僚友でもあるNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)。だが、37号車は優勝以外でのポイント取りこぼしが多く、ランキングは4位でトップ36号車との差も23点と大きな開きがある。SUPER GTでは、予選のトップ3、そして決勝でのトップ10、つまり入賞した車両に対してポイントが授与されるルールとなっているため、たとえば予選でポールポジションを獲り、決勝レースで優勝_よく言われる”ポール・トゥ・ウィン”を達成すれば、フルマークの23点を手にすることができる。もし、この鈴鹿で37号車がポール・トゥ・ウィンを達成し、36号車がノーポイントに終われば、37号車は36号車に並んで74点となる。レースでは同ポイントとなった場合、優勝回数の多い方が有利となるため、37号車が大逆転のタイトル獲得を果たすことになる。まさに痺れるようなドラマとなるわけだが、残る3台も手ぐすね引いてチャンスを狙っているだけに、決して生易しいものではないことは明らかだ。なにしろ、シーズンを通して36号車の安定感は際立っている。最終戦でも速さと強さをバランス良く披露すれば、タイトルを手にするのは決して難しいことではないだろう。とはいえ、他のライバルも黙ってはいない。いずれにせよ、どのチームも優勝がマストとハードルは高いが、ランキング2位につけるNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)にとしては、今シーズン投入されたCIVIC TYPE R-GTでの初タイトルがかかっている。デビューイヤーでのタイトル獲得ほど、大事なものはない。それゆえ、全身全霊で勝負をかけてくることだろう。また、ランキング3位のNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)は、新コンビで挑んだシーズンであり、CERMOとしても久々のタイトルをかけた戦いとなるだけに、試合巧者の強みを活かそうと燃えていることだろう。シーズン後半にかけて調子を上げてきたチームによる1年の締めくくりに期待が膨らというものだ。
 

23号車のエースの走りに注目!

鈴鹿の戦いを前に、Nissan Z NISMO GT500勢のエース車両、No.23 MOTUL AUTECH Zを駆るロニー・クインタレッリが今シーズンをもってSUPER GTから退くことを発表。SUPER GTで4度にわたるシリーズチャンピオンとなったのは、現時点ではクインタレッリのみ。長きにわたる活躍の見納めとなるが、23号車は2位表彰台が2度あったものの今シーズンは未勝利。このため、ラストレースで文字通り有終の美を飾るべく、勝利を渇望しているはずだ。優勝で引退の花道を飾るべく、チームとして総力を挙げて戦う姿にも注目してもらいたい。

GT300クラスは3台がタイトル争い

GT300クラスでは、暫定ランキングトップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)に対し、同2位のNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が11点差、また同3位のNo. 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)とトップは20点差の状態。GT500クラスの37号車のように、2号車にとってはかなりハードルの高いタイトル争いではあるが、勝負ごとはすべてが終わるまでが戦い。何があっても不思議ではなく、SUPER GTにおいても、過去に目を疑うようなまさかの展開に泣き崩れ、呆然としたチームがいたし、天にも昇るような気持ちで大逆転王者となったチームもある。ライバルとの競争ではあるが、最後の一戦は自分たちのベストレースをして、結果を待つ。まさに”人事を尽くして天命を待つ”心境で戦いに臨むことだろう。
 

シーズンラストレースは、コンディションとの戦いに!?

タイトル争いがかかる重要な一戦だが、このほかにも心配なことがある。それが、冬のコンディション対策だ。気温が低く、路面温度も大きく下がるなか、うまくタイヤを温めて予選、そして決勝に挑まなければならない。例年、11月上旬に行なわれてきた最終戦が丸々一ヶ月遅れたことで、天候が与える影響は決して少なくない。しかも、タイヤウォーマーの使用は認められず、いかにタイヤを発動させるかが、ドライバーとしての腕の見せどころにもなってくる。
 

さまざまな状況を踏まえ、普段の300kmレースよりは1セット多くタイヤを使用することができるため、チームとしてはできる限りリスクを少なくする戦術をもって戦いの準備を進めることになるだろう。その一方で、ドライバーたちが期待しているものがある。それはラップタイムの向上だ。寒い季節になると往々にしてラップタイムが上がる。となれば、予選でのファステストラップに注目も集まるというもの。長らく更新されていない鈴鹿のコースレコードが生まれる可能性もある。シーズン途中からルール変更によって、予選Q1、Q2でそれぞれニュータイヤを投入することができるようになったため、ドライバーたちもしっかりとアタックに集中できるというもの。しかも、もともと第5戦としてオンタイムで開催されていれば、サクセスウェイトが搭載されていたが、今大会は開幕戦以来となるノーウェイト。クルマ本来のパフォーマンスを引き出せるコンディションだけに、ここはひとつ注目したい。
 

本格的な寒さのなか、繰り広げられるシーズン最後の一戦。最後に笑顔で戦いを終えることになるのは、果たしてどのチームなのか。その行方をしっかりと見守ってほしい。
 

主なスケジュール

SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL
 
12月7日(土)
09:15〜10:40 公式練習(GT300+GT500)
10:40〜10:50 公式練習(GT300専有)
10:50〜11:00 公式練習(GT500専有)
11:15〜12:05 ピットウォーク
13:50〜14:05 公式予選Q1 GT500
14:13〜14:38 公式予選Q1 GT300
14:48〜15:03 公式予選Q2 GT500
15:11〜15:26 公式予選Q2 GT300 L15
15:34〜15:49 公式予選Q2 GT300 U14
16:05〜15:35 キッズウォーク
 
12月8日(日)
09:30〜10:20 ピットウォーク
10:30〜10:50 ドライバーアピアランス
11:10〜11:30 ウォームアップ
11:30〜12:40 スタート進行
12:40〜 決勝300kmレース(52Laps)



2024年8月24日

SUPER GT第5戦鈴鹿 プレビュー


夏休み最後の週末は、鈴鹿で350kmレース!
 

いよいよ、2024年シーズン後半戦へと突入するSUPER GT。その幕開けの舞台となるのは三重・鈴鹿サーキット。今シーズン2度目の鈴鹿では、前回の富士に続いての350kmレースとなる。猛暑続くなか、スプリントレースでの一戦はどんな展開を見せるのか? サクセスウェイトはじめ、今大会から変更されるレギュレーションが与える影響はあるのか? いろんな意味で気になる点が満載のレースになりそうだ。
 

“不公平のない、よりわかりやすい”レースのために

線状降水帯が発生するなど、大雨や雷雨を伴う荒れた天候が頻繁に続く日本列島。8月最後から9月に向かう週末に開催される鈴鹿の一戦も、まだまだ残暑厳しいコンディションになるのではないだろうか。
 

さて、その鈴鹿だが、前回の富士で一部予選方式等の変更が発表され、そのルールに則っての初の戦いとなる。その”変更”だが、特筆すべきは予選で使用できるタイヤセットが増えたこと。今シーズンからマーキングされた1セットのタイヤで2回の予選、そして決勝スタートを切ることをルールに定めたが、今大会からQ1用にフロント最大2本、リヤ最大2本を「A」タイヤとして、そしてQ2用にもフロント最大2本、リヤ最大2本を「B」タイヤとしてマーキングすることになった。つまり、最大4本のニュータイヤをQ1とQ2の両セッションで装着することができる。Q2でもニュータイヤを投入できれば、合算タイムでより強みを発揮できるチームも多いと見られるため、これまで以上に予選セッションが盛り上がりそうだ。
 

加えて、GT300クラスでは予選時の組分けにも変更が加えられた。
Q1での組分けを廃止し、全27台によるアタックを実施する。このため、時間は従来の2倍である20分に延長された。これまで2組に分かれていたGT300クラスのQ1では、路面状況等に差が生じやすいという声が上がっており、今シーズンから導入された合算タイムでは、不公平に繋がるという見解に繋がっていた。結果、よりイコールコンディション下でのセッションを提供するため、Q1でのクラス分けを撤廃するという。Q2では、Q1の上位14台(アッパー14)と、以下の車両(ロワー15)に区分。合算タイムのみ採用し、これまでのアッパーとロワー各4台の入れ替えも廃止された。実のところ、合算タイムに対しても賛否両論あるというが、今シーズンから導入した予選方式の根幹そのものをシーズン途中で廃止、変更するには変化が大きすぎるという理由から変更は見送られたとのこと。いずれにせよ、参加する側/観る側の双方にとって、よりよいSUPER GTを目指すなかでの変更であると考えられる。
 

ルール変更で頭を悩ますのは…!?

GT500クラスの場合、予選で投入できるニュータイヤのセット数が増えたことを受け、Q1、Q2共、よりアグレッシブにアタックするというシンプルな予想が立つ。なお、今シーズンいまだ勝利していないタイヤメーカーから供給を受けているチームに関しては、持ち込みセット数がさらに2セット増えることになった。該当するのは、ダンロップおよびヨコハマタイヤを装着する3チーム(No.19 WedsSport ADVAN GR Supra、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z、No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT)。シーズン中のタイヤテストが限られる現状を踏まえると、プラス材料になるはずだ。
 

一方、GT300クラスは予選から激しい駆け引きが想定される。何しろ、Q1では20分間に全27台がアタックしなければならない。キャリア豊富なドライバーにとっても至難の業になりそうだ。まず自分たちの手持ちのタイヤコンディションをしっかりと把握するのは当然だが、コースインするタイミングはじめ、他のクルマがどこでアタックしているのか、タイヤのウォームアップをしているのか…つまり、周りの状況をも味方にする必要が出てくる。GT500クラスと異なり、ジェントルマンドライバーの出走もあるGT300クラスだからこそ、の難しさが存在するのだ。ドライバーの技量にだけでなく、チームの総合力をフル活用して”渾身の一発”に臨めるようにしなければならない。各チームとも、頭を悩ませながらのアタックになるのか否か。思わぬドラマが見られる可能性もありそうだ。
 

シーズン後半戦スタート。まずは確実なポイント獲得を

サクセスウェイトがじわじわとボディブローのように効いてくるのが、シーズン後半戦。しかも、酷暑の中、晴れれば前回の富士より鈴鹿のほうがよりタフなコンディションになることは明確だ。レース距離は、前回の富士同様に350kmのスプリントレースのため、ある程度は”攻め”の走りが可能になるとはいえ、様々なマネージメントに尽力して戦うことが求められるだろう。というのも、チームによって獲得ポイントなどの”コンディション”が異なるからだ。
 

シーズン前半にポイント獲得に成功し、ランキング上位にいるチームは直近のライバルより上位でチェッカーを受けることが大事になるし、一方、前半戦で思うように結果を残せなかったチームは大量得点を目指す必要がある。自分たちが掲げる”理想の結果”を目指してそれぞれ尽力することになる。小さなミスからチャンスがこぼれ落ちることなどないよう、厳しい暑さという敵にも負けることなく奮闘するドライバー、チームスタッフの活躍に注目してほしい。そして、レース後には、夏の風物詩_高く打ち上がる花火を堪能しよう!
 

主なスケジュール

SUZUKA GT 350km RACE
 

8月31日(土)
09:45〜11:10 公式練習(GT300+GT500)
11:10〜11:20 公式練習(GT300専有)
11:20〜11:30 公式練習(GT500専有)
11:40〜11:55 FCYテスト
12:05〜12:20 サーキットサファリ
12:35〜13:25 ピットウォーク
15:15〜15:35 公式予選Q1 GT300
15:43〜15:53 公式予選Q1 GT500
16:03〜16:13 公式予選Q2 GT300 L15
16:21〜16:31 公式予選Q2 GT300 U14
16:39〜16:49 公式予選Q2 GT500
17:10〜17:55 キッズウォーク
 

9月1日(日)
12:05〜12:55 ピットウォーク
13:05〜13:25 ドライバーアピアランス
13:45〜14:05 ウォームアップ
14:05〜15:15 スタート進行
15:15〜 決勝350km・60周レース
18:30〜 打ち上げ花火





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