SUPER GT 2024 Round.3
SUPER GT第3戦鈴鹿 プレビュー
鈴鹿初の3時間レース。富士での経験値がどこまで活きる!?
今シーズンも早いもので、3戦目を迎えることになったSUPER GT。使用タイヤをはじめ、レギュレーション変更に対処しながらの善戦が続くなか、舞台となる三重・鈴鹿サーキットでは3時間レースを繰り広げることになる。シーズン序盤の締めくくりに位置づけられる今大会を、各チームはどんな戦略で臨むのだろうか?
サクセスウェイトの影響が出始める第3戦
2戦の戦いを終えて戦績を残しているチームが気にし始めるのは、サクセスウェイト。No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、開幕戦でポール・トゥ・ウィンを達成。今年は予選トップ3にもそれぞれトップから3-2-1点と加点されることになったため、よりウェイトが響いてくる。しかも、36号車は続く第2戦富士でも粘り強い戦いを見せて、4位に入賞。当然ながらシリーズランキング暫定トップにつけている。一方、ランキング2位は、前回の富士で勝利したNo. 3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)。トップ36号車とのポイント差は4点となっている。このトップ2台は、サクセスウェイトが50kg超となったため、いわゆる”ワンリス・ダウン”の対象となり、燃料流量リストリクターの口径が1サイズ小さいものを装着する。そのため、搭載するウェイトは軽減されるが、オリジナルよりもパワーレスな状況での戦いとなるため、今大会ではさすがに表彰台を狙うのはかなりハードルが高くなるのではないだろうか。
逆に開幕戦以降、地力があるにもかかわらずレースで好成績を残せていないチームにとっては絶好の機会がやってくる。これまでの戦いをしっかりと振り返り、善戦したいところだ。とくに、今シーズンからニューマシンを投入したホンダ陣営にぜひ注目したいところ。ホームサーキットである鈴鹿でCIVIC TYPE R-GT勢がどういうふうに躍進するのか。開幕戦でNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)、そして第2戦富士ではNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)がそれぞれ3位表彰台を獲得しているが、優勝はまだ。この2台に加え、2台を擁するARTA勢もレースで勢いあるパフォーマンスを披露しているが、残念ながらトラブル等で結果を残せていない。17号車、100号車よりもはるかに軽いサクセスウェイトだけに、虎視眈々とそのチャンスを窺っているのは言うまでもない。
ライバル勢の動きは?
昨シーズンは未勝利に終わったものの、日産陣営は2020年から3シーズンに渡り、鈴鹿との相性は申し分なし。3号車に続き、ランキング暫定3位につけているNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)あたりは、”やや重”のサクセスウェイト(44kg)ではあるが、安定感を味方にしたアプローチで表彰台を狙ってきそうな感じだ。さらにはNo. 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)にとっては、かつて最後尾スタートから劇的逆転優勝をした場所でもあるだけに、俄然やる気スイッチが入っているかもしれない。今シーズンからブリヂストンタイヤを装着することになったNISMO勢だが、開幕戦からのパフォーマンスを見る限り、ステアリングを握るドライバーのスキルの高さも含め、なんら問題なくクルマを適応させている模様。2年ぶりの鈴鹿勝利を期待するファンも多いことだろう。
そして、トヨタ陣営。36号車に続けとばかり、チャンスを狙うのはNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)やNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)あたりか。ともにコンビを一新し、その”ケミストリー”がうまく稼働し始めている。あと一歩、確実な手応えが形になることでシーズン初優勝の可能性がより高くなると思われる。
事前にテストが行なわれたGT300
GT300クラスでは、GTE(GTエントラント協会)主催による鈴鹿での専有テストを約1ヶ月前に実施。今シーズンからカーボンニュイートラル燃料を50%を混合したものを使用しはじめており、実戦の3時間レースはもちろんのこと、燃料関係の確認なども兼ねてのテストとなったはずだ。
テストはドライコンディションで実施され、参加車両のうちNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)がトップタイムをマーク。2号車は開幕戦岡山で悲願のコンビ初優勝、さらに第2戦富士を6位入賞で終えており、現在クラストップにつける。その2号車が54kgのサクセスウェイトを搭載してもなお、速さを見せたことは今大会でも表彰台を含めた上位入賞を狙ってくる可能性が高いことを思わせる。また2号車に限らず、ランキング2位のNo.88 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)含め、上位陣の躍進にも注目したい。なお、GT300クラスでは、サクセスウェイトの換算が今シーズンから変更されている。これまで獲得した1ポイントあたりの換算が3kgから2kgへと軽減された。つまり、昨シーズンよりも軽い状況で今大会を迎えるため、タイヤマネージメントを味方にした戦略を駆使するチームが増えるかもしれない。車種やタイヤメーカー含め、群雄割拠がより一層わかりやすいGT300ならではの攻防戦に期待したい。
鈴鹿戦が終了すると、1ヶ月強のサマーブレイクへと突入するSUPER GT。チーム、ドライバーはより良い結果を残してシーズン中盤戦を迎えたいところ。それゆえ、鈴鹿では白熱のバトルを繰り広げることだろう。
主なスケジュール
SUZUKA GT 3 Hours RACE
6月1日(土)
09:45〜11:10 公式練習(GT300+GT500)
11:10〜11:20 公式練習(GT300専有)
11:20〜11:30 公式練習(GT500専有)
12:05〜12:20 サーキットサファリ
12:35〜13:25 ピットウォーク
15:00〜15:10 公式予選Q1 GT300 B組
15:18〜15:28 公式予選Q1 GT300 A組
15:33〜15:43 公式予選Q1 GT500
15:53〜16:03 公式予選Q2 GT300 Gr.2
16:11〜16:21 公式予選Q2 GT300 Gr.1
16:29〜16:39 公式予選Q2 GT500
16:55〜17:40 キッズウォーク
6月2日(日)
10:20〜11:10 ピットウォーク
11:20〜11:40 ドライバーアピアランス
12:00〜12:20 ウォームアップ
12:20〜13:30 スタート進行
13:30〜 決勝 3時間レース