SUPER GT 2022 Round.5 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2022 Round.5

2022年8月29日

第5戦鈴鹿、怒涛の追い上げでカルソニックIMPUL Zが大逆転勝利!


8月28日、三重・鈴鹿サーキットで行われたSUPER GT第5戦の決勝レース。450kmの長距離戦は、真夏の酷暑にはならずとも、その内容たるや熱くてタフなものとなった。予想するのが困難な展開の戦いを制したのは、クラス最後尾からスタートしたNo.12 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組)。レース後半のセーフティカー導入をも味方にし、待望のシーズン初優勝を遂げた。
 

予選日に続き、薄曇りの朝を迎えた鈴鹿。徐々に晴れ間が戻り、上空を覆っていた雲も去って、決勝を前に眩しい日差しが照りつけることとなった。とはいえ、気温28度、路面温度39度、さらに湿度は50%とこの時期の一戦にしてはタフなコンディションとは言い難い状態。この天候を踏まえつつ、各陣営がどのような戦略でライバルたちを出し抜くのか、見どころ多いレースになることが期待された。
 

午後2時半、富士戦に続いて鈴鹿でも地元•三重県警の白バイとパトカーによるパレードラップが行われ、その後フォーメーションラップを経て450km、77周の戦いの火蓋が切って落とされる。ポールポジションスタートのNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が早々から頭ひとつ抜け出す形でレースを牽引。そこに予選2番手のNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組)、同3番手のNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)と続き、無難なオープニングラップを終えた。レースは10周をすぎると上位3台の間隔が一定に開き、目立った動きが見えない中、逆にその後方では前後車両とのつば迫り合いがあちこちで繰り広げられる。
 

そんな中、今回はトップ車両が早くも17周終わりでピットイン。長丁場のレース戦略としてライバルを出し抜く動きを見せた。23号車はドライバー交代せず、タイヤと給油だけでコースに復帰する。その後も、1台、また1台と少しずつタイミングをずらしながら1回目のルーティンワークを消化するチームが現れたが、逆に16号車は27周終わり、そして17号車は29周終わりという、ほぼセオリー通りの戦略を採った。また、GT500クラス最後となる33周終わりでピットに入ったのは12号車とNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組)。再び同条件で周回を重ねる中で16号車がトップに立ち、23号車そしてハイペースでポジションアップしてきたNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)が追う形となる。
 

今シーズン、クルマのトラブルが重なり、結果を残せていない38号車。37周目には23号車との激しいバトルを制して2位へと浮上。この勢いでトップ16号車をも攻め立てる。一方、17号車はこの2台の攻防戦を背後で注視しつつ、48周終わりの時点でひと足先にピットワークを実施。結果としてこの判断がレース終盤のトップ君臨へとつながった。レースは49周目の130RでGT300車両がコースアウトしてクラッシュ。すぐセーフティカーランへと切り替わった。これを見て、ピットクローズになる直前に2回目のルーティンワークを実施したのが39号車と12号車の2台。逆に16号車、38号車はトップ争いをしていたがためにピットインのタイミングを逃すこととなった。54周終わりでレースは再開。この直後に38号車はピットインしたが、逆に16号車は59周終了時にピットへ。好機を逃した2台は、その後38号車がマシントラブルに見舞われガレージイン。そして16号車も異なるピット戦略で躍進したライバルたちに先を越される形で7番手までポジションを落としてしまった。
 

トップをひた走る17号車だったが、実のところ2回目のピット作業で十分に燃料補給ができず、ペースをコントロールしながらの走行を強いられる。また、2番手で17号車を追う23号車もペースを思うように上げることができず、2台の差が思うほど縮まらない。それどころか、SCを味方にして3位に浮上してきた12号車と激しい攻防戦となり、挙げ句の果てに12号車への幅寄せに対してドライブスルーペナルティが課せられるという手痛い”オマケ”がついてしまった。23号車のペナルティ消化によって2位に浮上した12号車は、その勢いを止めることなく、今度はトップの17号車を猛追。そしてチェッカーまで3周となった75周目、ガソリンの問題を抱えていた17号車は思うようなペースでの走りが難しかったこともあり、12号車は一気にヘアピンでイン側に飛び込むと、続くスプーンでは並走からトップ奪取に成功する。その後はあっという間に後続を大きく引き離すという圧巻の走りを披露。最後尾から怒涛の追い上げで、待望の今季初優勝を果たしている。
 

GT300クラスもGT500クラス同様に、筋書きのない波乱万丈のレース展開となった。クラスポールを手にしたNo.10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介組)に対し、予選2位スタートのNo.244 HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞組)はノーウェイトのメリットを活かし、9周目のダンロップコーナーで逆転。以後、速さにモノを言わせて後続との差を構築する力走を見せた。1回目のルーティンピットはクラストップ3が同時に実施。一方、先に作業を済ませていた後続車の中からは、予選5番手のNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)が着実にポイントアップしており、レース中盤は4号車がクラストップで牽引することになった。
 

一方、終盤に向かう44周目で2度目のピットインを行った244号車にアクシデントが襲い掛かる。三宅からバトンを引き継ぎセカンドスティントを走行していた佐藤が、ピット作業後も継続してコースへと向かったが、そのアウトラップの130Rでコースアウト、その勢いで外側のクラッシュパッドに激しく追突するというまさかの展開。これがセーフティカー導入の一因となった。この3周前に2度目のルーティンピットを終えていた4号車は、全車がピット作業を終えた60周終わりで名実ともにトップへ。2秒前後ある後続との差をきっちり踏まえ、背後の敵の動きを”封印”。その後も最後までアクシデントが続くタフな展開の中で、確実にレースを運び切った4号車が待望の勝利を上げることとなった。4号車に採っては、2017年開幕戦の岡山以来となる優勝だった。
 

第5戦鈴鹿 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.12 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組)2:35’39.339 77Laps
2.No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組)+6.630
3.No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組)+7.747
 

GT300
1.No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)2:37’08.113 72Laps
2.No.10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介組)+3.407
3.No.30 apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太)+19.822
 

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