SUPER GT 2021 Round.2 本選 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2021 Round.2

2021年5月6日

500kmの長丁場、終盤の激しい攻防戦をNo.17 Astemo NSX-GTが競り勝つ!


5月4日、晴天の下、静岡・富士スピードウェイにおいて2021年SUPER GT第2戦富士大会の決勝が行われた。シーズン最長となる500kmの長距離戦ながら、レース終盤まで激しいポジション争いが繰り広げる見どころの多い展開となり、前半のハプニングを味方につけたNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)がライバルの猛追を退け、今シーズン初勝利を飾っている。
 

連日の好天気に恵まれた富士。前日よりも路気温が上昇、絶好のレース日和となった。午後2時30分、500km、110周の戦いに向けて2周のフォーメーションラップが始まる。その後、メインストレートにグリーンフラッグが点灯すると、GT500車両の15台が一気に1コーナーへとなだれ込んでいった。予選で鮮やかなアタックを見せて自身初のポールポジションを手にしたNo.19 WedsSport ADVAN GR Supraの宮田莉朋だったが、予選2番手No. 8 ARTA NSX-GTの福住仁嶺にホールショットを奪われ、さらには予選3番手No.38 ZENT CERUMO GR Supraの石浦宏明にまで先行を許してしまった。加えて予選4番手から猛ダッシュを決めたNo.36 au TOM’S GR Supraの坪井翔もポジションアップに成功。あっという間に38号車をかわして2番手へと浮上する。オープニングラップは、8号車を先頭に、以下、36号車、38号車と続き、予選5番手No.37 KeePer TOM’S GR Supraの平川亮が4番手。そして5番手に前回の覇者No.14 ENEOS X PRIME GR Supraの山下健太が続き、ポールスタートの19号車は6番手まで後退した。
 

慌ただしい序盤の展開はこれだけに終わらない。まもなく2周を終えようとしていたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)から突然白煙が上がり、ストレートエンド先、1コーナー進入時点で失火してしまう。すでにクルマは停止していたが、このエンジントラブルが原因のアクシデントを受け、セーフティカーがコースイン。車両回収作業にあたった。レースは6周終了をもってリスタート。トップにいた8号車はきっちり再スタートを決めるが、それを上回ったのが36号車。1コーナーへの飛び込みを前にクルマをアウト側へと振ると、コーナー出口で逆転に成功した。その後もトップ36号車と2番手の8号車は付かず離れずの状態で周回を重ね、これに38号車、14号車が続いたが、ペースの上がらない38号車に業を煮やした14号車が果敢にアプローチ。16周目のダンロップコーナーで軽い接触を含む好バトルを繰り広げ、14号車が3番手をもぎ取ると、38号車は37号車にも逆転を許し、5位で周回を重ねていたがゆるゆると後退する。
 

すると31周目には、38号車の左リアタイヤが外れるハプニングに遭い、完全にスローダウンしたままなんとか自力でピットへ向かうことはできたが、コース上を外れたタイヤが転がり続けたことを受け、SUPER GTでは初めてとなるFCY(フルコースイエロー)が導入された。このFCYは、コース上の各車はそれぞれギャップを保ちつつ、制限速度80kmでの走行を続けるというもの。33周目に解除されたが、FCY導入直前にピットインしていたのが、9番手を走っていたNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)。上位陣がFCYでペースを落として周回していたことが追い風となり、38周終わりでトップの36号車がピットインからコースに戻った矢先、17号車がこれをかわして事実上のトップ奪取に成功する。レースは43周の時点で、コース上のGT500全車に課せられた1回目のルーティンピットが終了。FCYを味方に17号車がトップに君臨、以下、36号車、14号車、そして8号車と続き、予選ではアタック中のミスで最後尾スタートに甘んじたNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐組)が5番手まで浮上した。
 

レースは折返しを前に、3番手争いが白熱。2回目のFCYを挟み、丁々発止のバトルを展開。50周のダンロップコーナーで8号車が先行すると、その勢いで36号車へと急接近していく。そんな中、トップ17号車は後続との差を12〜15秒へと広げる快走を見せていたが、2度目のルーティンピットを迎えた68周目、左フロントタイヤの交換で思いのほか時間を消費することとなり、70周過ぎから本格化した他車のピットインが終わると各車の差が縮まった。一方、36号車もまたピットで作業に時間がかかり、ライバルたちに先行を許してしまう。逆に8号車は39.5秒という圧倒的な速さでコースへ復帰。ここから17号車との激しいバトルが幕を開けた。
 

レースは80周以降、2台があちこちのコーナーで順位を入れ替えながら攻防戦を展開。82周目には、ようやく8号車がトップでメインストレートを通過し、以後、17号車との差を少しずつ開いていったかに思われた。だが、トップ2台に36号車が急接近。トップから3位までが1秒差という縦一列の攻防戦へと形が変わった。迎えた87周目、36号車は最終コーナーで17号車の真後ろにつけるとメインストレートで鮮やかに逆転。その勢いで8号車へとターゲットを変更した。
 

そんな中、97周目にはこの日3度目のFCYが発動。98周で解除され、残り12周での激しいトップ争いが繰り広げられるかに思われたが、36号車は一向にペースを上げることができず、スロー走行に。プロペラシャフトのトラブルが原因だったと思われる。さらに、8号車はFCY中に黄旗区間での追い越しがペナルティの対象となり、ドライブスルーが言い渡される。結果的に36号車はトラブルにより目前の勝利が水泡に帰したことになった。トップ争いの2台を襲った悲劇を横目に、逆に17号車は再びトップへと返り咲き。FCYで後続との差は縮まり、2番手の14号車が激しく追うも開幕戦の勝利で搭載された”サクセスウェイト”40kgが足かせとなったか、思うようにペースを上げられない。17号車が僅差で猛攻をしのいで今季初勝利を収めることとなった。2位14号車に続いたのは、37号車。3度目のFCYで前にいた1号車との差が縮まると、107周目の最終コーナー立ち上がりで1号車の背後にぴたりとつけ、メインストレートから1コーナー飛び込みで鮮やかに逆転! 3番手に浮上すると、その勢いで14号車にも急接近したが、このままチェッカーを受けることとなった。
 

500kmというロングレースながら、SCやFCYの発動によって最後の最後まで激しいポジション争いを繰り広げることになった第2戦。ウェイトの差がまだ小さく、SUPER GTならではの攻防戦の醍醐味が活かされた一戦だったと言える。
 

GT300クラスも最後まで激戦を繰り広げる見どころ多い展開となった。レース序盤から激しいポジション争いとなる中、上位陣の中からNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)が最初にルーティンピットを実施。タイヤ無交換で第2スティントへと向かった。一方、GT300クラスでも序盤のSC、さらに31周過ぎてからのFCYの発動の影響を受け、ピットインのタイミングによってポジションの”泣き笑い”が顕著に現れる。
 

レース折返しを経て2度目のルーティンピットが終わり、終盤へと向かう中、トップは52号車がキープ。これに予選2位のNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)、予選3位のNo.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)が続き、その背後には予選ポールポジションながらペースアップに苦しむNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が、ライバルたちの後塵を拝する形となっていた。その中から頭ひとつ52号車が抜けた形で周回し、55号車、60号車、61号車が激しい2番手争いを展開していたが、後続2台の猛追に競り負け55号車が4番手へとドロップした。このままトップ3が固まるかに思われたが、トップを走る52号車が96周目に入るとまさかのスローダウン。力なく1周を走り、そのままガレージにダイブ。チェッカーを目前にして勝利が手からこぼれ落ちてしまった。これを受け、60号車、61号車、そして55号車の三つ巴による優勝争いが再発。ファイナルラップまで続いた激闘を制したのは60号車。トップ60号車から3位55号車の差はわずか約1.3秒というものだった。
 

第2戦富士 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)3:03’07.846 110L
2.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)+0.831
3.No.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/阪口晴南組)+1.117
 

GT300
1.No.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)3:04’16.736 103L
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+0.712
3.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)+1.286
 

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