SUPER FORMURA 2021 Round.7
SUPER FORMULA 第7戦鈴鹿プレビュー
今シーズンラストレース、JAFタイトルをかけた熱戦に期待
第6戦もてぎ大会からわずか2週間。本格的に秋が深まる中、三重・鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終戦「第20回JAF鈴鹿グランプリ」が開催される。タイトルにあるとおり、JAFグランプリ杯をかけた一戦だが、すでにチャンピオンは決定したものの、今シーズンの集大成を見せるべくすべてのドライバーが全身全霊で挑む激戦になりそうだ。
半年ぶりの鈴鹿戦、集大成の走りに期待
前大会もてぎには、世界耐久選手権にも参戦中の海外遠征組_小林可夢偉(KCMG)や中嶋一貴(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond DragoCORSE)が参戦し、また、来日そのものが叶わず、開幕戦から参戦が実現していなかったサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)もついに日本に”里帰り”。ようやくレギュラードライバーが勢揃いしてのレースが実現した。ところが、最終戦は再びWECとのレースが重複する小林、中嶋のふたりが欠場。一方でカルデロンは”居残り”を決断、今シーズン最終戦で自身の成長ぶりをアピールすることを決めたようだ。なお、小林と中嶋の代役はその務めを果たしてきた、小高一斗とジュリアーノ・アレジが担うことがアナウンスされている。
前回、鈴鹿の戦いは第2戦として開催。春の一戦だっただけに、今回とは大きく季節的にも異なり、各チームともコンディションに見合うクルマ作りが求められる。一方、シーズンを通して同じタイヤを装着するため、いかにタイヤを温め、うまくコントロールするかはドライバーの技量が問われる部分でもある。クルマだけ、ドライバーだけというものでなく、すべてが一体化して速さを引き出す形にしなければ強い戦いはできない。それが昨今のフォーミュラレースの難しさでもあるのだが、その緻密なクルマ作りが進む昨今、ドライバーたちが刻むタイムがコンマ数秒の差ではなく、今や100分の数秒、場合によっては1000分の数秒という驚異のレベルに達している。そこにちょっとした運、不運も加わり、予選ではシビアな”泣き笑い”が繰り広げられている。
今シーズンは、Q1だけでなく、Q2もA、B組2つに区分してタイムアタックが可能となっていることから、思い切ったアタックへのアプローチもできるだろうが、アタック中はコース上の”場所取り”も重要だけに、チームとしてのマネージメントも問われるところ。厳しい言い方にはなるが、”一寸先は闇”状態という過酷な戦いにドライバーは挑んでいるとも言えるだろう。
王者は決定。勝者は誰に?
緻密な戦いが求められる中、まずは速さを見せる必要がある今シーズンの戦いにおいて、ひと足先に確定したのがシリーズチャンピオンだった。野尻智紀(TEAM MUGEN)は徹底的に強いレースをするためのアプローチにこだわり、それを具現化して悲願のタイトルを掴み取った。自身に足りないものはなにか、を探し続けた信念がようやく結実したように思える。これに対し、過去のタイトルホルダーであるひとり_山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)はチーム移籍の初年度で大苦戦。前戦でフロントロウにつけたものの、今シーズンまだ一度も表彰台に上がっていない、というのは驚きの他ならない。自身、タイトル獲得を決めたこともある得意な鈴鹿でどのようなシーズンのラストランを飾るのか。もちろん、ターゲットは今シーズンの初優勝に違いないだろう。
初優勝、という目標を掲げるドライバーは他にも多いはず。前回もてぎで大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が速さだけでなく、決勝での図太さも知らしめる力走で自身初勝利をあげており、触発されたドライバーたちがこぞって予選から熱い走りを見せてくることだろう。2度の表彰台はあるものの、”てっぺん”がない大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)はもちろん、前回のもてぎで2位獲得を果たした阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、さらには上り調子の松下信治(B-Max Racing Team)もしかり。この他、実力伯仲の選手権ゆえ、誰がどのタイミングで浮上してくるか、まったくわからないほどの混戦が期待できる。また、初年度参戦ドライバーには、”ルーキー・オブ・ザ・イヤー”の争いも残されている。大津はじめ、阪口、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)の実力派若手の躍進にも注目したい。
■主なタイムスケジュール
・10月30日(土)
08:50 – 10:20 フリー走行
13:50 – 公式予選(ノックアウト方式)
13:50 – 14:00 Q1(A組→上位7台がQ2へ)
14:05 – 14:15 Q1(B組→上位7台がQ2へ)
14:25 – 14:32 Q2(A組→上位4台がQ3へ)
14:37 – 14:44 Q2(B組→上位4台がQ3へ)
14:54 – 15:01 Q3
・10月31日(日)
09:05 − 09:35 フリー走行
13:15 – 14:00 スタート進行
14:00 – 決勝(30Laps)