SUPER FORMURA 2021 Round.1 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMURA 2021 Round.1

2021年4月5日

21年SUPER FORMULA、初戦を制したのはポールスタートの野尻!


4月4日、決勝レースを迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権。緩やかに天候が下り坂となる中、富士スピードウェイでの41周に渡る戦いは終盤に雨の心配もあったが、ポールポジションからスタートを切ったNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が速さと強さを存分に発揮し、勝利。シーズン開幕戦をポール・トゥ・ウィンで飾っている。
 

灰色の雲がサーキット一面に広がった早朝の富士スピードウェイ。午前9時25分から始まった30分間のフリー走行中に雨が落ちることはなかったが、各車はセットアップを継続するとともに、雨のレースを想定した下準備も進めていたようだ。
 

心配された雨は、午後に入っても落ちてくることはなく、そのままスタート進行が始まる。一方で8分間のウォームアップ走行では朝のフリー走行時よりも強く冷たい風が吹き、決勝での天候の急変が心配された。午後2時10分、41周の戦いが幕を開けると、予選トップの野尻よりも予選2番手のNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)がクリアスタートを決め、ホールショットを奪いとる。その大湯はオープニングラップで2番手になった野尻に対し、1秒7の差をつけて快調に周回を重ねていった。
 

一方、スタートで大湯に先行を許した野尻には焦りがなかった。大湯の背後から自分のほうが有利だと思うポイントを見出し、逆転のタイミングを伺っていた。そして迎えた10周目のヘアピン。立ち上がりでアウトサイドにクルマを振り、鮮やかにトップを奪取した。なお、同じ10周目に勝負へ出たのが、No. 1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)。チーム移籍後初の予選ではQ1止まりというまさかの結果で16番手スタートに甘んじたが、オープニングラップで10番手までジャンプアップすると、速さを武器に着々と自身の戦略を遂行。レース中に降り出す可能性がある雨を気にかけてピットインのタイミングを決めかねているライバルたちを気にかけず、真っ先にルーティンワークのタイヤ交換に取り掛かった。惜しむらくはピット作業で左のリアタイヤ交換を手間取り、タイムロスしたことか。それでも以後、確実にポイントを上げ、最終的には6位でチェッカーを受け、厳しい戦いの中でもポイント獲得を果たした。
 

レース中盤には、激しいポイント争いをするクルマがあちこちで出現。今シーズンからオーバーテイクシステムが従来の100秒から200秒へと倍増したこともあり、互いを牽制しつつ、より優位にシステムを使おうとする姿が見られた。中でもルーキー同士の戦いとして、No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)とNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)のドッグファイトは見どころ満載。幼い頃から切磋琢磨してきたライバルでもある二人は抜きつ抜かれつ、果敢なせめぎ合いを見せてレースを盛り上げた。初戦はスピードを生かした宮田が先行し、7位でチェッカー。一方の阪口も9位でフィニッシュ。ともに入賞を果たし、実力の高さをしっかりアピールした。
 

レースは残り12周の時点で雨脚が強くなり、ウエット宣言が出される。この時点で上位を走る5台はタイヤ交換をせずにステイアウトしていたが、雨は大きく崩れることなく膠着状態となり、いっそうドライバーやチームを悩ませることに。結果、しびれを切らせたかのように、1台また1台とピットに戻ると、33周の時点では残り3台となった。そして、残り3周となる38周を終えて、2台がピットイン。唯一ステイアウトしていたトップの野尻は、まるで満を持したかのように39周目でピットイン。ライバルたちよりも早いピットストップタイム_7.3秒で作業を終え、コース復帰を果たした。チェッカーまで残り2周の時点で2位の大湯との差は3.8秒強。最後まで諦めない大湯はファイナルラップでファステストラップを叩き出す猛追を見せたが、あと一歩届かず。結局、野尻が冷静なレース運びと速さを存分に発揮し、初戦を制することとなった。2位の大湯に続いたのは、予選4番手スタートのNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。オープニングラップで3位に浮上すると、大湯を追う形で周回を重ねて途中何度も詰め寄ったが、逆転には至らなかった。
 

予選からホンダエンジンユーザーがトップ3を独占した開幕戦。決勝でも同様にホンダユーザーが表彰台を占める結果に終わった。続く第2戦の舞台は三重・鈴鹿サーキット。ホンダのお膝元であるサーキットでも、再びホンダ勢が好調の走りを見せるのか、はたまたトヨタエンジンユーザーが復活の狼煙を上げるのか。興味深いところだ。
 

第1戦富士 決勝結果 トップ3

1.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)58’30.222 41L
2.No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)+1.576
3.No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+3.737



2021年4月4日

2021年初戦のSUPER FORMULA、ポールは野尻智紀が獲得


4月3日、2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕。その舞台となった静岡・富士スピードウェイでは、まず初戦の予選が繰り広げられた。これまでどおり、3度の予選セッション_ノックアウト予選でふるいにかけられた全18名のドライバーから、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)がトップタイムをマーク。シーズン最初のポールシッターとなっている。
 

3月に鈴鹿サーキット、富士スピードウェイにおいて合同テストを実施し、戦いに向けての準備を進めてきた今シーズンのスーパーフォーミュラ。朝のフリー走行が始まったときには気温13度、路面温度17度と薄曇りながら春の陽気が感じられた。レースは今シーズンから土曜日の予選開催が”復活”。これに合わせて朝のフリー走行では1時間30分の時間が設けられた。このセッションでトップタイムをマークしたのは野尻。2番手につけたNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に対して0.117秒の差を付け優位に経っていた。
 

その流れで迎えた午後からの予選。午後2時40分からのノックアウト予選Q1では、気温20度、路面温度27度とさらにコンディションが変化。朝とは異なる条件の中でも野尻の好調さは揺るがなかった。まず、Q1は全18台をA、Bの二組に分けて実施。A組のトップタイムをマークしたのは、No.15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)。今季からレギュラードライバーの座を掴んだ大津が比較的早いタイミングでトップタイムを刻むと、これを見て動いたドライバーも自己ベストタイムを更新していくが、大津を逆転するには至らない。結局、このまま大津がトップにとどまり、これに福住、大津同様、今季からフル参戦となるNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がトップ3を形成。逆に、ディフェンディングチャンピオンで今季チームを移籍しているNo. 1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)はタイムを伸ばせず。また今季は国内レースに集中するNo. 3 山下健太(KONDO RACING)と山本がまさかのQ1敗退となった。
 

10分のインターバルをおいてB組のQ1がスタート。多くのドライバーがユーズドタイヤを装着してコースへと向かったが、アウトラップでピットに戻り、アタックのタイミングを見計らう。残り時間1分を切り、慌ただしく変化したのはトップタイムを刻んだドライバーの名前。まず、No.14 大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、そしてNo.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、次に野尻、さらにはNo.36 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)らが次々トップを奪取。この時点でチェッカーが振られ、これで決まりかと思いきや、2周目のアタックに挑んでいた野尻が大湯のタイムを大幅に上回り、トップへ返り咲き! 大湯が2番手、3番手に中嶋が続く結果になった。
 

14台が進出したQ2。与えられる時間は7分間。まず、Q1B組でトップタイムをマークした野尻がライバルに先んじてコースへ。相手を気にすることなくアウトラップを始めると、その後はライバルの動向を見極めてアタックへ。これが奏功し、またもトップタイムを刻むこととなった。いよいよ最後のQ3を迎える中、フル参戦を果たしたルーキードライバー3名がタフなサバイバル戦をくぐり抜け、出走。最後の10分間のアタックにかけた。このセッションでも野尻が戦略を味方に理想的なアタックを実施。1分21秒173の好タイムをマークし、ライバルを牽制する。その後、残るドライバーが自己ベストタイムを出しながらチェッカーを受けたが、野尻のタイムを打ち負かすことはなく、セッションが終了。野尻が通算6度目のポールポジションを獲得、自身が出走した全セッションでトップタイムをマークし、シーズン最初の勝利に向けての弾みをつけた。2番手に続いたのは、昨シーズン第6戦で初優勝を飾った参戦2年目の大湯。3番手には病気療養中の牧野任祐に代わって参戦するNo. 6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いた。
 

翌日の決勝は午後2時10分に号砲。無給油&タイヤ交換義務のルールに沿って41周の戦いを繰り広げる。
 

【第1戦富士 予選結果 トップ3】


1.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)1’21.173
2.No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)1’21.396
3.No. 6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’21.463
 



2021年4月3日

SUPER FORMULA第1戦富士 プレビュー


SF開幕戦、今季は2dayレース開催に!

昨年は、新型コロナウイルス感染対策の影響を受け、開催日程が大幅に変更された全日本スーパーフォーミュラ選手権。最終戦は12月まで遅れたことで、今シーズンの開幕戦までわずか3ヶ月半ほどしかなかったが、今シーズンはスケジュールどおりにシーズンインが実現する。4月3〜4日、静岡・富士スピードウェイで迎えるシーズン最初の戦いは、昨シーズンとはまた異なるドラマを見せてくれることになるだろう。
 

2dayレースが復活!

昨シーズン、コロナ禍で開幕戦が行われたのは、8月下旬。しかも日曜日の1dayレースで開催されたため、午前中にQ1からQ3のノックアウト予選を、そして間髪おかず午後から決勝という極めてタイトなタイムスケジュールでの実施とあり、各チーム、ドライバーは実に慌ただしい状態でレースを”消化”していたに違いない。存分なテストもなく、またレースのセットアップに割く時間も確保できないというストレスもあったことだろう。だが、今シーズンはようやく従来どおりのレースフォーマットに沿ったスケジュールに則った戦いが可能となった。これにより、ファンは、シングルシーター&ワンメイクタイヤというイコールコンディションでの真のバトルが醍醐味であるスーパーフォーミュラを、存分に楽しむことができるというわけだ。
 

さらに、レースを戦う側の変化はこれに留まらない。拮抗したバトルに動きを与えるシステムとして導入されている「オーバーテイクシステム」。この使用時間が大幅に延長されることとなった。従来は1レースでトータル100秒使用できたのが、今シーズンはなんと200秒! 倍の時間を活用することが可能となった。抜きどころのないコース、あるいは、あともう少しで逆転可能な戦いに”有効活用”できるシーンを今年は幾度となく目にすることができるのではないだろうか。このオーバーテイクシステムの活用方法には、ドライバーやチームの戦略が見え隠れするだけに、今シーズンは思いも寄らないドラマが生まれるという期待も持てるはずだ。
 

タイトル争いは今年もホットに!?

開幕戦にエントリーするのは、全11チーム、計18台。B-MAX RACING TEAMのイヴ・バルタス一方、18人のドライバーとして年間エントリーリストに名を刻んではいるものの、残念ながら富士に姿を見せることができないドライバーは3名。KCMGの小林可夢偉は海外開催のレースに参戦しており、まだ自己隔離期間中であるため参戦を見送ることに。また、昨シーズン終了後、一旦日本を離れたKONDO RACINGのサッシャ・フェネストラ図は来日ビザの問題で、未だ来日を果たせていない。そして、昨シーズンの最終戦を病気で欠場したDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐も未だ療養中であるため、出走を断念している。
 

なお、今シーズンに待望のスーパーフォーミュラデビューを果たすこととなったのは、3名。ルーキーではあるものの、実のところ全員が昨シーズン何らかの形でスーパーフォーミュラへのスポット参戦を果たしており、そのパフォーマンスの高さも証明済み。今シーズンはその経験から学んだことを糧にして力強い戦いを披露してくれることだろう。
 

一方、昨シーズンは最終戦までもつれたチャンピオン争いだが、今シーズンもその形は変わらないものと想像される。SUPER GTとダブルタイトルを手にした山本尚貴はDOCOMO TEAM DANDELION RACINGからTCS NAKAJIMA RACINGへと電撃移籍。かつてNAKAJIMA RACINGで参戦していた山本にとっては古巣からの参戦となるわけだが、本人はもとよりチームとしてもチャンピオン獲得をなによりも渇望しているはず。チームには、昨シーズンデビューイヤーながら眼を見張る活躍をした大湯都史樹とともに注目度は否が応でも高まるはずだ。そして、SUPER GTでもスーパーフォーミュラでもあと一歩のところでタイトル獲得を果たせなかったcarenex TEAM IMPULの平川 亮もまた、チャンピオンを視野に入れて開幕戦から文字通り”スタートダッシュ”を見せてくるはず。鈴鹿、富士で行われた公式テストでも好タイムをマークしており、用意周到の戦いを披露してくれるのではないだろうか。
 

今季も引き続き感染防止に努めて開催

開幕戦から有観客開催となるものの、新型コロナウイルス感染防止対策はもちろん継続される。来場するファンには、まだドライバーとのサイン会や握手などの対応は難しいところだが、ピットビューイングや屋外でのトークショーを含むオフィシャルステージも実施される。
 

その一環として、デジタルによる情報配信も強化。昨シーズンから取り入れはじめた情報サービスのスマホアプリ「Grooview」でのレース情報配信はじめ、トークイベント等の「公式 YouTube生配信」等が提供される。
 

思うように収束の見通しが見えない新型コロナウイルスへの対策がまだまだ続く中でのシリーズ開催だが、その状況下でもサーキットを疾走するドライバーたちの熱い戦いは今年もヒートアップしたものとなることだろう。初戦はどのドライバーが表彰台の真ん中で笑顔を見せるのか、楽しみだ。
 

主なタイムスケジュール

・4月3日(土)
09:00 – 10:30 フリー走行
14:40 – 公式予選(ノックアウト方式)
14:40 – 14:50 Q1(A組→上位7台がQ2へ)
15:00 – 15:10 Q1(B組→上位7台がQ2へ)
15:20 – 15:27 Q2(A+B上位7台・計14台→ 8台)
15:37 − 15:44 Q3
 

・4月4日(日)
09:25 − 09:55 フリー走行
13:20 – 14:10 スタート進行
14:10 – 決勝(41Laps)





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