SUPER FORMURA 2021 Round.7
福住仁嶺、鈴鹿でリベンジの勝利。今季2勝目をあげる!
10月31日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦の決勝レースが行われ、予選3番手スタートのNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION)が荒れたレース展開の中で、落ち着いたパフォーマンスを披露。強さをアピールする力走を見せてトップチェッカーを受けた。一方、チームチャンピオンは、決勝でライバルを圧倒する速さを見せた関口雄飛と平川亮のダブル入賞により、carenex TEAM IMPULに決定。2010年以来、11年ぶりのタイトル獲得となった。
決勝日を迎えた朝の鈴鹿は雨模様。大きく崩れることはなかったが、30分間のフリー走行ではレースウィーク初のウェットタイヤを装着して走行することになった。一方、天候は回復傾向にあるという予報から、各チームともセッティングに頭を悩ませる形で決戦を迎えることになる。
午後2時の決戦を前に行われたウォームアップ走行。路面はドライへと回復、全車がスリックタイヤでコースインし、最終確認を行った。ところが、ダミーグリッドに全車が整列する頃に、再び雲行きが怪しくなり、ポツポツを雨が上空から落ちてくる。結果、スタート後、レース2周目になってウェット宣言が出されることに。しかしながら、その後のレースへ大きな影響を与えることはなかった。
スタートを決めたポールポジションのNo.51 松下信治(B-MAX RACING TEAM)だったが、なんと4周目走行中にドライブスルーペナルティが科せられることに。反則スタートの判定を受けた松下は5周を終えてピットロードへと戻ったが、これにより事実上、優勝争いから脱落することとなった。一方、新たにトップに立ったのは、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)。先のもてぎで自身初タイトルを手にした勢いで、スタート直後には予選5番手から一気にジャンプアップ。オープニングラップで3位に上がると、続く2周目にはNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)とサイド・バイ・サイドの末に接触し、大湯はコースオフを強いられた。なお、このアクシデントを受けて、のちに野尻は5秒加算のタイムペナルティを科せられている。
慌ただしいポジション争いで幕を開けたあと、6周目以降は落ち着いた展開へと切り替わったが、今度はルーティンのピットインが近づいてくる。10周を終えてピットウィンドウが開くと、6台がピットイン。ところがうち2台がタイヤ交換でタイムロス。続く11周目にはトップを追うNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION)を筆頭に、8台が次々にピットへなだれ込んだ。一方、トップの野尻は12周を終えてピットへ。コースに戻ると、背後からタイヤが温まった福住が迫り、13周目の逆バンクで逆転に成功。ルーティン作業を終えた中でのトップを奪取した。
このとき、ピットインのタイミングを遅らせることで、ライバルたちとの差を広げにかかったのが、carenex TEAM IMPULのNo.19 関口雄飛とNo.20 平川亮の2台。14周終わりでタイヤ交換を済ませた平川は、復帰後15周目の2コーナーで背後の福住に逆転を許してしまったものの、野尻の前を走ることとなり、オーバーカットを成功させた。一方、関口のペースは依然として安定したまま。周回を重ねて、後方とのギャップを積み重ねていった。チームタイトル獲得の可能性がかかるcarenex TEAM IMPULにとって、DOCOMO TEAM DANDELIONの結果が気がかりだけに、2台揃っての上位獲得が必須条件。力走を続けた関口は、27周終わりとギリギリまでタイミングを伸ばし、またチームスタッフも素早い作業で送り出すことに成功。これにより、関口は4番手でコース復帰を果たした。
ようやく28周目にして正式にトップに立った福住。その背後からペースを落とすことなく平川が追い立て、ファイナルラップでは1コーナーから2コーナーへかけてオーバーテイクシステム(OTS)を多用して急接近する。だが、後方の動きを冷静に見ていた福住はまだ存分に残っていたOTSで防戦。このまま逃げ切りで今シーズン2勝目の優勝を飾っている。第2戦鈴鹿ではポールポジションを手にしながらも、レースでは不運で勝ちを逃した福住。見事にリベンジを果たした。2位平川も第2戦以来となる表彰台を掴んでいる。そして3位には野尻が続き、新チャンピオンらしい粘りと強さを存分に見せつける戦いを披露している。
今大会の結果によって、チャンピオン野尻に続き、優勝を果たした福住がランキング2位を獲得。3位は予選14位から4位入賞の力走を見せた関口が手にしている。また、チームタイトルは、今大会で平川、関口の力走が実ったcarenex TEAM IMPULが2010年以来、11年ぶりに獲得。そして、ルーキー・オブ・ザ・イヤーには、先のもてぎで初優勝を挙げ、今回は5位入賞を果たしたNo.15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が手にしている。
第7戦鈴鹿サーキット・決勝結果 トップ3
1.No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION)51’37.552 30Laps
2.No.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)+2.393
3.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)+8.709