SUPER FORMURA 2021 Round.6
SUPER FORMULA 第6戦もてぎ プレビュー
連戦のもてぎ、王者確定の可能性もある一戦に
前回の戦いからおよそ1ヶ月半。いよいよ今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権も終盤戦となり、佳境に入る。長らく新型コロナウイルス感染拡大防止の対策によってレース参戦を控えることを強いられたドライバーたちも復帰を果たし、その一方でチャンピオン争いを巡る戦いも盛り上がりを見せる中での一戦だけに、大いに盛り上がりを見せてくれそうな気配がする。
レギュラードライバーの4名が復帰!
コロナ禍で昨シーズンから様々な規制を設けてきたスーパーフォーミュラ。今シーズンは、海外レース_世界耐久選手権(WEC)にレギュラー参戦中の小林可夢偉(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、中嶋一貴(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)の3名が参戦のたびに日本政府の入国における水際対策の一環として日本でのレース参戦を見送らなければいけない状況となっていた。一方、昨シーズンはフル参戦したものの、シーズン終了後に”里帰り”で日本を離れていたサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)は入国ビザの発行が叶わず、長い間渡日を果たせなかった。それが9月末をもって緊急事態宣言が解除され、様々なハードルが下がったことも追い風となってフェネストラズも無事に日本へ舞い戻ってきた。待ちわびた日本でのレース活動が再開され、ようやくこのもてぎ大会でシーズン初レースを迎えることになる。所属チームは変わらないものの、今シーズンからチーフエンジニアが変わっているため、正直なところ短期間でどこまでコミュニケーションが確立できるか未知数の部分も残されてはいるが、チームのバックアップを味方に、今大会そして最終戦の鈴鹿でアグレッシブなパフォーマンスを披露してもらいたいものだ。
なお、小林、カルデロン、中嶋の3選手だが、今シーズンの参戦は残念ながら今回のもてぎが最後となる。というのも、最終戦の鈴鹿大会とWEC第5戦(バーレーン)のレース開催日が重複しているのがその理由だ。このため、中嶋は開幕戦以来、カルデロンは第2戦以来、そして小林は今シーズン”最初で最後”の出走となってしまうが、国際レースで活躍する3選手の勇姿を目の当たりにできる絶好のチャンスと受け止め、その戦いぶりに注目したい。
タイトル争いは佳境に
残り2戦となった今シーズンの戦い。コロナ禍で昨シーズンに続いてシリーズ選手権のポイントシステムは「有効ポイント制」が導入されている。結果、合計ポイントの上位5大会の総合計で争うことになっているが、第5戦終了時点での暫定トップは野尻智紀(TEAM MUGEN)。予選での速さ、決勝での強さの双方で見事な走りを披露、ライバルを圧倒する戦いを見せており、まさに勢いに乗って自身初のタイトル獲得に王手をかけている状態だ。シーズン3勝をマークし、ポイントリーダーでもある野尻は現時点で76ポイントを獲得。ランキング2位の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)は41ポイント、同3位の関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が39.5ポイントで続いている。しかし、今大会が第6戦に当たるため、ドライバーによっては、有効ポイント制に基づき、たとえ成績を残してもこの先カウントされない得点もあるわけで、結果としてランキングに変動が起こる可能性も出てくる。コツコツと毎レースポイントを加算しているドライバーにとっては、この有効ポイント制が恨めしい状況になってしまうかもしれない。
一方、野尻自身は、今大会で戴冠実現という可能性もある。予選、決勝で計12ポイント以上を獲得すれば、ライバルの活躍は関係なしでタイトル獲得が叶う。予選&決勝3位で計12ポイントになることから、野尻は予選で上位3番手までに入り、決勝でも表彰台に上がれば念願のチャンピオンを決めることができる。今シーズンは第5戦、第6戦でもてぎが連戦になった(当初予定されていた第6戦岡山大会の代替)が、その第5戦で文句なしのポール・トゥ・ウィンを飾っており、野尻そしてチームが”もてぎでの勝ちパターン”を見つけていることを考えれば、最終戦を待たずしてタイトル獲得を決めることも充分に考えられるだろう。
前大会はまだ夏の暑さがしっかりと残っており、タイヤにもドライバーにもタフな一戦であったが、今週末の一戦は秋の訪れを感じる中での戦いになるはず。天候次第では、タイヤの扱いが難しくもなる。また、もてぎ特有のストップ&ゴーのコースレイアウトゆえ、ブレーキに厳しく、抜きどころの少ない戦いになることから、予選での好位置確保がレースに向けての重要課題になることは間違いない。シーズン終盤となり、タイトル争いからは遠ざかってしまったドライバーにとっても、今後の戦いに向けてベストパフォーマンスを見せなければならない一戦でもある。各ドライバーの熱心な”仕事ぶり”をしっかりと見届けたい。
■主なタイムスケジュール
・10月16日(土)
09:10 – 10:40 フリー走行
13:35 – 公式予選(ノックアウト方式)
13:35 – 13:45 Q1(A組→上位7台がQ2へ)
13:50 – 14:00 Q1(B組→上位7台がQ2へ)
14:10 – 14:17 Q2(A組→上位4台がQ3へ)
14:22 – 14:29 Q2(B組→上位4台がQ3へ)
14:39 – 14:46 Q3
・10月17日(日)
10:50 − 11:20 フリー走行
14:00 – 14:45 スタート進行
14:45 – 決勝(35Laps)