SUPER GT 2020 Round.6
SUPER GT第6戦鈴鹿、ARTA NSX-GTが前大会に続いてポールを獲得!
シーズン後半戦を迎えた2020年SUPER GTシリーズ。そろそろタイトル争いの行方がよりシビアになる第6戦は、三重・鈴鹿サーキットが舞台。冷え込みが気になり始める頃とはいえ、予選日を迎えた土曜日は雲が多少多く強い風が吹いていたが、朝から青空が広がり、今季2度目の鈴鹿戦を観戦しようと訪れたファンにとっては、絶好のレース日和となった。そんな中で繰り広げられたノックアウト予選でトップタイムを叩き出したのは、No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)。前回第5戦富士でシーズン2度目のポールポジションを手にした8号車だが、この鈴鹿でも前回同様に福住がアタックを務め、2戦連続でトップタイムをマークしている。
全8戦で行われるSUPER GT。セミファイナル戦からはウェイトハンディの見直しが入り、搭載分も軽減されることから、6戦目となる今大会はウェイトハンディが勝敗の行方を左右する難しい一戦とも言える。結果からしても、シリーズランキングトップ、そして2番手につけるNo.14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井 翔組)やNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)は結果的にQ2進出を果たせず、中団グループからの追い上げを強いられることになった。
午前9時20分に始まった公式練習では、気温18度、路面温度24度のコンディションからスタート。開始から1時間を迎える直前、GT300クラスの車両がシケインで激しいコースアウトを喫し、クラッシュ。これでセッションが赤旗中断となる。その後、GT500の専有走行でトップタイムをマークしたのはNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)。前回、第3戦として開催された鈴鹿戦で予選ポールポジションを獲得している64号車が今大会でも好調をアピールした。
午後2時からのノックアウト予選を迎えると、気温、路面温度ともに上昇。一方で、GT300、GT500両クラスともQ1で赤旗が提示されるなど荒れた展開を見せた。GT500では、前回鈴鹿大会で優勝を果たしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)がアタックラップの真っ只中、ダンロップコーナー先で挙動を乱し、その速度のままコースアウト。バウンドしながらグラベルを進み、タイヤバリアに激突してしまう。幸い、アタックを担当していた松田は自力で下車することができたが、赤旗の原因のアクシデントとなったため、タイム抹消で予選は除外扱いとなった。
そして、Q1のアタックを巡っては、このハプニングが大きな影響を与えてしまう。というのも、赤旗中断を前にアタックラップを刻めたのは、No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)の1台のみ。再開後に残された時間は5分。100号車に加え、ウェイトハンディが重くQ1突破が難しいと判断したのか、No.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/ニック・キャシディ組)の計2台がピットに留まったが、残る12台が再度アタックに挑んだ。しかし、ワンチャンスによるアタック、かつ、一度熱を入れたタイヤで改めてアタックし直すという難しい状況だったこともあってか、タイムを伸ばせないチームも多かった。しかしながら、厳しい条件の中でもNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)を筆頭に、No.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)、No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)
、さらにNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)やNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)もタイムアップに成功。Q2へと駒を進めた。
続くQ2は午後3時31分にスタート。路面温度は若干下がり、コース上には強い風が吹き続ける中で、ひと足先に64号車の伊沢がアタックに向かった。各セクタータイムで全体ベストタイムを刻んでいく64号車。その直後からアタックモードに入った8号車の福住も好タイムを刻んでいくが、若干64号車には及ばない。だが最後のセクター4、シケインでタイムロスを喫した64号車に対し、8号車がうまくクリア。結果、8号車がトップタイムとなる1分44秒963をマーク! 64号車は0.091秒差で2番手に甘んじることとなった。ホンダNSX-GT勢がフロントロウを独占した今回。3番手には19号車が続き、その隣にはNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)が並び、翌日の決戦を迎える。
GT300クラスは、Q1・B組で赤旗が一旦提示されることになったが、A、B組から進出を果たした計16台でのQ2では、まず100kgのウェイトを搭載するNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がトップタイムをマークする。続いてNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮組)が2番手に浮上し、慌ただしくポジションが変動。そんな中、残り2分の時点でNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)がGT300のコースレコードに肉薄する1分55秒838のタイムでトップに躍り出る。96号車はQ1担当の新田がA組をトップタイムで通過。Q2では阪口がそのバトンをしっかり受け継ぐ形となり、自身初となるクラスポールポジションを掴み取った。
なお、61号車はトップから0.238秒差の2番手に。そして3番手には今季2度のポールポジション経験を持つNo. 6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組)が続くこととなった。
・第5戦富士 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1’44.963
2.No.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)1’45.054
3.No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)1’45.348
GT300
1.No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)1’55.838
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)1’56.076
3.No. 6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組)1’56.156