SUPER GT 2020 Round.4 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 国内イベント・レースレポート
  3. SUPER GT 2020
  4. Round.4

SUPER GT 2020 Round.4

2020年9月14日

KEIHIN NSX-GT、独走で今季2勝目を達成!


予選日は突然の降雨など不安定な天候が先行したSUPER GT第4戦もてぎ。決勝日は曇天模様ながら雨の心配はなく、近づく秋の訪れを感じながらの一戦となった。レースは、予選2番手スタートのNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が序盤から攻めの走りを貫徹。早々にトップを奪取すると、その後も力走を続け、トップチェッカー。第2戦富士同様に、独走でのシーズン2勝目を挙げている。
 

決勝レースのスタートは、午後1時。気温27度、路面温度34度と”レース日和”のコンディション下で63周に渡る戦いが幕を開けた。ポールポジションスタートを決めたNo.38 ZENT GR Supraがリードするが、その背後に17号車のベルトラン・バゲットが迫り、8周目のヘアピンで逆転に成功。38号車の立川がGT300に行く手を阻まれたスキを見事に突いた。だが、レースはすぐさま波乱の展開を迎える。
 

10周目のV字コーナーでGT300とGT500の車両が接触。これで挙動が乱れたGT300車両がコーナーをショートカットする形で横断。そこに運悪く居合わせたNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)に追突するアクシデントが発生する。レースはこれを受けてセーフティカーがコースイン。隊列を整えながらの走行となったが、この間にもGT300同士の車両が接触するなど、荒れた展開となった。
 

一旦マージンを失った17号車、しかし、リスタート後も38号車の猛追を抑え込み、トップを死守。20周目を終える頃には、2位に4.5秒の差をつける快走を見せた。そして迎えたルーティンのピットイン。すでに半数近くのライバルが先に作業を済ませてコースに復帰する中、17号車は25周終了時点でピットイン。2番手の38号車はさらに2周遅れでピットに戻り、なんとか2台の差を詰めようとしたが、コース復帰後もその差はさほど変わらず。攻防戦は後半へと引き継がれた。
 

トップの17号車を38号車が追い、3番手に続くのはNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組)。序盤こそ他のNSX-GT勢に遅れを取っていたが、安定した速さを武器に、ルーティンのピットインを前に早くも3番手まで浮上していた。一方、その後方では縦一列状態の攻防戦が激化。僅差で抜きつ抜かれつを繰り返す慌ただしい展開となった。中でも12位スタートだったNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)は4番手まで浮上する躍進を見せたが、GT300クラスを絡めての激しいポジション争いから次第に脱落。またしても上位入賞の好機を逃している。
 

トップ3台は安泰の走りになるかと思われたレースに再び異変が訪れたのは、後半の44周目。激しいポジション争いを展開していたNo.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)とNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/ニック・キャシディ組)が5コーナー入り口で接触。36号車のリアウィングなど、パーツの一部がコースに脱落、散乱したことで2回目のセーフティカーがコースインした。
 

これでまたしても各車のマージンが消滅する中、レースは残り18周で再開。しかし、17号車のスピードは依然として衰えることはなく、逆に38号車は追いかける余力に欠ける状況となり、このあとチェッカーへと向かう上位3台はそれぞれ”ひとり旅”となってしまった。結果、レースはこのままファイナルラップへと突入。最終的に17号車は2位38号車におよそ8秒という大差をつけてトップチェッカー。第2戦富士に続いての2勝目を挙げ、ランキングトップに踊り出ることとなった。38号車は優勝こそ逃したものの、今季初表彰台を獲得。また、16号車は武藤&笹原のコンビとして初表彰台を手にすることとなった。
 

一方、GT300クラスも序盤からポールポジションのNo.360 RUNUP RIVAUX
GT-R(青木孝行/柴田優作組)が理想のレース運びを披露。だが、ルーティンのピット作業を終えると、戦略でポジションアップを狙う”試合巧者”の車両が上位へと浮上。なんと、予選13番手スタートのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬
悟組)が暫定トップへと立った。65号車は比較的穏やかな路面温度を最大限利用し、タイヤ無交換を敢行。これまでも同様の戦略で戦いを制していることもあり、万全のレース運びで優勝を目指した。
 

一方、360号車も2番手を死守。セーフティカーのコースインで3番手との差を詰められながらも力走を見せていたが、残り4周の時点で突然のスローダウン。ガス欠が原因だったというが、あまりにもあっけない幕切れで戦いを終えることになった。これで2位に浮上したのがNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)。3位にはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が続き、タフな戦いを終えている。
 

・第3戦鈴鹿 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)2H03’20.756 63Laps
2.No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組) +7.796
3.No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組)+11.160
 

GT300
1.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)2H03’26.633 59Laps
2.No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)+2.272
3.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+5.633

 
GN_GT4_F_0913_PH1



2020年9月14日

SUPER GT第4戦もてぎ、ZENT GR Supraが2年ぶりのポール獲得!


早くも今シーズン第4戦を迎える2020年SUPER GTシリーズ。前半戦の締めくくりに位置する今大会の舞台は、栃木・ツインリンクもてぎ。残暑厳しい天候となれば、クルマやタイヤにもタフな戦いを強いられるところだが、今大会の予選日は不安定な天候が先行し、アタックのタイミングによってスタート順位に泣き笑いが生じる展開となった。そんな中、ポールポジションを獲得したのは、No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)。ベテラン立川が自身の持つポールポジション最多記録を24回へと更新するパフォーマンスを披露している。
 

ストップ&ゴーという特徴的なコースレイアウトを持つもてぎ。第3戦終了までに好成績を残しているチームにはしっかりとウェイトハンディが効いてくるだけに、苦戦が予想される。一方、序盤戦で結果を残せていないチームにとっては反撃のチャンスとなるだけに、是が非でも予選で上位に喰い込むことが重要だ。前日、落雷を含むゲリラ豪雨に見舞われたもてぎは、土曜日の朝もどんよりとした天気となり、いつ雨が降り出すのか、各チームは空をにらみながらの準備を進めることとなった。
 

午前中の公式練習は気温27度、路面温度30度のコンディションでスタート。まず、足元にはウエットタイヤが装着された。GT300、GT500両クラスの混走後は、クラスごとの専有走行となり、その中でトップタイムをマークしたのは、現時点で6kgのウェイトを搭載するNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)だった。
 

GT500クラスの午後3時11分にスタート。ひと足先にQ1を実施したGT300のセッションでは、ミストのような弱い雨が降ったり止んだりと不安定な空模様だったが、GT500クラスのセッション時には雨も止み、スリックタイヤでのアタックが可能となた。
 

全15台のうち、1台がウエットタイヤを選択してコースインしたが、その後はスリックへと置換。まず、朝の走行でトップタイムをマークした19号車がQ1でもトップに立って好調さをアピールする。一方、セッション終盤に1台の車両がコースアウト。このタイミングで自己ベストタイムを更新した車両がいたことで、Q2への進出車両に一部変更が生じた。一旦はQ1敗退となったものの、”敗者復活”を果たしたのは、No.38 ZENT GR Supra。Q1担当の石浦はコースアウト車両が止まっていた黄旗区間をきちんと減速して通過しており、結果的に”漁夫の利”を得た形となった。
 

迎えたQ2。開始を前にまたしても雨雲が到来し、濡れた路面に対してスリック/ウェットどちらのタイヤが適しているのか、選択を迫られる形でセッションが幕を開ける。Q2進出8台は全車スリックを装着してコースへ。だがアウトラップでウエットへの置換を決断した車両がアタックに向かわず、そのままピットへと帰還。ところが、38号車の立川だけがステイアウトし、計測1周を行う。だが、その立川も、その後ピットへと戻り、ウェットタイヤへと交換。ライバルたちがすでにアタックを開始する中、出遅れた形ながらワンラップアタックを完遂すべくアウトラップからハイペースで周回を始めた。
 

チェッカーまで残り2分を切り、各車次々と自己ベストタイムを更新。残り1分を切った時点でNo.17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大がトップタイムをマークしたが、チェッカーまで40秒弱のタイミングでストレートを通過した立川が1分43秒878を叩き出し、トップに浮上。その後、このタイムを上回るライバルはおらず、立川が通算24回目のポールポジション獲得を果たしている。なお、2番手には17号車が続き、3番手はNo. 8 ARTA NSX-GT。トップ3のうち2台をホンダNSX-GTが占める活躍を見せた。
 

GT300クラス予選は今回もQ1をA、Bの2組に分けて実施。各8台がQ2に進出した。Q1のA組では、ウェイトハンディ100kgと最重量のNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)がトップタイムをマーク。パフォーマンスの高さを印象付けた。逆にランキング暫定2位につけるNo. 2 シンティア・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)は、Q1のB組出走時に痛恨のコースアウト。赤旗の原因を作ったとして、アタックチャンスを失った。
 

霧雨の中、ウエットタイヤでのアタックとなったQ2。頻繁にトップタイムが入れ替わる中、不安定な路面を味方にして最速ラップをマークしたのは、No.360 RUNUP RIVAUX GT-Rの青木孝行。一旦暫定トップに立ったが、No.25 HOPPY Porscheの佐藤公哉が逆転。だが、再び青木がタイム更新に成功。自身2009年以来となるクラスポールの座を手にしている。
 

・第4戦もてぎ 予選結果 各クラストップ3

GT500
1.No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)1’43.878
2.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)1’44.079
3.No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1’45.153
 

GT300
1.No.360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作組)1’48.546
2.No.25 HOPPY Porsche(松井孝允/佐藤公哉組)1’49.448
3.No.31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組)1’50.065
 
GN_GT4_Q_0912_PH1



2020年9月10日

SUPER GT第4戦もてぎ プレビュー


シーズン折返しの一戦、真夏のもてぎはどんな展開に!?

 

7月中旬に今シーズンの戦いが開幕した2020年のSUPER GT。コロナ禍で慌ただしく、そして”ニューノーマル”のスタイルに沿ったレース開催が続く中、早いもので今大会でシーズン前半戦が終わることになる。その戦いの場所となるのは、栃木・ツインリンクもてぎ。従来、シリーズ戦の大団円の舞台つまり最終戦として開催されていたが、今シーズンは残暑厳しい9月、そして11月の2大会が予定されている。これまでと異なるドラマが待ち受けてそうな、もてぎの一戦は果たしてどんな展開となるのだろうか。
 

■Supra、NSX-GTそしてGT-R

今シーズンがデビューイヤーとなる新型車両を投入したトヨタ。GR Supraが表彰台にとどまらずトップ5を独占する形で開幕戦が終わったが、続く第2戦では同じサーキットでの開催ながらホンダNSX-GT勢が反撃の狼煙を上げ、予選でフロントロウを独占。決勝ではポールポジションスタートの車両がそのままチェッカーを受けて存在感を知らしめた。そして舞台を鈴鹿サーキットに移した第3戦では、ポールポジションこそ逃したものの、ついに日産GT-Rが復活の走りを披露。2年ぶりの勝利を飾っている。つまり、コロナ禍で開幕が大きく遅れた今シーズンは、3レースを終えて各メーカーがそれぞれ1勝を上げ、仲良く!? 勝ち星を分け合っている形だ。
 

そして迎える第4戦、シーズン前半の最後となる今大会の舞台はツインリンクもてぎ。ホンダのホームサーキットであることは言わずもがな。レースを重ねるごとに調子を上げてきているNSX-GT勢にとっては、開幕戦での”GR Supra祭”さながらに、もてぎでの一戦を”NSX-GT祭”にしたいと願っているに違いない。近年、もてぎ開催はシリーズ最終戦につき、チャンピオン争いが絡む難しい一戦であったこと、また、ストップ&ゴーのレイアウトが旧NSX-GTにとって決して相性の良いものではなかったことが重なり、なかなか好成績に繋がらなかった。しかし、新生NSX-GTはエンジン搭載位置がミッドシップからフロントシップへと”進化”。この変革がもてぎとの相性を一新させたとも言われており、これまでとは異なる結果が期待できるのではないだろうか。加えて今シーズンはコロナ禍でスケジュールが大幅に見直されたことから、9月中旬と11月上旬の2戦が開催される。シーズンに2度、もてぎでの決戦が行われることをなんとかアドバンテージにしたいところだろう。
 

もちろん、前回の鈴鹿戦で強さと速さを見せつけることに成功した日産GT-R勢にも存分にチャンスの芽はある。鈴鹿で優勝した23号車は、他のGT-Rよりも先んじて今季2基目のエンジンを投入。その成果が勝利だったことを考えれば、2番目の勝利を狙うGT-R勢もいて当然だ。天候によって足下のコンディションも左右されやすいこの時期ならではの”ハプニング”を含め、ワクワクするようなドラマが待ち受けているかもしれない。
 

もちろん、第2戦以降はライバルの躍進を見つつ、開幕戦以来の優勝を狙うGR Supra勢も忘れてはならない。実はもてぎとの相性が良く、今大会でもしたたかな戦略をもってレースに挑んでくるのは当然だろう。安定して好成績を残すため、”お約束”のウェイトハンディが課せられるため、徐々に車両が重くなる、あるいは燃料流量リストリクターの制約が課せられるなど、いわゆる”足かせ”付き車両も少なくないのだが、そのようなタフなコンディションの中でも粘り強くレースで賢く生き残り、気がつけば上位入賞を果たすというスゴ技をやってみせる。それが今シーズンのGR Supraの強さであるため、もてぎでも優勝争いに絡んでくる可能性は極めて高いと考えられる。
 

いずれにせよ、残暑ゆえのコンディションに左右されない、あるいは落ち着かない状況を味方につけたものが、このもてぎ戦の勝者となるだろう。
 

■混戦続くGT300

勝者の予測が難しいのが、今シーズンのGT300クラス。一方、初戦から好調な車両がその後も上位で戦いを続けているのも、今シーズンの特徴だと言える。しかし、レギュレーションの一部変更により、各大会でクラス優勝を果たした車両にはそのウェイトハンディとして60kgが加算されることになり、この”足かせ”がかなり厳しい条件となったため、さすがに4戦目を迎える今回は厳しい戦いを強いられるのではないだろうか。
 

となると、これまで速さがありながらも好成績を残せずにいたチームにとっては、絶好のチャンス。ここぞとばかり躍進することで、タイトル争いに加わる可能性がグンと高くなることだろう。
 

今大会も開幕戦以降続く無観客開催での一戦となるが、リモート観戦で”熱い”戦いを見守る一方、新たな勝者が誕生するかどうか、お楽しみいただきたい。
 

■主なスケジュール

2020スーパーGT第4戦 MOTEGI GT 300km RACE
 
9月12日(土
10:00〜11:25 公式練習(GT300+GT500)
11:25〜11:35 公式練習(GT300専有)
11:35〜11:45 公式練習(GT500専有)
14:30〜14:40 公式予選Q1 GT300 A組
14:48〜14:58 公式予選Q1 GT300 B組
15:03〜15:13 公式予選Q1 GT500
15:23〜15:33 公式予選Q2 GT300
15:41〜15:51 公式予選Q2 GT500
 

9月13日(日)
09:40〜10:00 SGTドライバートークショー
10:30〜10:50 ドライバーアピアランス
11:40〜12:00 ウォームアップ
12:00〜13:00 スタート進行
13:00〜   決勝 300km RACE(63周)





スポーツカーの中古車情報ならGTNET