SUPER GT 2020 Round.7 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2020 Round.7

2020年11月9日

SUPER GT第7戦もてぎ、ARTA NSX-GTが悲願の今季初勝利!


およそ1万6千人の観客が小春日和の中、激しい攻防戦を見守ることとなったSUPER GT第7戦もてぎ大会。前大会同様、レース折返しを前にコースインしたセーフティカーがまたしても様々なドラマを生み、見どころある展開を繰り広げる中で勝利を手にしたのは、No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)。今シーズン、ライバルよりも多くポールポジションを手にしてきた8号車が、ついに念願の今季初優勝を飾ることになった。
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7月中旬に幕を開けた今シーズンの戦いも、早いもので残るはこのもてぎ、そして富士の2戦のみ。課せられるハンディウェイトが半減する中、ストップ&ゴーの特殊なレイアウトをもつもてぎは、予選順位がレースのカギとなる場所でもある。それだけに、僅差で終わった予選結果をもとに、決勝がどのような展開を見せるのか注目が集まった。
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クリアスタートで幕が上がった決戦。これまで最終戦として開催されていたもてぎは今大会もほぼ同じ季節での戦いではあったが、決勝スタート時の気温は22度、路面温度は29度と従来よりも高めのコンディション。各車”タイヤにやさしい”走りを心がけ、ライバルとのバトルに挑むことになったはずだ。まず、今季2度目のポールスタートとなったNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)がレースを牽引。そこに予選2番手の8号車が肉薄。9周目終盤からテール・トゥ・ノーズとなり、10周目の1コーナー飛び込みでインから一気に逆転を果たし、トップを奪取した。すると間髪おかず、12周目には3番手スタートのNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)が64号車を逆転。予選とポジションを入れ替えた形ではあったが、NSX-GTの3台が目まぐるしいトップ争いを繰り広げた。
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トップ3台はしばらくすると各車およそ8秒前後まで差を広げ、徐々に”ひとり旅”状態に。だが、その後方ではペースの異なる車両同士が激しくバトルを展開。20周を過ぎると、3番手に予選6番手のNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)が浮上し、64号車をはさみ、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)、No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)、そして予選でまさかのQ1落ちとなったNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/山下健太組)までが数珠つなぎ状態で攻防戦になる。
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一方、レースはルーティンのドライバー交代が可能となる21周を過ぎ、早くも23周終了時点でトップ8号車がピットイン。すると、4番手にポジションを落としていた64号車もピットへと向かった。2台が作業を終えてコースに復帰するとほぼ同じタイミングで、セーフティカー(SC)導入が宣言される。これは、GT300クラスの1台がV字コーナーで停車していたため。車両回収のため、レースはこのあと29周目までコントロールされることになった。
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SCラン中、27周目にピットレーンがオープンすると、ルーティン作業を目指して上位陣が続々とピットへと帰還。一方、100号車だけが1周遅れる形で作業に取り掛かった。レースは29周目に再開。SCとは無縁でドライバー交代を済ませていた8号車、さらに64号車がトップ2を形成することとなり、100号車は3番手をキープできたものの、トップ2台との差は1分以上という大差になってしまった。
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レースは折返しを過ぎてなおトップ3の動きは変わらず、4番手にはNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組)が浮上。さらに予選10番手だったNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が、前方のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)を48周目の2コーナーで逆転し、ついに5台のNSX-GTがトップ5を独占するという驚きの様相となる。逆に23号車はこれを境に背後にいた37号車にまで逆転を許してしまう。
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終盤を迎える中、トップ5台の動きはほぼ膠着状態。そこに37号車が6位の座をがっちりキープしていたが、その後方では23号車が、なおもNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)、38号車に追い立てられることに。だが、タイトル争いへの意地を見せ、ポジションを死守して7位で戦いを終えた。
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ホンダがトップ5独占での戦いとなった今大会。覇者である8号車は今シーズン3度のポールポジションを手にしながらも、これまでの表彰台は第5戦富士での3位に留まっていた。8号車はようやく悲願のシーズン初勝利を達成したことに加え、今季GT500へとステップアップを果たした福住にとっても自身初となるGT500クラスでのうれしい初勝利になった。
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GT300クラスは今シーズン初のポールポジションを手にしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がクリアスタートを決め、順調に周回を重ねていく。一方、早い周回からGT500クラスとの混走がはじまり、狭いコース上は大渋滞。これを機に、あちこちで激しいポジション争いが繰り広げられることになった。
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そんな中、SCランのレースコントロールが入ったが、やはり今回もそのハプニングを味方にできなかったのが、トップの61号車。結果的に、早めにピットインを済ませていたNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)やNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)に追い風が吹き、全車がルーティンのピット作業を終えた時点で4号車がクラストップに立ち、これを56号車が僅差で追いかける展開へと変わっていた。
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トップ2台は壮絶なバトルを繰り広げる中、3番手まで浮上していたNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/松浦孝亮組)だったが、SCラン中に行ったピット作業で違反があり、ペナルティが課せられてポジションダウンを強いられた。レース終盤は、逃げる56号車に対し、4号車は最後までプレッシャーをかけて攻防戦に持ち込もうとしたが、時既に遅し。このまま56号車が今シーズン2勝目を手にしている。4号車に続いて、3位を獲得したのはNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也組)。激しい4位争いを展開していた61号車とNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)が5コーナーで接触。61号車はスピンしてポジションダウン。その混乱を味方に4番手となった360号車は、その勢いのまま前を走るNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)を捉えて逆転に成功。うれしい今シーズン初の表彰台に上がることとなった。
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・第7戦もてぎ 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1:56’02.055
2.No.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)+46’238
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) +24.392
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GT300
1.No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)1:57’12.745 60Laps
2.No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)+1.060
3.No.360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/田中 篤組)1Lap
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2020年11月9日

SUPER GT第7戦もてぎ、Modulo NSX-GTが今季2度目のポールを獲得


今シーズンも残り2戦となったSUPER GT。第7戦の戦いは、栃木・ツインリンクもてぎがその舞台となる。曇り空が広がる中でも比較的気温が高く、穏やかな日差しに恵まれたサーキットでは、佳境に入ったタイトル争いをめぐり、予選から激しいポジション争いが繰り広げられた。その中で、トップタイムをマークしたのはNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)。ホンダのお膝元であるもてぎで、今季2度目のポールポジションを手にしている。
 

午前9時5分から始まった公式練習。スタート時こそ気温12度、路面温度14度であったが、およそ2時間後のセッション終了時には気温18度、路面温度23度まで上昇。もてぎGT戦としては初の有観客開催となっただけに、ファンにとってはなによりの観戦日和となったはずだ。
 

公式練習でトップタイムをマークしたのは、No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)。前回もてぎ戦でポールを手にしながらも、決勝で2位に甘んじているだけに、予選での活躍に注目が集まった。そんな中、シリーズタイトルでランキングトップのNo.14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井 翔組)が3番手タイムをマーク。さらに同2位のNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/山下健太組)も5番手のつけるなど、好調さをアピール。なお、37号車はここまで平川とコンビを組んできたニック・キャシディが、残り2戦の欠場を発表。キャシディはFIA フォーミュラEの20-21年シリーズへ参戦が決まっており、その準備等でSUPER GTへの出場が難しいということから、チャンピオン争い中のチームとしては苦渋の決断を迫られたようだ。
 

GT500クラスの公式予選は午後2時3分にスタート。Q1からNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)が好調の走りを見せ、まず、GT500”1年生”の大津がトップタイムをマークした。これに続いたのは、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)、No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) 、そしてNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)ら。日産勢でトップにつけたのは、5番手のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)だった。
 

Q2に入っても、その勢いが止まらなかったのは64号車。担当の伊沢も快走を見せ、2番手に0.453秒という大差をつけて文句なしのトップへ。伊沢自身、第3戦鈴鹿以来となる今シーズン2度目のポールポジションを掴み取った。2番手に続いたのは今シーズン計3度のポールを獲得しているNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)。3番手は、公式練習時にマシントラブルでほとんど走行が叶わなかったNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) がその悔しさをバネにしたように大躍進し、ホンダ勢がトップ3を独占する結果となった。
 

GT300クラスでも、欠場によるドライバー変更が見られた。No.55 ARTA NSX GT3は、先のスーパー耐久レースで負傷して出場が厳しくなった高木真一に代わり、今シーズン、FIA F2選手権に参戦していた松下信治が参戦。自身初となるSUPER GTの戦いに加わり、大湯都史樹とコンビを組むことになった。
 

公式練習でトップタイムを刻んだのは、No.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)。No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が安定した速さで続き、今シーズン初のポールポジションを狙える位置につけた。一方、ノックアウト予選Q1は、今シーズン開幕から継続されているA、B2組に分けて実施。各組上位8台、計16台がQ2に進出した。Q2では、残り1分を切った時点で自己ベストタイムを更新するクルマが続出。結果として、朝の公式練習から常に上位での走りを見せていた各車が僅差でのポジション争いを展開することとなり、その中から頭ひとつ飛び出した61号車がトップタイムをマーク。ようやくシーズン終盤で今季初となるクラスポールポジションを獲得することとなった。一方、2番手へとジャンプアップを果たしたのがNo.244 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組)。前回の鈴鹿は公式練習中に車両をクラッシュさせ、予選、決勝への出場が叶わなかっただけに、うれしい結果となった(※ただし、224号車は車両交換を行っているため、決勝では15秒のペナルティストップが課せられる)。3番手には、シリーズランキング2番手の11号車。ランキングトップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)は20位スタートだけに、11号車には願ってもないチャンス到来となっている。
 

・第7戦もてぎ 予選結果 各クラストップ3

GT500
1.No.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)1’36.140
2.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1’36.593
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) 1’36.779
 

GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)1’46.200
2.No.244 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組)1’46.430
3.No.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)1’46.433
 
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2020年11月5日

SUPER GT第7戦もてぎ プレビュー


コロナ禍でシーズン開幕が大幅に遅れた今シーズンのSUPER GT。だが、早いもので今週末の戦いでセミファイナルラウンドを迎えることとなる。その舞台は栃木・ツインリンクもてぎ。例年、シリーズ最終戦の舞台として多くのドラマが生まれた場所は、今年、タイトル争い残留をかけた一戦の場へと変わる。明暗分かれるレースが秋深まるもてぎで繰り広げられることになる。
 

■鈴鹿では多くの”泣き笑い”。シリーズ争いに変化

激化するシリーズ争いの中、前回の鈴鹿大会で各チームを一番悩ませたのが、ハンディとして搭載される最重量のウェイト、そして併用される燃料流量リストリクターの規制だった。結果、ポイントランキング上位陣は予選下位に沈み、比較的ウェイトが軽いチームが上位のグリッドからスタートを切る形となった。とはいえ、レースともなると様々な要因が加味され、さらに鈴鹿戦ではレース中のハプニングやアクシデントが展開に大きな影響を与えることになったのは、記憶に新しい。
 

まず暫定ランキングトップのNo.14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井 翔組)。定められているドライバーの最低規定周回数より1周早くピットインしたことで、あとから再度ピットインを強いられた。結果、ポイント獲得のチャンスを喪失する。さらに同2位のNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/ニック・キャシディ組)は、ルーティンのピット作業を行うべくピットロードを走行中、前方のNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) に追突。事実上、100号車を戦線離脱へと追いやり、また37号車自身もエンジンへのダメージを考慮し、レースをリタイヤした。
 

そんな中、劇的なレースを見せたのがNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。予選Q1でアタックした松田が大クラッシュ。スタッフによる必死の修復によってレースをスタートさせると、レース中盤を前に発生したGT300車両のクラッシュのタイミングを好機にルーティンのピットインを敢行。この後、セーフティカーが導入されることになり、なんと暫定トップでコースに復帰を果たすという、”ニスモ・マジック”を演出した。まさかのトップ奪取には負けられない、とそれまで上位争いをしていたライバル勢も怒涛の追い上げを見せるが、松田の巧みな防御には敵わない。結果、”テール・トゥ・フィニッシュ”というまさかの大勝利を掴み取った。この衝撃の優勝で、今シーズン2勝となった23号車は、ランキング争いでも9位から3位へとジャンプアップ。14号車のランキングトップは不動ながら、同4位につけるNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)までのポイント差はわずか2点という激戦へと様相が変わっている。
 

■今シーズン2度目のもてぎに向けて

セミファイナル戦を迎える今大会。規定上の変化が一番大きなポイントになると考えられる。これまでの間、戦績によって大きな影響を占めていたウェイトハンディが見直されるからだ。第6戦までは獲得ポイント×2kg換算による当該ウェイトと燃料流量リストリクター制限の併用であったが、もてぎでは、ウェイトハンディがこれまでの半分、つまりポイント×1kgでの換算となる。これにより、ランキングトップの14号車で搭載ウェイトが47kgまで軽減されるため、各車これまでと異なるパフォーマンスを披露することになるだろう。とはいえ、もてぎはストップ&ゴーという特殊なレイアウトを持つサーキット。クルマのセットアップはもちろんのこと、気温、路面温度が低くなる気候を考慮した正しいタイヤ選択を行った上で、予選での上位獲得が必勝条件ともなる。
 

車種別に見ると、序盤で好成績ラッシュが続いたトヨタ GR Supra勢は、ウェイトが軽くなったことでどのような”復調”を見せるかが気になるところ。ランキングでも複数のGT Supraが名を連ねているだけに、Supra同士の戦いも見どころになるやもしれない。なお、クルマこそ違うが、昨シーズン最終戦のもてぎではLEXUS LC500が上位4台を締める結果を残していることも要注意だ。なお、37号車はニック・キャシディに代わり、今シーズンは世界耐久選手権に参戦していた山下健太がもてぎと最終戦で37号車をドライブすることがすでにチームからアナウンスされている。キャシディはフォーミュラEの20-21年シーズンに参戦が決定しており、その準備のため欠場を決めたということだ。そして、前回第4戦もてぎでの勝者といえば、ホンダNSX-GT。ホンダのお膝元でフロントエンジンとして初勝利を飾った縁起のいい場所。今回はいっそう力が入るはず。ホンダ勢としてランキング最上位の17号車はもとより、出身地が近いNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)の山本、No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)の野尻も、今季初の勝利を念頭に戦いへと臨むことだろう。そして、じわりじわりと本領発揮を見せているのが、日産GT-R勢。シーズン2勝を果たした23号車を筆頭に、先の鈴鹿で今季初表彰台を獲得したNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)には悲願の1勝をかけ、戦いに挑んでくるに違いない。
 

■波乱は起きるか!? より激化するGT300クラス

毎戦、様々なドラマを見せるのはGT500クラスに限ったことでなく、今年はGT300クラスも意表を突く展開が多く見られている。そんな中、残念なニュースをお伝えしなければならない。暫定ランキング3位につけるNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)の高木がスーパー耐久参戦中に追った怪我で戦いを欠場することになった。まだ正式決定ではないが、高木に代わってステアリングを握るのは、20年途中までFIA-F2に参戦していた松下信治。スーパーフォーミュラ参戦ではおなじみの松下選手だが、SUPER GT出場は初となるだけに、その活躍にも注目が集まることだろう。
 

現時点でランキングトップはNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)。タイヤ無交換作戦など、”試合巧者”のイメージが強い65号車。2018年は最終戦もてぎで勝利し、逆転でシリーズクラスタイトルを手にしているだけでなく、つねにもてぎでは好成績を残しており、相性の良さは半端ない。なお、今シーズンも第4戦で優勝。ここまでくれば、チームとしてもシーズン2勝目を目標にしているに違いない。
 

あえて気になるのは、今季からGT300クラスのウェイトハンディが見直されれている点か。第6戦まで獲得ポイント×3kgのハンディだったが、このもてぎではポイント×1.5kgとなる。ライバル達に比べ、15kg以上重いウェイトをもてぎで搭載することが、どう影響を与えるのか。予選ポジションも決勝に向けてのキーポイントとなるだけに、チームとしての戦略がモノを言いそうだ。
 

今シーズンのGT300クラスは、例年以上に実力拮抗のレース展開になることが多い。その中で、速さはあるがレースでその力を存分に発揮できず、戦績を残せていないチーム…No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)やNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)、さらに前回コースアウトを喫したNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)らの逆襲も気になるところだ。
 

■主なスケジュール

FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE
 

11月7日(土)
09:15〜10:30 公式練習(GT300+GT500)
10:30〜10:40 公式練習(GT300専有)
10:40〜10:50 公式練習(GT500専有)
13:30〜13:40 公式予選Q1 GT300 A組
13:48〜13:58 公式予選Q1 GT300 B組
14:03〜14:13 公式予選Q1 GT500
14:23〜14:33 公式予選Q2 GT300
14:41〜14:51 公式予選Q2 GT500

11月8日(日)
09:50〜10:10 SGTドライバートークショー
10:50〜11:10 ドライバーアピアランス
11:40〜12:00 ウォームアップ
12:00〜13:00 スタート進行
13:00〜 決勝 300km RACE(63周)





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