SUPER GT 2020 Round.2
SUPER GT第2戦富士 プレビュー
富士連戦のGT。スープラの独走は続くか?
先月、待望のシーズンインを果たした2020年SUPER GTシリーズ。それからわずか3週間というインターバルで迎える第2戦は、開幕戦同様、静岡・富士スピードウェイを舞台とする。前回、デビューしたばかりのGR Supraが速さ、強さを遺憾なく発揮し、ライバル達を置き去りにする形で優勝。またトップ5を独占するという圧巻のパフォーマンスを披露した。短期間で迎える第2戦でもその強さが続くのか、それともライバル勢がリベンジを見せるのか。渾身の戦いが待ち構えている。
■泣く子も黙る!? GT Supraのパオ−マンス力
公式テストではNSX-GT勢も好タイムをマークし、ミッドシップからFRへと変更されたニューマシンのポテンシャルの高さをアピール。これまで課せられてきたハンディウェイトの”呪縛”からも解放されたことも含め、開幕戦からそのパフォーマンスを見せつけるのでは、という見方がある一方、そのNSX-GTをリリースしたホンダ陣営が警戒していたのがトヨタ陣営が送り出したGR Supraだった。
ワンデーレースでの開幕戦は、午前中に予選が行われ、その勢いのまま午後からの決勝を迎えたため、慌ただしいスケジュールを味方につけることも必要であったが、その前に金曜日からの天候の変化が大聞く、急激に暑さが厳しくなったことも影響したのか、タイヤパフォーマンスがレース結果として反映したいたようにも思われる。NSX-GT勢は予選でしっかりと速さをアピール。0.115秒差でポールポジションを37号車のGR-Supraに譲ったものの、8号車がフロントローをもぎ取った。また100号車も予選4番手につけ、がっぷり四つの態勢でスタートを迎えることになった。
レース自体、早々にセーフティカーが導入される展開になったものの、混戦をしぶとく戦いながらGR Supra勢との攻防戦を繰り広げていたNSX−GT勢がじわりじわりと後退し始めたのは、レース中盤以降。高い路気温が続き、2度目のセーフティカーランが解除されると、GR Supra勢とのスピードに差が見え始める。シンプルに言えば、粘りの走りを見せられなくなったのだ。後方から攻め立てるライバルに太刀打ちできずポジションを明け渡す…。そういうシーンが幾度となく現れ、気付くとGR Supra勢がトップ5を独占していた。この結果から、GR Supra勢が優位であるという結論に至るのは時期尚早だろうが、今シーズンはコロナ禍によって開催サーキットが富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、そしてツインリンクもてぎに限定される上、全8戦中開幕戦を含む全4戦が富士での実施ということを考えれば、ライバル達は”STOP GR Supra”を掲げ、より一層の準備をしなければならないことだけは明白と言えるだろう。
一方、各チームにとって喜ばしかったこともある。それは実戦でのデータを確実に入手できたという点だ。シーズンオフの間に存分なテストが行われず、走行データが取れなかっただけに、66周のレースを実施したことにより、クルマのセットアップはもとより、装着タイヤのコンディションを十分に理解できたはず。短いインターバルはどのチーム、ドライバー、エンジニアにとっても同条件。その中でライバルよりもいいクルマを準備しようと意気込んでいるに違いない。
■梅雨明けの中、文字通りの”熱い”戦いに期待
今年の梅雨は不安定な天気が続き、日本各地でも豪雨の被害が見られた。開幕戦もレースウィーク中に天候が大きく変わったが、静岡もすでに梅雨明けを済ませており、第2戦は”暑い”中での”熱い”戦いが繰り広げられるのではないだろうか。レースもワンデーから予選を土曜日に、そして決勝を日曜日に実施する従来のレーススケジュールが復活。着実にアプローチできることにより、チーム力の高さが結果にいい形で反映するやもしれない。開幕戦に続いての富士戦、しかも300kmであることにも変わりはない。相手の手の内を垣間見た開幕戦からどのような戦法でライバルを迎え撃つのか。リベンジを兼ねた各チームの戦法にも見どころがありそうだ。
なお、GT300クラスは開幕戦同様、予選を2クラスに区分して実施。さらに今回、決勝ではドライバー交代時にタイヤ4本の交代を義務付けることが決まった。開幕戦では、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがタイヤ無交換を敢行し、クラス初優勝、さらにSupraデビューウィンに貢献したことが記憶に新しいが、第2戦ではこのようなダイナミックな戦法が見られないことになる。
GT300クラスにおける戦略のひとつ、タイヤ無交換作戦。参加車両の個性が大きく異なる分、強みがそれぞれ異なるGT300ならではの見どころのひとつなのだが、開幕戦では多数の車両においてタイヤトラブルが発生。高リスクをもって戦いに挑んでいるのでは、という見解があっても不思議ではない状況であったことも事実だ。結果、より安全を優先するという姿勢を取り、第2戦ではタイヤ交換を義務付ける方向に落ち着いた。チームの戦略としてタイヤ無交換に取り組んできたチームにとっては”大きな誤算”になってしまうが、これを逆手にとり、意表を突く戦略で”魅せる”チームが出てくるやもしれない。これぞGTレースの醍醐味、という展開になることを期待したい。
従来の2デイで実施される第2戦。残念ながら開幕戦に引き続いての無観客試合となり、観戦はリモートに限られる。なお、スタートは従来よりも1時間早まり、午後1時スタートの予定。66周のバトルに、今回はどんな筋書きが待っているのだろうか。
2020スーパーGT第2戦たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE
8月8日(土)
09:45〜11:15 公式練習
11:15〜11:25 公式練習(GT300専有)
11:25〜11:35 公式練習(GT500専有)
14:30〜14:40 公式予選Q1 GT300 A組
14:48〜14:58 公式予選Q1 GT300 B組
15:03〜15:13 公式予選Q1 GT500
15:23〜15:33 公式予選Q2 GT300
15:41〜15:51 公式予選Q2 GT500
8月9日(日)
09:50〜10:10 SGTドライバートークショー
10:30〜10:50 ドライバーアピアランス
11:40〜12:00 ウォームアップ
12:00〜13:00 スタート進行
13:00〜スーパーGT第1戦たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE(66周)