SUPER GT 2020 Round.2
SUPER GT第2戦富士、KEIHIN NSX-GTが初優勝!
レースウィークを通して薄曇りながら蒸し暑い天気となった静岡・富士スピードウェイ。気温29度、路面温度42度の中で行われた66周の戦いは、予選2位からスタートしたNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が逃げ切りの戦法を成就させ、ライバルを寄せ付けない独走で優勝を達成。それは、今シーズンにデビューした”進化版”NSX-GTによる初勝利でもあった。
開幕戦からわずか3週間。初戦はGR Supra勢が決勝でトップ5を独占したが、第2戦は初戦の結果で負うことになったハンディウェイトが影響したか、NSX-GTの2台が予選でフロントローを独占した。ポールポジションの8号車は今季GT500へステップアップしたルーキー福住仁嶺がスタートを担当。スタート長後から背後に迫りくる17号車のバゲットを相手にハードな攻防戦をしのぎつつ周回を重ねていく。だが、15周目のコカ・コーラコーナーで17号車が逆転に成功。前が開けた17号車はペースアップし、後続との差を一気に広げていった。
24周目にGT500としては最初となるピットインを38号車が実施。これを機に、少しずつタイミングをずらしながら各車がルーティンワークを行い、17号車も30周終了の時点でピットイン。塚越へとバトンをつないだ。一方、トップ奪還を狙う8号車はピットインを先延ばしし、35周終わりで野尻へと交代した。コースに復帰したばかりの8号車にすぐさま襲いかかったのは17号車。フレッシュタイヤで挙動が安定しないクルマに苦戦する8号車はダンロップコーナー立ち上がりでまさかのテールスライド。態勢を崩してそのままアウト側へスピンオフした。さらにリアタイヤが空転する状態で車両がストップしたことで、コース復帰を果たしたときにはすでに1周遅れという無情な結果となってしまった。
改めてトップに立った17号車はその後もペースを緩めることなく周回を重ねていく。一方、2位にはNo. 36 au TOM’S GR Supraが浮上。開幕戦2位による30kgのハンディウェイトをものともせず、予選6番手から安定感あるレース運びで着実にポジションアップを果たす。さらにその後方では、GT-R勢予選最高位スタートのNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが3番手で奮闘していたが、背後にNo.14 WAKO’S 4CR GR SupraそしてNo.37 KeePer TOM’S GR Supraが迫り、混戦模様に。だが、42周目のダンロップコーナーでSupra2台がGT-Rを攻略。ポジションをふたつ下げてしまった。
トップの17号車は後続に15秒を超えるマージンを作り上げると、そのままチェッカー一直線。ミッドシップからFRへと変わった”新星”NSX-GTでの初勝利を達成した。なお、今回の勝利は17号車にとって2年ぶりとなる。2位には36号車が続き、開幕から2戦連続の2位を獲得。暫定ランキングでトップに立っている。3位には予選8位スタートの14号車が入り、表彰台の残り2席をSupra勢が手にした。さらに4位も開幕戦勝者の37号車が続き、トップ4の3台がSupraという結果になっている。
一方、GT300クラスは、予選3番手スタートのNo. 2 シンティア・アップル・ロータスが安定感を武器にした走りが光った。レース序盤はクラスポールのNo. 6 ADVICS muta MC86、予選4番手のNo. 61 SUBARU BRZ R&D SPORTと三つ巴のトップ争いを展開、その中でまず61号車が頭ひとつ抜け出した。だが、2号車はその背後に着かず離れずの距離をキープ、レース3分の1が過ぎて各車がルーティンのピットインを始めるのを尻目に周回を重ねた。暫定トップの61号車が26周終わりでピットイン。一方の2号車は30周終わりで作業を行い、61号車の前でコースに復帰した。後方から追い上げる61号車だったが、ピットインからコース復帰後のアウトラップまでの一連の時間を最小限にとどめた2号車は、61号車とのマージンをしっかり確保。レース終盤になると、トップ2台の差は4秒超から3秒を切ったが、GT300、500両クラスでシリーズチャンピオン経験のある柳田は冷静な走りで後続をシャットアウト。トップチェッカーを受け、チームとそのドライバーを長らく務める加藤にとっては10年ぶり、また柳田にとってはGT500クラスで参戦した2016年以来となる優勝を果たすことになった。2位の61号車に続き、3位のチェッカーを受けたのはNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)。ともに今季初表彰台に上がっている。
第2戦富士 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)1H41’37.698 66Laps
2.No. 36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)+15.762
3.No.14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組)+33.686
GT300
1.No. 2 シンティア・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)1H42’56.201
2.No. 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+1.585
3.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)+14.454