スーパーフォーミュラ2019 Round.6
第6戦岡山国際サーキット プレビュー
セミファイナル戦、リードを奪うのは誰!?
厳しかった残暑からもすっかり解放され、気がつけばもう9月下旬。前回第5戦からもおよそ1ヶ月半が経った今週末、いよいよ全日本スーパーフォーミュラ第6戦が、岡山・岡山国際サーキットでの一戦が幕を開ける。爽やかな秋空の下でバトルを見たいところだが、チャンピオン争いだけでなくあいにく天候の行方も気になるところ。願わくば、ドライコンディションでの激戦を見届けたいが、いかなる状況でも、タイトルを巡る戦いはより一層ヒートアップするのは言うまでもない。
■ランキング争いは僅差に
今シーズン、開幕の鈴鹿を制したのは、No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)。今シーズン、チーム移籍を果たしたキャシディはSUPER GTでもタッグを組むTEAM TOM’Sとのコミュニケーションをフル活用し、厳しいレースを戦い続け、シリーズ争いをリードしている。その表れは、獲得ポイントを見てもわかる。開幕戦から第5戦まで、ただひとり、すべての戦いで入賞を果たし、ポイントを着実に積み上げているのだ。SUPER GTと違って、スーパーフォーミュラはウェイトハンデなど皆無。毎戦毎戦がガチバトルであるため、誰よりも1ポイントでも多く獲得することが、チャンピオン獲得のためのセオリーとなる。キャシディはそれを実行し、苦しい戦いになってもポイントを掴み取る戦いを続けてきた。たかが1点、されど1点というレースを争う中での”怖さ”を考えれば、内容の濃いシーズンを過ごしていることがわかる。
一方、ランキング2番手につけるのは、ディフェンディングチャンピオンのNo. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。こちらも昨シーズン、タイトルを獲得後、心機一転でチーム移籍を果たす中、第3戦SUGOでシーズン初優勝。開幕、第2戦と連続2位入賞を果たし、第2戦からランキングトップのまま第5戦もてぎの戦いを迎えていた。だが、そのひとつ前の第4戦オートポリス、そして第5戦とノーポイントでレースを終了。思わぬ結末となり、キャシディにランキングトップの座も奪取されてしまった。とはいえ、その差はわずか1ポイント。残る2戦の結果次第で存分に逆転の可能性もあり得る。それだけに、このふたりが激しい戦いを繰り広げるのはもちろんだが、ライバル達もただそれを黙って見ているはずはない。なにしろ、今シーズンは全レースにおいて覇者が異なるからだ。展開次第で今季初ウィナーになるチャンスが多くのドライバーにあると考えれば、今大会もより盛り上がりを見せるだろう。
■岡山のコースを味方につけるが勝ち!?
他のサーキットと比べても全長が短い岡山のコース。ユニークなコースレイアウトによってセットアップが難しいという声も聞く。また、抜きどころも決して多くはない。となると、まず予選で好位置を手に入れることが、今大会の重要ポイントになると言っていい。そして、今シーズン、多くのドライバーから聞くのはQ1突破の難しさだ。ミディアムタイヤでのアタックが義務付けられているスーパーフォーミュラだが、このミディアムタイヤをうまく走らせられるかが、大きなポイントとなり、決勝に向けての流れを左右することになる。ミディアムタイヤを味方につけ、そしてコース上でのトラフィックをうまく回避し、Q2へと進出できれば、もうあとは存分なアタックを行うのみだ。
幸い、今シーズンはQ1でのクラス分けが実施される。全20台を2グループに分け、各10台ずつの出走になるのはドライバーには朗報となる。だが、その一方で走行時間は通常の20分から半分の10分に短縮される。与えられた時間では途中にピットインしてセッティングの変更を行う時間など皆無といえるため、一発勝負でアタックに挑むことが求められる。張り詰めた空気を感じる中、ドライバーたちはそのプレッシャーを跳ね除けてアタックに挑むことになる。
チャンピオンを意識するドライバー、勝てそうで勝てずにいるドライバー……、それぞれ目指す”高み”を目指して戦う岡山大会。今シーズンのセミファイナル戦は、いつも以上にシビアな決戦になりそうだ。
■主なタイムスケジュール
・9月28日(土)
09:20 – 10:20 フリー走行
11:05 – 11:50 ピットウォーク
14:25 – 公式予選(ノックアウト方式)
14:25 – 14:35 Q1_A組(10台→6台)
14:45 – 14:55 Q1_B組(10台→6台)
15:05 – 15:12 Q2(12台→8台)
15:22 – 15:29 Q3
17:20 – 17:55 キッズピットウォーク
・9月29日(日)
09:05 – 09:35 フリー走行
12:20 – 13:10 ピットウォーク
15:05 – 決勝(68Laps)