スーパーフォーミュラ2019 Round.5
SUPER FORMULA第5戦ツインリンクもてぎ プレビュー
いよいよ後半戦、混戦必至の戦いに!
梅雨明け後はうだるような厳しい暑さが席巻する日本列島。そこに超大型の台風10号がかなりのスロースピードで北上を続けている中で迎えるのが、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦。週末の天気の行方はこの台風の影響を受けて激しい風雨となる可能性もあるが、現時点で予測するのは難しい。とはいえ、戦いの舞台となる栃木・ツインリンクもてぎでの一戦は、そろそろ終盤となる夏休みのさなかに行われる決戦だけに、夏らしいコンディションの下でより盛り上がってもらいたいものだ。
■今季2勝目を挙げるのは誰?
前回、富士戦のプレビューでも記したが、激戦続きの今シーズンは第4戦を終えたにも関わらずまだ2勝目を挙げるドライバーが現れていない。開幕戦から第3戦までは優勝経験のあるドライバーが戦いを制してきたが、前回の富士戦ではルーキードライバーがついに初優勝を果たしている。予選を含め、”速さ”という角度から見れば、ニューシャシーSF19の登場により、ニュースペックが用意されたタイヤはじめ、様々な条件が変わっていることもあってか、毎回ドライバーたちによる戦いはより混沌としたものとなっている。その結果、ルーキーがポールポジションを手にする可能性も高くなった。だがしかし、ピット作業を含む戦略によって成り立つ決勝の高度な組み立てを考慮すれば、スーパーフォーミュラが速さや勢いだけで優勝できるものでないことも明らか。そこで各チームは、速いクルマをいかに扱うか、そしてどのような戦略でライバルたちに先んじるかを全精力を注いで挑んでいる。
ストップ&ゴーというユニークなコースレイアウトはもてぎならでは。当然ブレーキには負荷がかかりやすく、またこの酷暑となればさらに条件が厳しくなるのは言うまでもない。さらに抜きどころが少ないため、コース上での接戦で無駄にタイヤやブレーキを使わないためにも、やはり重要となってくるのが予選で好位置を確保することになるだろう。ところで、このもてぎはSF19になってから初走行となるサーキット。完成度の高いレースウィークを構築するために、まずは金曜日の専有走行でクルマをしっかりと作り上げることが必須となる。
とはいえ、走行はわずか1時間。できうるメニューには正直限度がある。これまでの実戦データをもとに準備した持ち込みのセットアップがどこまでもてぎに見合うものなのかどうかで、その後の作業にも影響は出ても不思議ではない。この専有走行で様々なメニューに着手できるのであれば、予選、そして決勝を想定した確認事項を進めていくだけだが、それでもなお天候等のコンディションを意識した微調整が必要となる。仮に走り出しでつまづいてしまうと、準備する戦略の幅を広げるのが難しくなるだけに各チームは万全の準備をもってもてぎに乗り込んでくると思われる。
■SF19ならではの決戦に注目
SF19の登場に合わせ、今シーズンはタイヤスペックも新たなものが用意された。中でも開幕戦以降、高いパフォーマンスを見せるのがソフトタイヤだ。ドライコンディションの場合、サーキットのコースレコードを更新するケースも多く、今大会でもドライでのタイムアタックが実現すれば最速タイムをマークする可能性も存分にある。またこのソフトタイヤはミディアムタイヤよりもSF19との相性に優れることから、ソフトタイヤをいかに用いてレースを組み立てるかが戦略のカギを握ることにもなる。
なお、決勝レースではタイヤ交換の義務付けが伴う。そして装着するタイヤはミディアムとソフトの双方を使わなければならない。それぞれのタイヤをどの程度使用するのか、またどのタイミングでピットインして交換するのかなど、各チームによってというよりも、むしろ予選で手にしたポジションによってその作戦が異なってくると考えられる。予選順位による作戦の違いを比較するのも、観戦の楽しみのひとつになることだろう。また、もてぎならではの戦略が見られる可能性も高い。さて、どのドライバーがさまざまな条件を味方につけてトップチェッカーを受けるのか。できれば台風一過の空の下、暑さを上回る”熱戦”を繰り広げてもらいたい。
■主なタイムスケジュール
・8月17日(土)
09:40 – 10:40 フリー走行
10:50 – 11:35 ピットウォーク
14:30 – 公式予選(ノックアウト方式)
14:30 – 14:50 Q1(20台→12台)
15:00 – 15:07 Q2(12台→ 8台)
15:17 – 15:24 Q3
17:00 – 17:30 キッズピットウォーク
・8月18日(日)
10:00 – 10:30 フリー走行
10:45 – 11:30 ピットウォーク
14:15 – 決勝(52Laps)