第6戦を迎えた今シーズンのSUPER GT。今回の舞台、三重・鈴鹿サーキットでの一戦は、シリーズ最長の1000kmを競う「INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」。長距離レースならではの駆け引きの難しさが戦いの行方を左右するのは言うまでもない。そんな中、強い日差しが照りつけた予選日で、最速ラップをマークしたのは、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ組)。かつてドライバーとしてシリーズを制した道上龍が監督として手にした初めてのGT500クラスポールポジションとなった。
8月27日に行われた予選。朝は薄曇りだったため、午前9時20分からの公式練習は、予想していたよりも低い気温、路面温度のコンディションでスタートを切った。
このセッションでトップタイムをマークしたのは、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT。シーズン中盤を過ぎるとハンディウェイトが気になるところではあるが、15号車は今回8kgとライバルよりはるかに軽いウェイトを味方にして理想的にセッション中の作業を進め、予選でのポールポジション獲得に意欲を見せた。その予選は、朝のセッションからぐんぐん気温も路面温度も上昇する中で、スタートを切る。まずQ1で15号車がトップタイムをマークし、朝からの好調さをキープ。2番手にはアドバンタイヤのNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが健闘を見せ、上位に喰い込む。一方、まさかの不振はRC F勢。全6台中、Q1からQ2へと進出を果たしたのはNo.38 ZENT CERUMO RC Fのみという状態だった。
続くQ2でも、15号車の勢いは変わらず。まず、ひと足先にアタックを行なっていたNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rがベテランの本山哲によって、1分47秒587のコースレコード更新タイムでトップを奪取。しかし、直後に15号車のステアリングを握っていた武藤英紀が1分47秒456とさらにタイムを削ってレコードを上回る。結局、このまま武藤のトップタイムは変わらず、ポールポジションが決定。15号車はチーム結成から初のポールシッターとなった。2番手の46号車に続いたのは、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)。トップこそHondaに譲ったが、2、3番手のうち、2台がGT-Rとなり、またも日産優位のアタック合戦になった。
一方,GT300クラスでは、No. 2 シンティアム・アップル・ロータスが快走。今回、レギューラの高橋一穂、加藤寛規に加え、F3選手権に参戦する牧野任祐が第3ドライバー登録してGT300にデビュー。またクルマと鈴鹿との相性も良く、ポールポジションの可能性がぐんと高まっていた。Q1を担当した牧野は周囲の期待に応え、トップタイムをマーク! だが、Q2に入ると、No.18 UPGARAGE BANDOH 86の中山友貴が好走。18号車として初となるポールポジションをプレゼントすることになり、2号車は3番手からスタートを切る事になった。
決勝日は不安定な天候から、雨になるとも言われている今年の鈴鹿1000km。コンディション次第では大きくポジションが変動する可能性もあるだけに、面白い展開が見られるかもしれない。
・第6戦鈴鹿 予選結果
GT500(TOP6)
1.No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/オリバー・ターベイ組)1′47.456
2.No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲/千代勝正組)1’47.587
3.No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)1′47.922
4.No.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資組)1’48.114
5.No. 8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮/野尻智紀組)1’48.191
6.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)1’48.534
GT300(TOP3)
1.No.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/山田真之亮組)1’57.876
2.No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)1’58.092
3.No. 2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組)1′58.127
