5月のゴールデンウィーク中に開催された第2戦富士からおよそ2ヶ月半。ようやくこの週末にSUPER GTの戦いが再開する。というのも、ちょうど2ヶ月前に大分・オートポリスで開催される予定だった第3戦が(平成28年熊本地震の影響で)中止となり、この第4戦までは2回の公式テストが行なわれるに留まっていたからだ。7月23-24日、宮城県・スポーツランドSUGOで開催される一戦は、久々のGTレースで多いにヒートアップすること、間違いなしだ。
■魔物が棲むSUGO、そしてサーキットとの相性
6月のSUGO、7月の鈴鹿と、2回の公式テストとタイヤメーカーテストを経て迎える今回のSUGO戦。現時点で東北地方の梅雨明けはまだ発表されてはいないが、これまでのSUGO戦を考えると、天候が良ければ蒸し暑い戦いになり、逆に日差しがないと肌寒い天気になるケースが多い。果たしてどちらのコンディションになるかはフタを開けてみなければわからない。一方、天候を差し置いても気になるのが、今大会における争いの行方だ。
今シーズンは第1戦、第2戦とNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が連覇を果たしており、SUGOでは新たな勝者が現れる可能性が高いと思われるが、その理由のひとつに、SUGOというサーキットと各チームとの相性の影響が高いのだ。そして、その「相性」が良くないことで知られるのが、なんと日産車なのだ。実のところ、GT-Rをはじめとする日産車は1994年から15年間未勝利が続き、2009年にようやく勝利。その後は2011年にまた優勝、去年は2位と以前ほどではないが、決して「得意」とは言い難い。2連勝の1号車はウェイトが80kg。最終コーナーからの上り坂を持つSUGOの特性を考えれば、さすがに今回の躍進は難しいだろう。だが、他のGT-R勢はいかに!? というのも、かつて日産勢で勝利したドライバーは本山哲と柳田真孝のふたり。彼らは今シーズンもGT-Rを駆っており、本山はミシュラン、柳田はヨコハマと、装着する足下がそれぞれ異なるぶん、レース展開によっては彼らの車両が上位に食い込んでくるかもしれない。
■真夏の3連戦に立ちはだかるウェイトハンディ
今大会を皮切りに、8月上旬の富士、そして月末の鈴鹿と立て続けにイベントが控えるSUPER GT。「真夏の3連戦」と呼ばれて久しいが、慌ただしくシーズンが、中盤から後半戦へと過ぎていくシーズンでもある。そんな中、そろそろチャンピオン争いを視野に入れた戦い方にシフトしていくことになるだろう。なにしろ、今シーズンは、ハンディウェイトのレギュレーションが変更になっており、去年のように、搭載ウェイトが50kgを超えた時点でその50kgを燃料流量リストリクターを絞るということができなくなっているからだ。本来、リストリクターを絞るとパワーダウンされるため、SUPER GTが謳うシーズン終盤までガチンコバトルを展開する、というスタイルが保たれるはずだったが、実際は上位陣の躍進に歯止めが利かなかったことが背景にあると思われる。よって今シーズンはリストリクターによる調整は見送られ、上限を100kgとして全ウェイトを搭載することになった。
SUGO戦を前に50kgのウェイトを超えているのは、15台中1号車とNo.37 KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)の2台。ともに開幕から2戦、表彰台に上がっているチームであるのは言うまでもない。一方で20-30kg台のウェイトを搭載するのが4台。SUGO戦のあとは、高速サーキットの富士、そして1000kmの長丁場になる鈴鹿と、それぞれ特色あるレースが待ち受けていることを考えれば、まずはこのSUGOで大量得点を狙うという考えもアリなだけに、各チームとも今後を見据えた戦略をとってくるかもしれない。
■GT300は先行き不明!?
FIA GT3車両の躍進が印象的だった開幕戦岡山。そして続く富士ではFIA GT3車両とマザーシャシーが互角の戦いを見せるなど、今シーズンはがっぷり四つの戦いを繰り広げているGT300クラス。果たして、今回のSUGO戦はどのような展開になるのだろう。実のところ、その流れを読み取るのが難しいのが現状だ。例年の流れから考えると、マザーシャシーの活躍に分があったのだが、一方で気になるのが、GT3勢の進化だ。岡山でもそうだったが、テクニカルコースでの速さに安定感が増しており、そのまま上位に食い込む存在になりそうだ。抜きどころが少ないコースだけに、まずは予選でのポジション争いに注目が集まると思われるが、一方で、タイヤマネージメントや、荒れやすいというSUGOならではの展開をまず味方につけることが、勝利への近道かもしれない。
■主なタイムスケジュール
5月3日(火)
07:30 – 08:20 オープンピット
09:15 – 11:00 公式練習
09:15 – 10:40 : GT500 & GT300
10:40 – 10:50 : GT300
10:50 – 11:00 : GT500
11:55 – 12:55 ピットウォーク
14:30 – 15:05 ノックアウト予選_Q1
14:30 – 14:45 : GT300
14:50 – 15:05 : GT500
15:15 – 15:47 ノックアウト予選_Q2
15:15 – 15:27 : GT300
15:35 – 15:47 : GT500
17:20 – 18:05 GTキッズウォーク
5月4日(水)
09:00 – 09:30 フリー走行
11:15 – 12:15 ピットウォーク
12:50 – 14:00 ウォームアップ走行、スタート進行
14:00 - 決勝レース(81Laps)