スーパーフォーミュラ2015 Round.5
中嶋一貴、待望の今季初勝利を達成!
9月13日、大分・オートポリスにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラの第5戦決勝レースが行なわれ、予選3位から好スタートを切った中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)が試合巧者の戦いを見せ、優勝。今シーズン待ちわびた初勝利の美酒に酔うこととなった。
第5戦決勝日は薄曇りの朝を迎えるものの、時折青空と強い日差しが照る一日となった。朝のフリー走行でも終始安定したコンディションでの走行が可能となり、決勝に向けての最終調整を行なっていた。なお昨年は215kmでの決勝が、今年は250kmとなった戦い。これはピットでの給油作業の必要性を意味するものでもある。一方、オートポリスは他のサーキットと異なり、ピットロードがコースのアウト側に設置された珍しいレイアウトを持つ。このことから、クルマに取り付けられた給油口が通常と反対側となり、スタッフは作業にいつも以上の注意を払わなくてはならない。果たして思わぬドラマが起るのか否か…。ついに54周の戦いが始まった。
好スタートを切ったのは予選2番手の小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)と中嶋一貴。ポールポジションの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)も負けじと1コーナーへと向ったが、鼻の差で一貴、そして小林の先行を許すことになり、3番手へとドロップ。このままで周回を重ねることになった。
3台のトップ争いで真っ先に動いたのは小林。スタートでライバルを先行することこそが優勝への勝機とばかりライバルより少ない量のガソリンを搭載し、軽めの車重でスタートしたものの、思いどおりにはならず。結果、レース折り返し直後の29周目にピットイン、補給とタイヤ4本交換を済ませて後半の追い上げにかけた。一方、ライバル達が続々とピット作業を済ませる中、一貴、そして石浦のトップ2台は互いの動きを読む走りが続く。その中で、石浦はフロントタイヤ2本交換を意識したというが、一方の中嶋は4本交換か無交換を頭に描いて走行。結局2台は揃ってレース終盤の45周終了時点でピットイン。石浦は予定どおりフロント2本を、そして一貴はタイヤ無交換を敢行。付かず離れずの距離で2台による終盤のバトルが再び幕を開けた。
一度は2位との差をキープし、一貴の勝利が安泰に見えたものの、残り4周を切って2台の差が一気に詰まりはじめる。そして51周終了時点ではついに1秒を切る攻防戦へ! だが抜きどころの少ないオートポリス、また0.3秒ほどの速さを稼ぐことができるというオーバーテイクシステムを活用した一貴が後方からのプレッシャーを巧みに凌ぎ切ることに成功。待望の今季初勝利を手にすることとなった。石浦は3戦連続の勝利を逃したものの、シリーズランキングでは依然としてトップをキープ。また、3位の小林は第2戦岡山以来の表彰台に上がっている。
■第5戦オートポリス 決勝結果(TOP6)
1.No. 1 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14) 54L 1:22’53.405
2.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)+0.992
3.No. 8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)+9.329
4.No. 7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)+11.574
5.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)+13.049
6.No. 3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)+20.484


スーパーフォーミュラ第5戦オートポリス、石浦宏明が3度目のポール獲得!
9月12日、大分・オートポリスにおいて、全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦の予選が行われ、現在、ランキングでトップにつける石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)がQ1からQ3まで全セッションでトップタイムをマーク。前回第4戦に次いで連続ポールポジションとなった。
ひと雨ごとに秋の装いが深まる中で迎えた第5戦。オートポリスでは早朝から薄曇りの空が広がり、時折日差しが照りつける天気となった。そんな中、まず朝のフリー走行では中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)が次第に調子を上げてトップタイムをマーク、予選に向けての流れを作ったかに見えた。
しかし、ノックアウト方式の予選でつねにトップタイムをマークしたのは、前回のもてぎ戦でポール・トゥ・フィニッシュを果たした石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)。朝のセッションでは車両トラブルでピットでの修復作業を要したが、予選では安定した速さを披露。Q1、Q2とセッションごとに調子を上げて、Q3では2位以下を0.376秒も引離すことに成功した。石浦は今季通算3度目のポールポジションを手にしたことになる。
一方、2位に続いたのは小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)。今季自己ベストの結果を残した。3番手には中嶋一貴が続き、日本人3選手が予選でトップ3を独占することとなった。
■第5戦オートポリス 予選結果(TOP6)
1.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’26.633
2.No. 8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’27.009
3.No. 1 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’27.170
4.No. 2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’27.215
5.No.10 塚越広大(HP SF14)1’27.389
6.No. 7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’27.430

SUPER FORMULA第5戦オートポリス プレビュー
いよいよ後半戦がスタート! 戦いの舞台は九州へ!
真夏の厳しい戦いからようやく開放され、SUPER FORMULAのシリーズ戦は九州・オートポリスからいよいよ後半戦へと突入する。前回のツインリンクもてぎ戦では、石浦宏明がポール・トゥ・ウィンを達成。唯一のシーズン2勝目ドライバーとなった。前半戦はトヨタエンジンを搭載する車両がどちらかといえばトータルパッケージでの力強さをしっかりとアピールしていたようだが、はたしてこのまま流れは変わらないのか、はたまたHonda勢がしっかり反撃してくるのか…。初秋を迎える阿蘇山麓の戦いはまもなく号砲を迎える。
■攻め甲斐のあるオートポリス。まずは予選から
山麓のワインディングロードを抜け、たどり着く先に見えてくるサーキット、オートポリス。自然に囲まれた山間部のコースでは、これまでも様々なドラマを生み出してきた。高速かつテクニカルなサーキットは、シングルシーターをドライブするファイターにとって絶好の腕の見せどころであり、果敢な走りが大いに期待できる。さらにこの攻め甲斐たっぷりのコースにはアップダウンという別の要素が含まれており、まずはトータルパッケージとしてクルマの仕上がりがタイムアタックに影響を与えるものと考えられる。
予選日の最初のセッションとなる公式練習。この時間では、持ち込み車両のチェックが主に行なわれる。今シーズンは前戦で未使用だったタイヤの持ち越し分を装着できるようになったことから、ライバル達の動向を伺い知ることが難しくなったが、まずは自分たちのメニューに沿って着実に仕事を進められるかどうかが大事になる。また季節的には天候によって気温の上下が読みにくく、そこに左右される可能性もある。最終的なクルマのセットアップはもとより、いかなる状況下でも強いクルマへと仕上げることが重要視されるだろう。
■オートポリスならではの戦いから見えるものは?
他のサーキットと異なり、オートポリスはピットロードがコースのアウト側に設置された珍しいレイアウトを持つ。このことからピットで見るクルマは右から左へと走行する形となり、このためピットでの作業も通常とは逆方向になる。早い話、給油口は右側ではなく左側を使うというわけだ。だが、何気ないこととは言いがたく、ピットで作業をするメカニックたちは一瞬戸惑う可能性もある。いつも以上に慎重な作業がミスを回避する手だてとなることだろう。
一方、ドライバーもオートポリスならではの戦いが要求される。アップダウンが多く、中高速コーナーが多いというレイアウトの特性に攻め甲斐を感じるドライバーが多いと先述したが、一方でミスの誘発にも繋がりやすい。さらに路面の特色としてタイヤへの攻撃性の高さが挙げられる。つまり、タイヤに厳しいコースなのだ。攻めの気持ちをうまくコントロールし、タイヤマネージメントを心がけてこそトップドライバーとしていい走りが披露できる…。それがオートポリスにおける勝利への鉄則だといえるだろう。
■気になるチャンピオンシップの行方
アグレッシブに攻め、抑えるところは抑え、と高いドライバビリティが要求されるオートポリス。今シーズン参戦ドライバーの中で優勝経験を持つのは4選手。中でもアンドレ・ロッテラーが3勝を挙げている(フォミュラ・ニッポン含む)。中でもSUPER FORMULAへと変わった2013年からは2連勝。そんなロッテラーだが、今シーズンは開幕の鈴鹿戦で挙げた1勝に留まり、現在はランキング4位。本人にとって決して満足のいく状態ではないことから、得意とするオートポリスで優勝して一気に上昇気流へ乗って反撃を狙っていることは容易に想像できる。
この他、安定した強さを見せるのが現在ランキングトップ3の石浦、J・P・デ・オリベイラ、中嶋一貴。ただ中嶋は怪我で欠場した第2戦をのぞき、これまですべて2位どまり。チャンピオン経験を持つドライバーだけに、そろそろ表彰台の真ん中に上がる頃とも考えられる。もちろん、他のドライバーとてみな同じこと。シーズン後半戦ならではの戦いが垣間見えることになるだろう。
■主なタイムスケジュール
・9月12日(土)
10:00〜11:15フリー走行
12:00〜12:50ピットウォーク
14:40〜 公式予選(ノックアウト方式)
14 : 40〜15 : 00 Q1(19台→14台)
15 : 10〜15 : 17 Q2(14台→ 8台)
15 : 27〜15 : 34 Q3
16:35〜17:10キッズピットウォーク
・9月13日(日)
09:30〜10:00フリー走行
11:25〜12:15ピットウォーク
15:00〜 決勝(54Laps)