スーパーフォーミュラ2014 Round.2
スーパーフォーミュラ第2戦富士、レース1はオリベイラがポール・トゥ・ウィン!
5月18日、静岡県・富士スピードウェイにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラの第2戦決勝レースが行われた。今大会は2レース制が採用されており、まず午前中にレース1が25周のスプリントレースとしてスタートを切った。
25周の戦いということもあり、レース1はピットストップなしのガチンコ勝負。スタートを決めることが好成績の早道となる。そんな中、まずポールポジションからスタートしたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)がホールショットを奪い、レースを牽引。一方、開幕戦のウィナーで予選2番手につけていたロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)はスタートに失敗、出遅れる。これに対し、後方からポジションを上げたのは、予選5番手スタートの中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)。混乱をかきわけ、2番手まで浮上すると、トップのオリベイラを追随した。
だが、予選から波に乗るオリベイラはハイペースで後続車とのギャップを開きにかかる。中嶋、そして3番手のデュバルも懸命にチャージするが大きな変化もなく、次第にレースは小康状態へと変わっていった。結果、加速をアシストするオーバーテイクシステムもほとんど使用されることなくレースは終盤を迎えることに。結局、オリベイラが盤石のレース運びでトップチェッカー! 彼自身、2012年第5戦もてぎ以来となる、また今シーズンの初優勝を果たすこととなった。
■スーパーフォーミュラ第2戦富士、レース2はロッテラーが制する
午後2時30分に号砲が切って落とされたレース2。レース1同様に絶好の観戦日和となった。レース2は35周と周回数が増え、さらにピットインが必要な戦い。とはいえ、通常の1レースに比べると走行距離も短くなるため、戦略次第でレースが大きく動く可能性を秘めた戦いになるものと思われた。
ポールポジションはアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)。先のレース1ではハンドクラッチのスタートでミスを喫して出遅れたが、今回は見事なクラッチミートで好発進。予選2位のジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)に対し、序盤から差を築いていった。
レースは、ルーティンワークのピット作業でエンジンストールする車両が続発。大きくタイムロスし、ポジションを下げることになったが、トップ争いには何ら影響なし。そのトップ争いで真っ先にピットに向ったのがロッテラーだったが、これは早い段階でタイヤにフラットスポットを作ってしまったため。ハイペースでの戦いを必要とするため、ライバルより先んじてピットインを選択することになった。開幕戦の鈴鹿ではチームスタッフがタイヤを左右反対に取り付ける、というまさかのアクシデントに泣いたロッテラーだったが、今回、スタッフはパーフェクトな作業で送り出し、ロッテラーもそれに応えるべく後続との差を次第に離して行くことに成功した。
一方、2番手から逆転のチャンスを伺っていたオリベイラ。後方に中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)が迫り、前よりも後ろを意識した走りになったことで、ポジションキープの戦いを強いられることに。ロッテラーがピットインした翌周にルーティンワークを行うも、ピット作業に要した時間がライバルより僅かに長く、これで逆転のチャンスを失うことになった。終盤はハイペースの中での神経戦となったが、ともに百戦錬磨の上位陣はノーミスで戦いを消化。結果、ロッテラーが今季初勝利を飾り、2位にオリベイラ、3番手に中嶋が続き、予選結果と同様の順位で戦いを終えている。
■第2戦富士 決勝結果(TOP6)
レース1
1.No.19 ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)25Laps
2.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)+5.203
3.No. 8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)+7.079
4.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)+7.722
5.No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)+16.558
6.No. 3 ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーション KONDO SF14)+17.487
■第2戦富士 決勝結果(TOP6)
レース2
1.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)35Laps
2.No.19 ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)+3.497
3.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)+16.543
4.No. 8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)+21.069
5.No. 1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)+25.479
6.No.20 クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL SF14)+32.559
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA


スーパーフォーミュラ第2戦富士、ロッテラーが最速タイムをマーク!
5月17日、静岡県・富士スピードウェイにおいて、全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦「2014 SUPER FORMULA Round2 Fuji Speedway」の予選が行われた。今大会は2レース制が採用されており、レース1ではジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)が、そしてレース2ではアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)がそれぞれポールポジションを獲得。なかでもロッテラーはオリベイラのQ1タイムを上回り、コースレコードをも更新する大躍進を見せることとなった。
五月晴れに恵まれた予選日。朝のフリー走行でトップタイムをマークしたのは、オリベイラ。安定した速さを披露し、予選に向けていい流れを作ることになった。迎えた予選。従来どおり、Q1-Q2-Q3のノックアウト方式だが、2レースの決勝グリッドを決めるため、Q1の結果がレース1の、そしてQ3の結果がレース2に適用される。そして、Q1ではオリベイラがフリー走行での勢いのまま、トップタイムをマーク。これにロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)、アンドレ・ロッテラーがこれに続いた。
続くQ2はQ3への進出をかけて、14台から8台へと絞られるセッション。7分間のアタックでタイミングを見計らいアタックをかけようとするドライバーもいたが、セッション終盤に、1台のクルマがスピンし、コースアウト。これで赤旗中断となった。この中でもブレない速さを見せたのがオリベイラ。しかし、レース2のスタート順位を決めるQ3で驚くべき速さを見せたのは、ロッテラーだった。
Q3のアタックでロッテラーはあっさり1分22秒572という驚異のタイムをマーク。するとライバル達もこの勢いに続けとばかり、22秒台へと次々突入する結果に。Q1-Q2とトップタイムを死守してきたオリベイラも、連続最速タイムを狙って最後の最後までアタックを続けたが、ロッテラーのタイムに0.134秒及ばず。結果、2番手に甘んじた。
明日はレース1が午後10時5分から、25周による戦いが繰り広げられる。なおこのレースでは、ピットストップの義務はない。一方、午後2時30分からのレース2は35周の戦いとなり、ガソリン補給の義務はないがタイヤ4本交換は必須条件となる。スタイルの異なる2つの戦いを制するのは、果たしてどのドライバーになるのだろうか。
■第2戦富士 予選結果(TOP6)
レース1
1.No.19 ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)1’23.108
2.No. 8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’23.211
3.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’23.325
4.No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’23.395
5.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’23.512
6.No. 7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’23.602
レース2
1.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’22.572
2.No.19 ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)1’22.706
3.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’22.741
4.No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’22.788
5.No. 8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’22.972
6.No. 7 平川 亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’23.202
記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA


SUPER FORMULA第2戦富士 プレビュー
5月17-18日、静岡・富士スピードウェイにおいて2014年SUPER FORMULA第2戦が開催される。5年ぶりに新車が導入された今シーズンは、開幕戦からハイスピードの好バトルを披露。ドライバーが奮闘する姿が印象に残る一戦となっているだけに、第2戦富士でも迫力満点の戦いとなるに違いない。
■世界屈指のストレートで最速マシンをチェックしよう
開幕戦の鈴鹿では新車によるコースレコード更新が繰り返し見られることとなり、最速マシンをコントロールするドライバーからは、ドライブが楽しい! という声が続々。それだけに、第2戦富士では、1,475mと世界屈指の長さを誇るストレートでどこまでトップスピードを伸ばすことになるのか、気になるところ。
“抜きつ抜かれつ”の戦いにあたって、武器として使えるのが「オーバーテイクシステム」。使用できるチャンスは5回。スイッチ・オンで約20秒間にわたって燃料が通常より多く供給されることによって、約5%エンジン性能がアップ、オーバーテイクを補助するしくみであるため、後方から逆転を狙うドライバーはこれを使って前のクルマに追い付き、1コーナーの進入で勝負に出ようとする。また逆に、先行するクルマは後続車からのプッシュを阻止して、少しでも逃げようとスイッチを押す。1コーナーに向うドライバーたちの頑張りと駆け引きがすべて明らかとなる瞬間を見逃す手はない。
そして、この1コーナーへのブレーキングでは、ドライバーの持つテクニックが明らかになる可能性も高い。なにしろ、新車SF14にはこれまでの鉄製ディスクブレーキに代わって、カーボンディスクブレーキが採用されている。この制動力が半端なく、ドライバーは1コーナーに向って躊躇することなく勢い良く飛び込んでいくことが考えられる。その他にもブレーキング勝負のコーナーとしてダンロップコーナー進入を挙げることができる。どのドライバーが駆け引き上手か、じっくり観察してみたいものだ。
■いつも以上に緊張感たっぷりの予選に期待
予選は開幕戦同様のノックアウト方式が採用されている。だが、レースは決勝日となる日曜日に2レースが行われる。よって、決勝に向けての予選で激しいタイムアタック競争が繰り広げられるのは必至だ。
通常はQ1、Q2、Q3とふるいにかけられ、グリッドが決定するのだが、今大会は2レース分のスタート順位を決めなければならない。今回は、20分間のQ1がレース1のグリッドとして適用され、Q2を経て、Q3で最終決定した順位がレース2のグリッドとなる。結果、ドライバーはどの予選セッションでもつねに上位につけることを強く意識しなければ、各レースでの好グリッドを手にすることができない。この難しい条件をうまくクリアできるのは、果たしてどのドライバーなのか。
日曜日の2レースはそれぞれレース内容も当然ながら異なる。まずレース1。こちらは25周のスプリントスタイルで、ピットストップなどの作業義務はない。つまり、スタートすればあとはひたすらゴールを目指すのみ、114kmのシンプルな戦いとなる。それだけに、できる限り、予選でいいポジションを手にしてスタートを切らねばならない。だからこそ、いつも以上にQ1の重要度が増すというものだ。続くレース2は35周で戦われ、こちらはピットインの義務が伴う。給油作業義務はないものの、タイヤ交換は必須だけに、35周、160kmの戦いの中では、チームとしての総合力が試されることになる。なお、余談であるが、オーバーテイクシステムを使用できるのは今までと同様5回。つまり、2レースで5回の使用となるため、ドライバーはここぞというチャンスを存分に見極めてスイッチオンする必要がある。これもまた、レースの展開に少なからずとも影響を与えそうな予感がする。
■主なタイムスケジュール
・5月17日(土)
07:00 ゲート、パドックオープン
09:55~10:55 フリー走行
10:55~11:05 スタート練習
12 : 10~12 : 40 ピットウォーク
14:15~ 公式予選(ノックアウト方式)
14 : 15~14 : 35 Q1(19台→14台)
14 : 45~14 : 52 Q2(14台→ 8台)
15 : 02~15 : 09 Q3
17:00~17:30 キッズピットウォーク
・5月18日(日)
06:00 メインゲート オープン
07:00 パドックオープン
10:05 決勝レース1(25Laps)
12:35~13:25 ピットウォーク
14:30~ 決勝レース2(35Laps)
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA