SUPER GT 2020 Round.2 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2020 Round.2

2020年8月13日

SUPER GT第2戦富士、KEIHIN NSX-GTが初優勝!


レースウィークを通して薄曇りながら蒸し暑い天気となった静岡・富士スピードウェイ。気温29度、路面温度42度の中で行われた66周の戦いは、予選2位からスタートしたNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が逃げ切りの戦法を成就させ、ライバルを寄せ付けない独走で優勝を達成。それは、今シーズンにデビューした”進化版”NSX-GTによる初勝利でもあった。
 

開幕戦からわずか3週間。初戦はGR Supra勢が決勝でトップ5を独占したが、第2戦は初戦の結果で負うことになったハンディウェイトが影響したか、NSX-GTの2台が予選でフロントローを独占した。ポールポジションの8号車は今季GT500へステップアップしたルーキー福住仁嶺がスタートを担当。スタート長後から背後に迫りくる17号車のバゲットを相手にハードな攻防戦をしのぎつつ周回を重ねていく。だが、15周目のコカ・コーラコーナーで17号車が逆転に成功。前が開けた17号車はペースアップし、後続との差を一気に広げていった。
 

24周目にGT500としては最初となるピットインを38号車が実施。これを機に、少しずつタイミングをずらしながら各車がルーティンワークを行い、17号車も30周終了の時点でピットイン。塚越へとバトンをつないだ。一方、トップ奪還を狙う8号車はピットインを先延ばしし、35周終わりで野尻へと交代した。コースに復帰したばかりの8号車にすぐさま襲いかかったのは17号車。フレッシュタイヤで挙動が安定しないクルマに苦戦する8号車はダンロップコーナー立ち上がりでまさかのテールスライド。態勢を崩してそのままアウト側へスピンオフした。さらにリアタイヤが空転する状態で車両がストップしたことで、コース復帰を果たしたときにはすでに1周遅れという無情な結果となってしまった。
 

改めてトップに立った17号車はその後もペースを緩めることなく周回を重ねていく。一方、2位にはNo. 36 au TOM’S GR Supraが浮上。開幕戦2位による30kgのハンディウェイトをものともせず、予選6番手から安定感あるレース運びで着実にポジションアップを果たす。さらにその後方では、GT-R勢予選最高位スタートのNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが3番手で奮闘していたが、背後にNo.14 WAKO’S 4CR GR SupraそしてNo.37 KeePer TOM’S GR Supraが迫り、混戦模様に。だが、42周目のダンロップコーナーでSupra2台がGT-Rを攻略。ポジションをふたつ下げてしまった。
 

トップの17号車は後続に15秒を超えるマージンを作り上げると、そのままチェッカー一直線。ミッドシップからFRへと変わった”新星”NSX-GTでの初勝利を達成した。なお、今回の勝利は17号車にとって2年ぶりとなる。2位には36号車が続き、開幕から2戦連続の2位を獲得。暫定ランキングでトップに立っている。3位には予選8位スタートの14号車が入り、表彰台の残り2席をSupra勢が手にした。さらに4位も開幕戦勝者の37号車が続き、トップ4の3台がSupraという結果になっている。
 

一方、GT300クラスは、予選3番手スタートのNo. 2 シンティア・アップル・ロータスが安定感を武器にした走りが光った。レース序盤はクラスポールのNo. 6 ADVICS muta MC86、予選4番手のNo. 61 SUBARU BRZ R&D SPORTと三つ巴のトップ争いを展開、その中でまず61号車が頭ひとつ抜け出した。だが、2号車はその背後に着かず離れずの距離をキープ、レース3分の1が過ぎて各車がルーティンのピットインを始めるのを尻目に周回を重ねた。暫定トップの61号車が26周終わりでピットイン。一方の2号車は30周終わりで作業を行い、61号車の前でコースに復帰した。後方から追い上げる61号車だったが、ピットインからコース復帰後のアウトラップまでの一連の時間を最小限にとどめた2号車は、61号車とのマージンをしっかり確保。レース終盤になると、トップ2台の差は4秒超から3秒を切ったが、GT300、500両クラスでシリーズチャンピオン経験のある柳田は冷静な走りで後続をシャットアウト。トップチェッカーを受け、チームとそのドライバーを長らく務める加藤にとっては10年ぶり、また柳田にとってはGT500クラスで参戦した2016年以来となる優勝を果たすことになった。2位の61号車に続き、3位のチェッカーを受けたのはNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)。ともに今季初表彰台に上がっている。
 

第2戦富士 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)1H41’37.698 66Laps
2.No. 36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)+15.762
3.No.14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組)+33.686
 

GT300
1.No. 2 シンティア・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)1H42’56.201
2.No. 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+1.585
3.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)+14.454
 
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2020年8月9日

SUPER GT第2戦富士、ARTA NSX-GTがポール獲得


開幕戦からわずか3週間という短いインターバルで迎えるSUPER GTシリーズ第2戦。戦いの場所は初戦同様、静岡・富士スピードウェイで開催を迎えた。薄曇りながら気温が上昇し、夏日となった予選でトップタイムをマークしたのは、No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)。2番手にも同じホンダ勢のNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が続き、しかと速さをアピールしている。
 

富士で連戦を迎える今シーズンのSUPER GT。初戦では今シーズンからニューマシンを投入したトヨタのGR Supra勢が速さと強さを遺憾なく発揮し、トップ5を独占する結果となった。一方、予選ではSupra勢とほぼ互角の速さを披露しながら、決勝ではそのライバルの後塵を拝する苦い結果に終わっていたホンダのNSX-GT勢。名称は変わらずとも、こちらもミッドシップエンジンからFRへと変貌を遂げた”ニューマシン”。今回は初戦での悔しさを晴らす好機にしようと挑んだことだろう。もちろん、2メーカーに遅れを取った日産GT-R勢も同じ思いだったはずだ。
 

夏の厳しい暑さの中で繰り広げられたノックアウト予選では、Q1でまずNo.100 RAYBRIG NSX-GTがトップタイムをマーク。これにNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra、No.12 カルソニックIMPUL GT-Rが続き、3メーカーがトップ3を仲良く分け合った。
 

そして迎えたQ2。各車が満を持してアタックする中、No. 8 ARTA NSX-GTがトップタイムをマーク。さらに同じホンダのNo.17 KEIHIN NSX-GTが2番手に浮上した。一方、3番手のポジションをめぐり、GT-R勢がしのぎを削る。だが、これを尻目にNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがさらにタイムを縮め、3番手に浮上。予選トップ3はホンダの2台がフロントローを独占し、これにトヨタの1台が続く結果に終わった。なお、最速タイムをマークした8号車の野尻にとっては、2018年最終戦もてぎ以来となる通算6回目のポールポジション獲得となっている。
 

一方、GT300クラスのポールポジションはNo. 6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組)が獲得。今シーズン、チームとしてSUPER GTにデビューしたばかりのニューカマーが大躍進した。公式練習ではNo. 2 シンティア・アップル・ロータスがトップタイムをマークしたが、午後の予選では6号車が大躍進。なお、アタックを担当した小高は今季GT300にステップアップを果たしたルーキーだ。そして2番手には、チェッカー直前にタイムアップしたNo.55 ARTA NSX GT3が、また、3番手は公式練習でトップタイムをマークした2号車が続いた。
 

第2戦富士 予選結果 各クラストップ3

GT500
1.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1’27.300
2.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)1’27.459
3.No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一/阪口晴南組)1’27.729
 
GT300
1.No. 6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組)1’36.270
2.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)1’36.378
3.No. 2 シンティア・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝組)1’36.419
 
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2020年8月6日

SUPER GT第2戦富士 プレビュー


富士連戦のGT。スープラの独走は続くか?

先月、待望のシーズンインを果たした2020年SUPER GTシリーズ。それからわずか3週間というインターバルで迎える第2戦は、開幕戦同様、静岡・富士スピードウェイを舞台とする。前回、デビューしたばかりのGR Supraが速さ、強さを遺憾なく発揮し、ライバル達を置き去りにする形で優勝。またトップ5を独占するという圧巻のパフォーマンスを披露した。短期間で迎える第2戦でもその強さが続くのか、それともライバル勢がリベンジを見せるのか。渾身の戦いが待ち構えている。
 

■泣く子も黙る!? GT Supraのパオ−マンス力

公式テストではNSX-GT勢も好タイムをマークし、ミッドシップからFRへと変更されたニューマシンのポテンシャルの高さをアピール。これまで課せられてきたハンディウェイトの”呪縛”からも解放されたことも含め、開幕戦からそのパフォーマンスを見せつけるのでは、という見方がある一方、そのNSX-GTをリリースしたホンダ陣営が警戒していたのがトヨタ陣営が送り出したGR Supraだった。
 

ワンデーレースでの開幕戦は、午前中に予選が行われ、その勢いのまま午後からの決勝を迎えたため、慌ただしいスケジュールを味方につけることも必要であったが、その前に金曜日からの天候の変化が大聞く、急激に暑さが厳しくなったことも影響したのか、タイヤパフォーマンスがレース結果として反映したいたようにも思われる。NSX-GT勢は予選でしっかりと速さをアピール。0.115秒差でポールポジションを37号車のGR-Supraに譲ったものの、8号車がフロントローをもぎ取った。また100号車も予選4番手につけ、がっぷり四つの態勢でスタートを迎えることになった。
 

レース自体、早々にセーフティカーが導入される展開になったものの、混戦をしぶとく戦いながらGR Supra勢との攻防戦を繰り広げていたNSX−GT勢がじわりじわりと後退し始めたのは、レース中盤以降。高い路気温が続き、2度目のセーフティカーランが解除されると、GR Supra勢とのスピードに差が見え始める。シンプルに言えば、粘りの走りを見せられなくなったのだ。後方から攻め立てるライバルに太刀打ちできずポジションを明け渡す…。そういうシーンが幾度となく現れ、気付くとGR Supra勢がトップ5を独占していた。この結果から、GR Supra勢が優位であるという結論に至るのは時期尚早だろうが、今シーズンはコロナ禍によって開催サーキットが富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、そしてツインリンクもてぎに限定される上、全8戦中開幕戦を含む全4戦が富士での実施ということを考えれば、ライバル達は”STOP GR Supra”を掲げ、より一層の準備をしなければならないことだけは明白と言えるだろう。
 

一方、各チームにとって喜ばしかったこともある。それは実戦でのデータを確実に入手できたという点だ。シーズンオフの間に存分なテストが行われず、走行データが取れなかっただけに、66周のレースを実施したことにより、クルマのセットアップはもとより、装着タイヤのコンディションを十分に理解できたはず。短いインターバルはどのチーム、ドライバー、エンジニアにとっても同条件。その中でライバルよりもいいクルマを準備しようと意気込んでいるに違いない。
 

■梅雨明けの中、文字通りの”熱い”戦いに期待

今年の梅雨は不安定な天気が続き、日本各地でも豪雨の被害が見られた。開幕戦もレースウィーク中に天候が大きく変わったが、静岡もすでに梅雨明けを済ませており、第2戦は”暑い”中での”熱い”戦いが繰り広げられるのではないだろうか。レースもワンデーから予選を土曜日に、そして決勝を日曜日に実施する従来のレーススケジュールが復活。着実にアプローチできることにより、チーム力の高さが結果にいい形で反映するやもしれない。開幕戦に続いての富士戦、しかも300kmであることにも変わりはない。相手の手の内を垣間見た開幕戦からどのような戦法でライバルを迎え撃つのか。リベンジを兼ねた各チームの戦法にも見どころがありそうだ。
 

なお、GT300クラスは開幕戦同様、予選を2クラスに区分して実施。さらに今回、決勝ではドライバー交代時にタイヤ4本の交代を義務付けることが決まった。開幕戦では、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがタイヤ無交換を敢行し、クラス初優勝、さらにSupraデビューウィンに貢献したことが記憶に新しいが、第2戦ではこのようなダイナミックな戦法が見られないことになる。
 

GT300クラスにおける戦略のひとつ、タイヤ無交換作戦。参加車両の個性が大きく異なる分、強みがそれぞれ異なるGT300ならではの見どころのひとつなのだが、開幕戦では多数の車両においてタイヤトラブルが発生。高リスクをもって戦いに挑んでいるのでは、という見解があっても不思議ではない状況であったことも事実だ。結果、より安全を優先するという姿勢を取り、第2戦ではタイヤ交換を義務付ける方向に落ち着いた。チームの戦略としてタイヤ無交換に取り組んできたチームにとっては”大きな誤算”になってしまうが、これを逆手にとり、意表を突く戦略で”魅せる”チームが出てくるやもしれない。これぞGTレースの醍醐味、という展開になることを期待したい。
 

従来の2デイで実施される第2戦。残念ながら開幕戦に引き続いての無観客試合となり、観戦はリモートに限られる。なお、スタートは従来よりも1時間早まり、午後1時スタートの予定。66周のバトルに、今回はどんな筋書きが待っているのだろうか。
 

2020スーパーGT第2戦たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE

 
8月8日(土)
09:45〜11:15 公式練習
11:15〜11:25 公式練習(GT300専有)
11:25〜11:35 公式練習(GT500専有)
14:30〜14:40 公式予選Q1 GT300 A組
14:48〜14:58 公式予選Q1 GT300 B組
15:03〜15:13 公式予選Q1 GT500
15:23〜15:33 公式予選Q2 GT300
15:41〜15:51 公式予選Q2 GT500

 
8月9日(日)
09:50〜10:10 SGTドライバートークショー
10:30〜10:50 ドライバーアピアランス
11:40〜12:00 ウォームアップ
12:00〜13:00 スタート進行
13:00〜スーパーGT第1戦たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE(66周)





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