スーパーフォーミュラ2019 Round.1 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2019 Round.1

2019年4月23日

2019年スーパーフォーミュラの初戦を制したのは、N.キャシディ!


4月21日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦決勝レースが行われ、予選12番手からスタートを切ったNo.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が見事な戦略で優勝を果たしている。
 

春の陽気に恵まれた決勝日。日差しがどんどん強くなり、午後2時からの決戦を前に気温25度、路面温度37度のコンディションとなる。スタートを待つグリッドに並んだSF19は20台。うち、ソフトタイヤでスタートを切ったのは7台、残る13台がミディアムタイヤを装着していた。前日の予選でルーキーながらトップタイムをマークし、ポールポジションを手にしたNo.65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)、そしてその僚友であり同じくルーキー、そして予選2位という好位置につけたNo.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)のフロントロウのふたりもまたソフトタイヤを選択していた。一方、予選3番手のNo. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)はミディアムタイヤを選択。前のふたりとは異なるタイヤでスタートすることがライバルを攻略する作戦だったのかもしれない。
 

牧野はスタートを決め、オープニングラップをトップのまま終了、順調に周回を重ねる。その一方で6周目には、2番手を走行していたパロウに対し、ドライブスルーペナルティが課せられる。実のところ、フォーメーションスタート直前、スタッフが車両前の輪止めを回収した作業がスタート手順違反に問われたことが原因だった。これにより、パロウは8周を終えたところでピットイン。ペナルティを消化してコースに戻ったが、当然のことながら大きくポジションを落としてしまう。
 

一方、コース上でも動きが見られ、6周を終えたばかりのキャシディがピットイン。ルーティンのタイヤ交換と補給を行う。ミディアムタイヤでスタートしたキャシディはソフトタイヤでコースに復帰。結果として、初戦覇者となったキャシディの勝因はこのピットインのタイミングにあったといえよう。実のところ、8周目の130Rで発生したアクシデントを境にして、コース上では接触やコースアウト等がひとつ、またひとつと起こり、都度セーフティカーがコースイン。最終的には合計4回のSC導入となる荒れた展開へと様相が変わったからだ。トラブルに見舞われた車両の中には、フロントロウのふたりも含まれた。ペナルティを経て追い上げを見せていたパロウ、表彰台圏内での走行を続けていた牧野の両車がともにタイヤ脱落のトラブルで戦列を去っている。
 

また、SCラン中にピットインを行い、タイヤ交換をするというルーティン作業のタイミングを逸したドライバーもいた。それがNo.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)。レースウィーク中、ミディアムタイヤで存分なスピードを確保できなかったという可夢偉は、速さを発揮できるソフトタイヤでスタート。できる限りソフトタイヤで周回を重ね、最小限でミディアムタイヤへスイッチする戦略を立てていたようだが、再三に渡るSC導入でピットインのチャンスを喪失。チームとのコミュニケーションミスだとレース後に認めたが、ほかのドライバーたちがピットストップを終えてなお可夢偉だけがピットインせず、暫定トップのまま周回を続け、最終的にセミファイナルラップで無念のピットイン。結果、10位まで後退することに。これにより名実ともにキャシディがトップへと躍り出た。
 

もはや敵なしとなったキャシディはそのままトップでチェッカー。シーズン最初の覇者となり、自身として昨シーズン富士戦以来となる勝利に輝いた。2位には予選3番手の山本。3位に続いたNo. 3 山下健太(KONDO RACING)とは、終盤にオーバーテイクシステムを使っての応戦を繰り広げていたが、順位変更までには至らず。ディフェンディングチャンピオンが2位を死守している。一方、山下にとっては昨年最終戦に続く表彰台だった。
 

20台でスタートを切った開幕戦だが、終わってみれば完走は12台。厳しくタフなサバイバルレースは、見応えのある一戦でもあった。
 

■第1戦鈴鹿 決勝結果(TOP6)
1.No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)1:28’21.635 43Laps
2.No. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+1.749
3.No. 3 山下健太(KONDO RACING)+2.399
4.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)+8.265
5.No.39 坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)+10.522
6.No. 4 国本雄資(KONDO RACING)+10.825
 

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2019年4月21日

SF19デビュー戦のスーパーフォーミュラ鈴鹿、ポールはルーキーの牧野任祐!


4月20日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦が開催され、予選日のこの日、最終アタックでルーキーのNo.65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマーク。スーパーフォーミュラ初となるルーキーによるデビュー戦でのポールポジション獲得を実現した。
 

SF14に代わり、今シーズンから正常進化型のSF19が投入されたスーパーフォーミュラ。ニューマシンの登場に合わせ、フロントタイヤのサイズ変更やホイールベースの短縮など、細かな変化がある中で、参戦ドライバー20名はシーズンオフのテストを重ね、初の実戦に挑むこととなった。
 

予選日の朝に行われた公式練習では主に持ち越しのソフトタイヤを装着しながら周回を重ねるドライバーが大半だったが、その中でNo. 3 山下健太(KONDO RACING)が1分37秒634のトップタイムをマーク。午後からの予選に向けて弾みをつけた。
 

迎えたノックアウト予選。午後3時45分からのQ1は大波乱の展開となる。Q2進出可能車両は今シーズンから12台に。気温20度、路面温度25度の中、冷たい風が吹く難しいコンディションでの開始となった。その影響なのか、ルーキードライバーが次々とセッション中にミスを犯し、コースアウトやクラッシュを引き起こす。結果、3度の赤旗中断を招き、最後の予選アタックそのものが慌ただしくなってしまう。その中でツキを失ったのがベテランのNo.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)。前を走るルーキーがスピン、態勢を乱した末に、後方から来た中嶋の眼の前を横断すると、行き場を失った中嶋に接触し、場外へと追いやってしまった。これが3度目の赤旗で、残された時間は5分14秒足らず。ワンチャンスのアタックに賭けたドライバーたちは一斉にコースへと向かい、激しい”場所取り”が始まった。その中でトップを獲ったのが、今シーズンデビューのNo.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)。2017年に全日本F3選手権でキャリアを積んだパロウが勢いを見せ、結果的に続くQ2でもトップタイムを叩き出した。
 

そのQ2では、パロウに続き、牧野が2番手のタイムをマーク。実のところ、Q1でも2番手につけた牧野は、最後のQ3で躍進を見せることになる。なんと、全車がアタックを終えようとする中、ラストアタッカーとして1分36秒060という驚愕のファステストラップをマーク! それまで好調だったパロウに対し、0.029秒差上回ってポールポジションを掴み取った。牧野、パロウに続いたのは、ディフェンディングチャンピオンのNo. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。結果、ホンダエンジンユーザーがトップ3を独占する結果となる。4番手には山本のチームメイトであるNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これに続いた5番手のNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が、トヨタエンジンユーザーのトップとなっている。
 

■第1戦鈴鹿 予選結果(TOP6)
1.No.65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)1’36.060
2.No.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)1’36.089
3.No. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’36.312
4.No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’36.388
5.No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’36.436
6.No. 3 山下健太(KONDO RACING)1’36.730
 

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2019年4月20日

SUPER FORMULA第1戦 鈴鹿 プレビュー


ニューマシン、ニューフェイス。SFは開幕からヒートアップ!

4月20、21日の2日間、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦が開催される。シーズン開幕戦の舞台に揃う精鋭は、20名。ディフェンディングチャンピオンの意地、ルーキーたちの野望、復活の狼煙を上げるベテランたち… さまざまな思いが炸裂する初戦から、目が離せない。
 

■SF19、登場
満を持して登場するニューマシン、SF19。SF14から踏襲されたマシンとはいえ、SF14の登場から5年を経て誕生したマシンゆえ、最新のテクノロジーが満載であるのは、言わずもがな。SF14は「クイック&ライト」のコンセプトで開発され、コーナリングでのハイパフォーマンスをアピールするものだったが、このコンセプトはSF19でも継承されており、加えて”今の時代”を象徴するような空力デザインがしっかりと取り入れられている。さらに、レース中の安全面を確保するために、F1やフォーミュラEですでに導入されている「HALO」(ヘイロー)の搭載が正式決定。この他、外観での違いとしてフロントタイヤの幅がこれまでより20mm増となり、270mm(タイヤサイズは270/620 R13)に。リアタイヤはこれまで同様、360/620 R13のサイズながら対SF14でホイールベースが50mm短くなっている。
 

開発段階からより速いクルマになることは想定されていたが、実車が各チームへとデリバリーされ、公式テストをこなす現時点で、卓越したスピードを見せており、鈴鹿や富士のテストでも続々とこれまでのコースレコードを更新している。ベスト更新がトップドライバーだけならまだしも、過半数を超えるドライバーが達成しているという状況を考えれば、SF19のポテンシャルの高さは恐るべきものと言えるだろう。
 

とはいえ、その速さを完璧に引き出すためのセットアップはまだまだ試行錯誤が続いてる。確かにSF19はSF14からの”バージョンアップ”車両ではある。だが、その進化のメリットを最大限活かすも殺すも、エンジニアによるセットアップ力が関係する。もちろん、そのマシンをコントロールするドライバーからのフィードバックも重要だ。刻一刻と変化するトラックコンディションに合うクルマ作りをエンジニアとの”二人三脚”で進めていくことになる。
 

■ドライバー勢力図は、新たなる戦国時代へ!?
正常進化を果たしたSF19のステアリングを握るチャンスを得たドライバーは20名。今年特筆すべきは、SFデビューを迎えるドライバーの数ではないだろうか。スポット参戦の経験者を含め、めでたくシーズンフル参戦を果たすのは、全9名。全選手のおよそ半数となった。うち日本人は3選手。全日本F3チャンピオンの坪井翔はじめ、FIA F2選手権に参戦していた福住仁嶺、牧野任祐も日本でのレース活動に腰を据えることになる。また、海外勢はF1を夢見る若手含め、日本でキャリアを積む選手の顔を揃えた。オフシーズンのテストでは、2017年に全日本F3で3位に入り、今シーズン念願のステップアップを果たすアレック・パロウの躍進が目立っている。パロウはSUPER GTでもGT300クラスでフル参戦デビューを実現させており、なにかと今シーズンは”台風の目”的存在になるかもしれない。
 

一方、4名の移籍組で注目すべきはディフェンディングチャンピオンの山本尚貴とニック・キャシディではないだろうか。2011年から8年間TEAM無限から参戦していた山本。TEAM DANDELION RACING にゼッケン1を手土産に加入。どのようにチームを牽引していくか、楽しみだ。また、キャシディはKONDO RACINGからTEAM TOM’Sへ。SUPER GTでもトムスから参戦するキャシディだけに、新規加入という気持ちはないだろうが、チャンピオン経験のあるベテラン、中嶋一貴のチームメイトとなることにより、どのような”相乗効果”を見せてくれるのか、気になるところだ。
 

さまざまなドラマが待ち受ける開幕戦。昨年の最終戦からおよそ半年ぶりの一戦は、例年の初戦以上に盛り上がるとなるのか、期待が集まる。
 

■主なタイムスケジュール
4月20日(土)
10:15 – 11:20 フリー走行
12:20 – 13:10 ピットウォーク
15:45 –   公式予選(ノックアウト方式)
15:45 – 16:05 Q1(20台→12台)
16:15 – 16:22 Q2(12台→ 8台)
16:32 – 16:39 Q3
17:00 – 17:30 キッズピットウォーク

 
4月21日(日)
08:35 – 09:05 フリー走行
12:05 – 12:55 ピットウォーク
14:00 –     決勝(43Laps or 90minites・250kmレース)





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