スーパーフォーミュラ2016 Round.6 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2016 Round.6

2016年9月26日

スーパーフォーミュラ第6戦SUGO、関口雄飛が今季2勝目達成


9月25日、宮城県・スポーツランドSUGOにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝レースが行なわれた。清々しい秋の空が広がる中、残暑のような強い日差しが照りつけたサーキットで繰り広げられた68周の戦いは、今季2度目のポールポジションからスタートを切ったNo.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が、ハプニングをものともせず、今季2勝目を達成。大混戦の今年は、毎戦勝者が異なっていたが、ようやく2勝目を挙げるドライバーが現れることになった。

前日の予選アタックで、着実なアプローチを見せ、今季2度目のポールポジションを手にした関口。2番手のNo.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)がスタートを得意としており、「僕はなんとか普通にスタートを切り、1コーナーで前を被せてトップを守りたい」と一貴を牽制。だが、その一貴は予選アタック時にファストレーンにいたNo. 8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)に接触、そのペナルティで3番手スタートに降格していた。とはいえ、やはり一貴がとびきりの好スタートを見せ、2番手のNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をかわして2位浮上を決めると、その勢いでトップの関口に迫ったが、1コーナーは関口が死守。以下、野尻、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と続いた。

6周目、2番手を走行中の一貴が急激にペースダウン。前周の最終コーナーからスピードが乗らず、あっという間に8番手までドロップ。これは3速ことが原因だったが、策を講じた一貴はほどなくしてペースを戻し、追い上げを再開させた。一方、全19台の中で真っ先にピットインしたのは、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)。9番手スタートと不甲斐ないポジションからの浮上を狙った作戦であり、タイヤ無交換、ガス補給だけでコースに戻った。このあと、10周終了から複数の車両がピットインを開始、はやり同様にタイヤを換えず燃料補給だけを行なった。

レースは19周目に入る中、まだ18周目のSPコーナーを走行していたオリベイラ選手がSPアウトコーナーでコースアウト。これを受け、セーフティカー(SC)が導入された。だが、すでに2位以下に15秒強のマージンを築き上げていた関口は、すでに20周を終えてメインストレートを通過。さらに関口の目の前でSCがコースインするというとても不利な条件を抱えてしまった。一方、まだ最終コーナーからメインストレートに向かおうとしていた車両の中で、ピットインを済ませていなかった車両が続々とピットイン。合計7台が有利な状態でガソリン補給を済ませ、コースに復帰している。コース上に残る17台のうち、ピットインを済ませていないのは、トップの関口のみ。一瞬にしてマージンを喪失し、さらにはこれからピットインを行なわなければならないという、まさに最悪の事態となった悔しさを走行中にもアピールするほどだった。

レース再開は22周終了時。ここで関口は素晴らしい再スタートを披露。それからというもの、あっという間に後続車との差を着実に構築。文字通り、他を寄せ付けない圧倒的な速さは、これまでの悔しさをぬぐい去ろうとする意思表示とも見て取れた。時には、オーバーテイクシステムの機能を単独走行中に使う姿もあったが、これも、マージンを作り上げるため。結果、ピットイン後も、トップの座をキープしたまま周回を重ねるには、後続に対して32秒近い差をつけることが必至だった。55周目、2位の大祐に対し、35秒強のマージンを積み重ねた関口がついにピットイン! 待ちかまえたスタッフも、緊迫した状況下ながら給油をミスなく済ませ、大祐の前で関口をコースへと送り出すことに成功! トップを守り抜いた関口は、その後も手をゆるめることなくなおもハイペースの走りを続けて、チェッカー。今季2度目の勝利を飾り、獲得したポイントを加え、ついにシリーズランキング暫定でもトップへと躍り出るという、完勝を果たすことになった。2位には大祐、3位に野尻が入り、ふたりは共に今季初の表彰台獲得を実現させたが、関口の圧倒的なパフォーマンスに歯が立たなかった悔しさを強くにじませていた。


■第6戦SUGO 決勝結果(TOP6)


1.No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1:22’26.480  68Laps
2.No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)+14.278
3.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+18.885
4.No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)+19.331
5.No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)+20.255
6.No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+23.101

 

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2016年9月25日

スーパーフォーミュラ第6戦SUGO、関口雄飛が今季2度目のポール


9月24日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の予選が行われ、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分05秒398のタイムでトップタイムをマーク。第4戦もてぎに続き、今季2度目のポールポジションを獲得した。

いよいよシーズンも大詰めを迎える今シーズンの戦い。一方で、第5戦まで全レースで勝者が異なるという稀に見る接戦を見せている。そんな中、まず前日に行われた1時間の専有走行で、関口が2番手のNo.37 中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)を0.474秒の差をつけて好調さをアピール。ライバルたちとのタイトル争いから頭ひとつ抜け出す形を取った。そして迎えた予選日では、朝のフリー走行で、関口の僚友、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが1分05秒668でトップを奪取する。チーム内ではエンジニアをはじめ、ドライバーもデータを共有していることから、関口が「金曜の時点で僕のデータをJPが勉強したので、今日のフリー走行を終えてからは僕が勉強させてもらった」と言うように、データを反映した走りを予選でやってのけた。

まず、関口はQ1でトップタイムをマーク。2番手には前回の岡山で自身初勝利を飾ったNo.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。3番手には、SUGOを得意とするNo.34 小暮卓史(DRAGO CORSE)、さらには前日の専有走行から好調なNo.18 中山雄一(KCMG)が続いた。一方、セッション後半の時点でニュータイヤを装着してアタックに向かおうと、ピットのファーストレーンで待機していたNo. 8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)に、同じくピットから飛び出したNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)がまさかの接触! 身動きが取れなくなった2台がピットレーンで立ち往生するハプニングが発生した。結果、可夢偉はアタックへと向かうことができたが、タイムを伸ばすことができず、Q3で敗退。またノーズを傷めた山本はこの時点でアタックチャンスを喪失することになった。

続くQ2で気を吐いたのは、一貴。1分05秒546をマーク、勢いに乗る関口を0.071秒という僅差で抑え込むことに成功した。3番手にはオリベイラ、そして4番手には再び中山が好走を見せて、トヨタエンジンユーザーがトップ4を独占。Honda勢としてトップに立ったのは、5番手のNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だった。そして迎えたQ3。1コーナーから向かい風が吹き、気温、路面温度もQ1スタート時から下がる中、まず計測3周目のアタックで1分05秒598のタイムでバンドーンがトップに浮上。これを皮切りに続々とタイムアップする車両が現れ、バンドーンの僚友、野尻が1分05秒506でトップを奪取した。だが、まだポールポジションを巡る戦いは終わらない。さらにセクタータイムを縮めていた関口が、1分05秒398を叩き出し、トップへ! その直後、同様にアタックしていた一貴も自己ベストをマークしたが、タイムは1分05秒416と、関口に僅か0.018秒及ばず2位に甘んじることとなった。3位はひと足先にアタックを終えた野尻。ポールポジションから3番手までのタイム差が0.108秒という、厳しい展開だった。

■第6戦SUGO 予選結果(TOP6)


1.No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’05.398
2.No.37 中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)1’05.416
3.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’05.506
4.No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)1’05.544
5.No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’05.598
6.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’05.629

 

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2016年9月22日

SUPER FORMULA第6戦SUGO プレビュー


みちのく決戦、シーズンは終盤へ

シーズン後半戦のSUPER FORMULA。第5戦の岡山は今シーズン2度目の戦いということもあり、スペシャルフォーマットでの2レースを実施。それぞれの勝者が初勝利という形で締められ、第5戦を終えた時点で、今季2勝目を挙げているドライバーは誰もいないという混迷の展開を見せている。当然のことながら、シリーズチャンピオンを巡るポイント争いも渾沌としているだけに、このSUGO戦が、今シーズンのタイトル争いの行方を、いっそうはっきりさせるものになることだろう。

 

■SUGOはテクニカルなショートサーキット

前回、岡山の第1レースの勝者として名乗りを挙げたのは、No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELIONRACING)。折しも、来シーズンはマクラーレンホンダのF1レギュラードライバーとして参戦することがアナウンスされたばかり。そんな旬のドライバーが見事なスタートを見せ、スプリントレースを完勝という形で掌握した。確かに、その裏には、ポールシッターのNo.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)がスタートのグリッド位置を間違える、という痛恨のミスがあったとは言え、ライバルを蹴散らしたことには違いない。そして、第2レースはNo.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が待望の初勝利。これまで最高位が2位と、あと一歩手が届かなかったが、この勝利でドライバーとして大きなステップアップを果たしたことだろう。

テクニカルかつショートサーキットとして知られるSUGO。加えて、最終コーナーにキツい上り勾配を持つ、実にユニークなコースでもある。ハイスピードコーナーが多い一方、エスケープゾーンは少なく、ミスを誘発しやすいことでも知られるため、ドライバーはいつも以上に攻めの走りを見せなければ、ライバルとのタイム合戦に遅れを取ってしまう。まさに、ギリギリの攻防を強いられるタフなコースでの戦いが、シーズン終盤に見られるのは、フォーミュラレースファンにとって何よりの特権。台風一過によってぐっと秋が近づく中でのレース観戦を堪能することができる。

 

■混迷のチャンピオン争い

先述のとおり第5戦を終えて、すべて勝者が異なる今年のSUPER FORMULA。当然ながらドライバーポイントも僅差のランキングとなっている。現在、トップに立ったのは、岡山での初優勝を手にした国本。2位には国本のチームメイトであり、ディフェンディングチャンピオンでもあるNo.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。3番手につけるNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)が、未だ優勝ナシというのがいささか不思議なくらいではあるが、これは厳しい状況下でも着実にポイントを加算している証であり、歴代チャンピオンとして名を残すベテランらしい展開と見てもいいだろう。これまで表彰台が1回に留まっているロッテラーとしては、なんとしてもこのSUGOで表彰台はもちろん、その中心に上がることを強く意識しているはずだ。なにしろ、昨シーズンはこのSUGOでポール・トゥ・ウィンを達成。しかも独走でレースを制圧した縁起のいいサーキットでもある。予選からの躍進に注目が集まることだろう。

さて、その予選。今回もノックアウト予選のQ1からライバルを牽制しつつ、同時にいかに自分のタイミングでアタックをモノにするか、そこから駆け引きが始まると言ってもいいだろう。先述のとおり、SUGOはショートサーキットであるため、タイミングよくピットアウトし、アタックに100%集中できる環境をドライバー自らが掴み取らなければならない。そのためには、チームスタッフとの絶妙な連携プレイも求められる。まさにチーム力も問われる戦いになるはずだ。

なにしろ抜きどころがそう多くないコース。となれば、予選での好ポジション獲得は大きなファクターとなる。決勝での優位性を高めるために、文字通り予選でライバルをノックアウトすることが求められる。一方、決勝の戦略はどうなるのか。今シーズンから新しく導入されたヨコハマタイヤは耐久性に優れることから、今大会でタイヤ無交換を敢行するチームも多くなるのではないか、と推測できる。コースだけでなく、ピットも決して広いとは言い難いため、リスクを回避する意味でもノーピットインでの戦略をベースに、レースを組み立てる可能性も高いだろう。

このSUGOで2勝目を挙げるドライバーが現れれば、今シーズンのシリーズ争いを俄然有利に持っていける。一方で、さらに新たな勝者が誕生すれば、稀に見る激戦が最終戦まで持ち越されることになる。いずれの展開になっても、今年のSUPER FORMULAが実にドラマチックであることに違いはない。

■主なタイムスケジュール

・9月24日(土)
09:00~10:00 フリー走行
12:00~12:45 ピットウォーク
13:00~  公式予選(ノックアウト方式)
13 : 00~13 : 20 Q1(19台→14台)
13 : 30~13 : 37 Q2(14台→ 8台)
13 : 47~13 : 54 Q3
16:45~17:15 キッズピットウォーク

・9月25日(日)
09:30~10:00 フリー走行
11:15~12:00 ピットウォーク
15:15~      決勝(68Laps)





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