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スペックVの目玉装備のひとつが、国産車最強といわれるブレーキシステムだろう。開発するにあたり「世界最高のブレーキとはなにか?」という目標を掲げ、いままでレーシングカーやスーパーカーの一部だけが採用する最先端のカーボンブレーキシステムを国産車として初めて採用したからだ。NCCBとはニッサン・カーボン・セラミック・ブレーキの略で、製造メーカーはブレンボ製だ。ローターサイズは、標準車が380φに対し、スペックVは390φに大径化(フロント側の数値・リヤは据え置き)。フロントキャリパーは、モノブロック対向6ポッドを継承するが、材質がアルミ製に変更された。また、塗装色がゴールドからシルバーに変更された理由は、カーボンセラミックローターが発する熱を反射させ、温度の上昇を抑える狙いがあるようだ。万全の熱対策は、新設されたブレーキ冷却ダクトから入った走行風をフェンダーハウスを貫通させ、新設された導風板でブレーキシステムに導く徹底ぶり。
ちなみに、カーボンディスクブレーキと専用パッドの交換に掛かる費用は、約470万円+工賃と超高額だ。GTNET独自の調査によると、ブレーキパッドに消耗検知用と思われるセンサーが取り付けられており、パッド残量が規定値以下になると警告されるのではないかと推測する。カーボンローターが高価なだけに、キズを付けないための配慮だと思われる。細かな点では、ABSポンプユニットの品番が標準車とは異なる模様だ。