スーパーフォーミュラ2014 Round.7
スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿、レース1はロッテラー、レース2は中嶋一貴がトップタイム!
11月8日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の予選が行われた。シリーズの最終戦となる今回は2レースでの戦い。秋深まる薄曇りの一日となった鈴鹿では、いつもと変わらぬQ1、Q2、Q3のノックアウト方式予選が行われた。
今回、2レースの予選グリッドは、Q1のタイムがレース1に、そしてQ3のタイムがレース2の予選結果として採用されるため、Q1から全20台の車両がしのぎを削るタフなタイムアタックが繰り広げられた。
最終戦を前に、シリーズチャンピオンを手にする可能性があるドライバーは7名。近年稀な激戦だ。重圧のかかる中、まずはセットアップを進めるべく朝のフリー走行が行われる。ここで序盤から安定した速さを見せていたのは、アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TOM’S SF14)。これにロイック・デュバル(No. 8 Team KYGNUS SUNOCO SF14)や中嶋一貴(No.37 PETRONAS TOM’S SF14)といったチャンピピオン候補が続き、安定した速さを披露した。
迎えた午後の予選。薄曇りの空から束の間の日差しが照るものの、気温や路面温度はさほど変化しない。開幕戦でスーパーフォーミュラのファステストラップが更新されたこともあり、この最終戦ではさらに最速ラップが生まれるのでは、という期待もあったが、フタを開けてみればさにあらず。僅かなコンディションの変化によってレコード更新は来シーズンへと持ち越されることになった。
まず20分間のQ1では、20台がコースイン。レース1のグリッドはこの結果を反映することになる。さらにここで上位14台に残らなければ、Q2、そしてレース2のグリッドとなるQ3への出走が果たせない。我先にと続々コースへとなだれ込み、セットアップの確認を済ませた車両がセッション中盤に一旦ピットイン。ニュータイヤを装着して、アタックを開始した。セッション終了直前にトップタイムを更新したのが、ロッテラー。そしてチェッカードフラッグが振られた後に飛び込んできた中嶋一貴も自己ベストタイムを更新。あろうことか、そのタイムは僚友ロッテラーがマークしたタイムと同じ1分38秒085だった。まったく互角の戦いを見せたふたりに続いたのは、国本雄資(No.39 P.MU/CERUMO・INGING SF14)。4位にはタイトル争いをするひとり、ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(No.19 Lenovo TEAM IMPUL SF14)が入り、デュバルは5番手となった。
Q2を経て、いよいよQ3の最終アタックがスタート。7分間で8台がレース2のポールポジションを目指して文字通り一発勝負に挑む。Q1、Q2ともコース開始とともにピットを離れたドライバーたちも、このセッションでは出るべきタイミングを見計らっている模様。オリベイラが先陣を切り、以後、続々と控えるドライバーたちがコースへとなだれ込んで行った。
このセッションでポールポジションを手にしたのは中嶋一貴。Q1では同タイムながら、先にアタックしたロッテラーにポールポジションとその対価として与えられる貴重な1ポイントを奪われた悔しさを心のうちに秘めていた中嶋。自ら納得のいくアタックで手にしたポールの座を手放しに喜んだ。2番手にはデュバル、そしてロッテラーは3番手となり、2列目スタートに甘んじた。
明日の決勝レースは、レース1がピットストップなしの20周、そしてレース2はタイヤ4輪交換が義務付けられた28周で行われる。一触即発状態の緊迫したコンディションとなった一方、気になるのは下り坂の天候。雨ともなればさらに不確定要素が増える戦いとなるだけに、またひと波乱、ふた波乱の展開となっても不思議ではない。いずれにせよ、明日の2レースをもって今シーズンのチャンピオンが決定する。
■第7戦鈴鹿 予選結果(各TOP6)
●レース1
1.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.085
2.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’38.085
3.No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’38.231
4.No.19 ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)1’38.248
5.No. 8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’38.418
6.No. 1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)1’38.474 ※
(※ エンジン置換により、山本は決勝で10グリッド降格)
●レース2
1.No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)1’37.507
2.No. 8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)1’37.671
3.No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)1’37.717
4.No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’37.862
5.No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)1’37.900
6.No.19 ジョアロ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)1’38.000
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA