2014年のSUPER FORMULA開幕戦となる「SUZUKA 2&4 RACE」が4月12、13日に三重県・鈴鹿サーキットで行われる。ニューマシン「SF14」が導入され、迎える初戦はどのようなドラマが待ち受けているのだろうか。
■新たに産声を上げたニューマシンに着目
昨シーズンより走行テストなどを繰り返し、実戦に向けての準備を着々と進めてきたイタリア・ダラーラ製「SF14」。戦闘車輌としては5年ぶりのニューマシンが採用され、またエンジンもこの車輌に合わせて刷新。今シーズンからSUEPER GTのGT500クラス車輌にも採用されているホンダ(HR-414E)とトヨタ(RI4A)の2,000cc、直列4気筒、ターボエンジンを搭載する。なお、SUPER FORMULAでは、SF14用エンジンの名称を「NRE=Nippon Racing Engine」と呼んでいる。
ところで、テスト車輌での開発等の準備が進む一方、各チームがその車輌を手にし、戦闘マシンとして実際にコースを走らせることができたのは、ほぼ1ヶ月半前のこと。2月に富士スピードウェイでのテストが公式スケジュールに組み込まれていたのだが、今冬の厳しい寒さで降雪となり、キャンセル。結果、3月上旬に鈴鹿サーキットで行われたファン感謝デーが事実上のシェイクダウンとなった。2日間、各1時間程度のセッションという本当に限られた時間の中で、それぞれがやるべきミッションに取り組み、その後、富士でのテストを経て初戦を迎えることとなる。
■レースにおける見どころは
予選は、今シーズンから全戦においてノックアウト方式が採用された。F1GP同様、3度の予選でタイムアタックを行ってその速さを競うのだが、Q1-Q2-Q3とセッションが進むごとに出走台数が絞られていく。開幕戦では19台がエントリーしているため、Q1は19台全車が出走し、アタックを実施。ここで上位14台がQ2への進出権を手にすることができる。Q2ではラストアタックとなるQ3への出走目指して上位8台入りを巡る攻防戦を繰り広げる。Q1は20分、Q2、Q3は各7分と短い時間でいかに自らのパフォーマンスをフルに発揮するか。ドライバーはもとより、チームが一体となってうまくオペレートしなければ、シビアなポジション争いを制することは難しいといえるだろう。
ドライバーたちによる最速争いがよりドラマチックになるその背景にあるのが、ニューマシンの戦闘力の高さだ。前年モデルよりも軽量化され、空力特性を含め、コーナリングスピードも向上。鈴鹿でも存分なセットアップとは言い難い中、次々の好タイムをマーク。見た目にも速さをアピールするクルマであることが明らかだ。コンディション次第では、どこまで従来のコースレコードに迫ることが、あるいは更新することができるのか。期待は大きい。
■栄えある初代王者の座を巡る攻防
初戦となる鈴鹿にエントリーするのは11エントラント・19名が勢揃い。歴代のチャンピオンとしてロイック・デュバル(2009年)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(2010年)、アンドレ・ロッテラー(2011年)、中嶋一貴(2012年)、そして昨シーズンの最終戦で逆転チャンピオンに輝いた山本尚貴と5選手が名を連ねる。新生SUPER FORMULAでの初年度チャンピオンの座を狙うのはもちろんのこと、それぞれどのような意地を見せるのか、ここにも注目したい。
一方、新たにフル参戦を迎える選手は4名。加えて復帰組が4名となる。この中には、ヴィタントニオ・リウッツィ(イタリア)やクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(インド)といった元F1参戦を経験に持つ選手も含まれており、まさに群雄割拠の新世代が始まろうとしている。
■開幕戦の鈴鹿は2&4レース、さらにはEnjoy HONDAも開催
SUPER FORMULAの決勝レースは250kmでの戦い。車輌、エンジン、タイヤの新たなコンビネーションで250kmを戦略どおりに走破できるのは、どのチーム、どのドライバーとなるのか。不確定要素がいつも以上に含まれる初戦は波乱ぶくみの展開になる可能性も高いはず。筋書きのないスリリングなドラマの結末は、いかに?
なお、レースウィーク中は2輪の「MFJ全日本ロードレース」JSB1000レースのほか、「Enjoy HONDA」イベントも開催される。サーキットスタンド裏のGPスクエアでは、さまざまなイベントや車輌展示が予定されている。
■主なタイムスケジュール
・4月12日(土)
08:00 メインゲート オープン
09:05~10:05 フリー走行
12:45~13:30 ピットウォーク
13:50~ 公式予選(ノックアウト方式)
13 : 50~14 : 10 Q1(19台→15台)
14 : 20~14 : 27 Q2(15台→ 8台)
14 : 37~14 : 44 Q3
17:05~17:35 キッズピットウォーク
・4月13日(日)
07:45 メインゲート オープン
09:05~9:40 フリー走行
09:50~10:05 サーキットサファリ
11:30~12:20 ピットウォーク
15:00~ 決勝(43Laps)
記事:島村元子/ TEXT : Motoko SHIMAMURA