SUPER GT 2020 Round.7
SUPER GT第7戦もてぎ、Modulo NSX-GTが今季2度目のポールを獲得
今シーズンも残り2戦となったSUPER GT。第7戦の戦いは、栃木・ツインリンクもてぎがその舞台となる。曇り空が広がる中でも比較的気温が高く、穏やかな日差しに恵まれたサーキットでは、佳境に入ったタイトル争いをめぐり、予選から激しいポジション争いが繰り広げられた。その中で、トップタイムをマークしたのはNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)。ホンダのお膝元であるもてぎで、今季2度目のポールポジションを手にしている。
午前9時5分から始まった公式練習。スタート時こそ気温12度、路面温度14度であったが、およそ2時間後のセッション終了時には気温18度、路面温度23度まで上昇。もてぎGT戦としては初の有観客開催となっただけに、ファンにとってはなによりの観戦日和となったはずだ。
公式練習でトップタイムをマークしたのは、No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)。前回もてぎ戦でポールを手にしながらも、決勝で2位に甘んじているだけに、予選での活躍に注目が集まった。そんな中、シリーズタイトルでランキングトップのNo.14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井 翔組)が3番手タイムをマーク。さらに同2位のNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/山下健太組)も5番手のつけるなど、好調さをアピール。なお、37号車はここまで平川とコンビを組んできたニック・キャシディが、残り2戦の欠場を発表。キャシディはFIA フォーミュラEの20-21年シリーズへ参戦が決まっており、その準備等でSUPER GTへの出場が難しいということから、チャンピオン争い中のチームとしては苦渋の決断を迫られたようだ。
GT500クラスの公式予選は午後2時3分にスタート。Q1からNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)が好調の走りを見せ、まず、GT500”1年生”の大津がトップタイムをマークした。これに続いたのは、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)、No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) 、そしてNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)ら。日産勢でトップにつけたのは、5番手のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)だった。
Q2に入っても、その勢いが止まらなかったのは64号車。担当の伊沢も快走を見せ、2番手に0.453秒という大差をつけて文句なしのトップへ。伊沢自身、第3戦鈴鹿以来となる今シーズン2度目のポールポジションを掴み取った。2番手に続いたのは今シーズン計3度のポールを獲得しているNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)。3番手は、公式練習時にマシントラブルでほとんど走行が叶わなかったNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) がその悔しさをバネにしたように大躍進し、ホンダ勢がトップ3を独占する結果となった。
GT300クラスでも、欠場によるドライバー変更が見られた。No.55 ARTA NSX GT3は、先のスーパー耐久レースで負傷して出場が厳しくなった高木真一に代わり、今シーズン、FIA F2選手権に参戦していた松下信治が参戦。自身初となるSUPER GTの戦いに加わり、大湯都史樹とコンビを組むことになった。
公式練習でトップタイムを刻んだのは、No.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)。No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が安定した速さで続き、今シーズン初のポールポジションを狙える位置につけた。一方、ノックアウト予選Q1は、今シーズン開幕から継続されているA、B2組に分けて実施。各組上位8台、計16台がQ2に進出した。Q2では、残り1分を切った時点で自己ベストタイムを更新するクルマが続出。結果として、朝の公式練習から常に上位での走りを見せていた各車が僅差でのポジション争いを展開することとなり、その中から頭ひとつ飛び出した61号車がトップタイムをマーク。ようやくシーズン終盤で今季初となるクラスポールポジションを獲得することとなった。一方、2番手へとジャンプアップを果たしたのがNo.244 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組)。前回の鈴鹿は公式練習中に車両をクラッシュさせ、予選、決勝への出場が叶わなかっただけに、うれしい結果となった(※ただし、224号車は車両交換を行っているため、決勝では15秒のペナルティストップが課せられる)。3番手には、シリーズランキング2番手の11号車。ランキングトップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)は20位スタートだけに、11号車には願ってもないチャンス到来となっている。
・第7戦もてぎ 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)1’36.140
2.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1’36.593
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) 1’36.779
1.No.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)1’36.140
2.No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)1’36.593
3.No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) 1’36.779
GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)1’46.200
2.No.244 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組)1’46.430
3.No.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)1’46.433