SUPER GT 2020 Round.7 概要 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 国内イベント・レースレポート
  3. SUPER GT 2020
  4. Round.7 概要

SUPER GT 2020 Round.7

2020年11月5日

SUPER GT第7戦もてぎ プレビュー


コロナ禍でシーズン開幕が大幅に遅れた今シーズンのSUPER GT。だが、早いもので今週末の戦いでセミファイナルラウンドを迎えることとなる。その舞台は栃木・ツインリンクもてぎ。例年、シリーズ最終戦の舞台として多くのドラマが生まれた場所は、今年、タイトル争い残留をかけた一戦の場へと変わる。明暗分かれるレースが秋深まるもてぎで繰り広げられることになる。
 

■鈴鹿では多くの”泣き笑い”。シリーズ争いに変化

激化するシリーズ争いの中、前回の鈴鹿大会で各チームを一番悩ませたのが、ハンディとして搭載される最重量のウェイト、そして併用される燃料流量リストリクターの規制だった。結果、ポイントランキング上位陣は予選下位に沈み、比較的ウェイトが軽いチームが上位のグリッドからスタートを切る形となった。とはいえ、レースともなると様々な要因が加味され、さらに鈴鹿戦ではレース中のハプニングやアクシデントが展開に大きな影響を与えることになったのは、記憶に新しい。
 

まず暫定ランキングトップのNo.14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井 翔組)。定められているドライバーの最低規定周回数より1周早くピットインしたことで、あとから再度ピットインを強いられた。結果、ポイント獲得のチャンスを喪失する。さらに同2位のNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/ニック・キャシディ組)は、ルーティンのピット作業を行うべくピットロードを走行中、前方のNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) に追突。事実上、100号車を戦線離脱へと追いやり、また37号車自身もエンジンへのダメージを考慮し、レースをリタイヤした。
 

そんな中、劇的なレースを見せたのがNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。予選Q1でアタックした松田が大クラッシュ。スタッフによる必死の修復によってレースをスタートさせると、レース中盤を前に発生したGT300車両のクラッシュのタイミングを好機にルーティンのピットインを敢行。この後、セーフティカーが導入されることになり、なんと暫定トップでコースに復帰を果たすという、”ニスモ・マジック”を演出した。まさかのトップ奪取には負けられない、とそれまで上位争いをしていたライバル勢も怒涛の追い上げを見せるが、松田の巧みな防御には敵わない。結果、”テール・トゥ・フィニッシュ”というまさかの大勝利を掴み取った。この衝撃の優勝で、今シーズン2勝となった23号車は、ランキング争いでも9位から3位へとジャンプアップ。14号車のランキングトップは不動ながら、同4位につけるNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)までのポイント差はわずか2点という激戦へと様相が変わっている。
 

■今シーズン2度目のもてぎに向けて

セミファイナル戦を迎える今大会。規定上の変化が一番大きなポイントになると考えられる。これまでの間、戦績によって大きな影響を占めていたウェイトハンディが見直されるからだ。第6戦までは獲得ポイント×2kg換算による当該ウェイトと燃料流量リストリクター制限の併用であったが、もてぎでは、ウェイトハンディがこれまでの半分、つまりポイント×1kgでの換算となる。これにより、ランキングトップの14号車で搭載ウェイトが47kgまで軽減されるため、各車これまでと異なるパフォーマンスを披露することになるだろう。とはいえ、もてぎはストップ&ゴーという特殊なレイアウトを持つサーキット。クルマのセットアップはもちろんのこと、気温、路面温度が低くなる気候を考慮した正しいタイヤ選択を行った上で、予選での上位獲得が必勝条件ともなる。
 

車種別に見ると、序盤で好成績ラッシュが続いたトヨタ GR Supra勢は、ウェイトが軽くなったことでどのような”復調”を見せるかが気になるところ。ランキングでも複数のGT Supraが名を連ねているだけに、Supra同士の戦いも見どころになるやもしれない。なお、クルマこそ違うが、昨シーズン最終戦のもてぎではLEXUS LC500が上位4台を締める結果を残していることも要注意だ。なお、37号車はニック・キャシディに代わり、今シーズンは世界耐久選手権に参戦していた山下健太がもてぎと最終戦で37号車をドライブすることがすでにチームからアナウンスされている。キャシディはフォーミュラEの20-21年シーズンに参戦が決定しており、その準備のため欠場を決めたということだ。そして、前回第4戦もてぎでの勝者といえば、ホンダNSX-GT。ホンダのお膝元でフロントエンジンとして初勝利を飾った縁起のいい場所。今回はいっそう力が入るはず。ホンダ勢としてランキング最上位の17号車はもとより、出身地が近いNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)の山本、No. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)の野尻も、今季初の勝利を念頭に戦いへと臨むことだろう。そして、じわりじわりと本領発揮を見せているのが、日産GT-R勢。シーズン2勝を果たした23号車を筆頭に、先の鈴鹿で今季初表彰台を獲得したNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)には悲願の1勝をかけ、戦いに挑んでくるに違いない。
 

■波乱は起きるか!? より激化するGT300クラス

毎戦、様々なドラマを見せるのはGT500クラスに限ったことでなく、今年はGT300クラスも意表を突く展開が多く見られている。そんな中、残念なニュースをお伝えしなければならない。暫定ランキング3位につけるNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹組)の高木がスーパー耐久参戦中に追った怪我で戦いを欠場することになった。まだ正式決定ではないが、高木に代わってステアリングを握るのは、20年途中までFIA-F2に参戦していた松下信治。スーパーフォーミュラ参戦ではおなじみの松下選手だが、SUPER GT出場は初となるだけに、その活躍にも注目が集まることだろう。
 

現時点でランキングトップはNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)。タイヤ無交換作戦など、”試合巧者”のイメージが強い65号車。2018年は最終戦もてぎで勝利し、逆転でシリーズクラスタイトルを手にしているだけでなく、つねにもてぎでは好成績を残しており、相性の良さは半端ない。なお、今シーズンも第4戦で優勝。ここまでくれば、チームとしてもシーズン2勝目を目標にしているに違いない。
 

あえて気になるのは、今季からGT300クラスのウェイトハンディが見直されれている点か。第6戦まで獲得ポイント×3kgのハンディだったが、このもてぎではポイント×1.5kgとなる。ライバル達に比べ、15kg以上重いウェイトをもてぎで搭載することが、どう影響を与えるのか。予選ポジションも決勝に向けてのキーポイントとなるだけに、チームとしての戦略がモノを言いそうだ。
 

今シーズンのGT300クラスは、例年以上に実力拮抗のレース展開になることが多い。その中で、速さはあるがレースでその力を存分に発揮できず、戦績を残せていないチーム…No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)やNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)、さらに前回コースアウトを喫したNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)らの逆襲も気になるところだ。
 

■主なスケジュール

FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE
 

11月7日(土)
09:15〜10:30 公式練習(GT300+GT500)
10:30〜10:40 公式練習(GT300専有)
10:40〜10:50 公式練習(GT500専有)
13:30〜13:40 公式予選Q1 GT300 A組
13:48〜13:58 公式予選Q1 GT300 B組
14:03〜14:13 公式予選Q1 GT500
14:23〜14:33 公式予選Q2 GT300
14:41〜14:51 公式予選Q2 GT500

11月8日(日)
09:50〜10:10 SGTドライバートークショー
10:50〜11:10 ドライバーアピアランス
11:40〜12:00 ウォームアップ
12:00〜13:00 スタート進行
13:00〜 決勝 300km RACE(63周)





スポーツカーの中古車情報ならGTNET