SUPER GT 2020 Round.4
KEIHIN NSX-GT、独走で今季2勝目を達成!
予選日は突然の降雨など不安定な天候が先行したSUPER GT第4戦もてぎ。決勝日は曇天模様ながら雨の心配はなく、近づく秋の訪れを感じながらの一戦となった。レースは、予選2番手スタートのNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)が序盤から攻めの走りを貫徹。早々にトップを奪取すると、その後も力走を続け、トップチェッカー。第2戦富士同様に、独走でのシーズン2勝目を挙げている。
決勝レースのスタートは、午後1時。気温27度、路面温度34度と”レース日和”のコンディション下で63周に渡る戦いが幕を開けた。ポールポジションスタートを決めたNo.38 ZENT GR Supraがリードするが、その背後に17号車のベルトラン・バゲットが迫り、8周目のヘアピンで逆転に成功。38号車の立川がGT300に行く手を阻まれたスキを見事に突いた。だが、レースはすぐさま波乱の展開を迎える。
10周目のV字コーナーでGT300とGT500の車両が接触。これで挙動が乱れたGT300車両がコーナーをショートカットする形で横断。そこに運悪く居合わせたNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)に追突するアクシデントが発生する。レースはこれを受けてセーフティカーがコースイン。隊列を整えながらの走行となったが、この間にもGT300同士の車両が接触するなど、荒れた展開となった。
一旦マージンを失った17号車、しかし、リスタート後も38号車の猛追を抑え込み、トップを死守。20周目を終える頃には、2位に4.5秒の差をつける快走を見せた。そして迎えたルーティンのピットイン。すでに半数近くのライバルが先に作業を済ませてコースに復帰する中、17号車は25周終了時点でピットイン。2番手の38号車はさらに2周遅れでピットに戻り、なんとか2台の差を詰めようとしたが、コース復帰後もその差はさほど変わらず。攻防戦は後半へと引き継がれた。
トップの17号車を38号車が追い、3番手に続くのはNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組)。序盤こそ他のNSX-GT勢に遅れを取っていたが、安定した速さを武器に、ルーティンのピットインを前に早くも3番手まで浮上していた。一方、その後方では縦一列状態の攻防戦が激化。僅差で抜きつ抜かれつを繰り返す慌ただしい展開となった。中でも12位スタートだったNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴組)は4番手まで浮上する躍進を見せたが、GT300クラスを絡めての激しいポジション争いから次第に脱落。またしても上位入賞の好機を逃している。
トップ3台は安泰の走りになるかと思われたレースに再び異変が訪れたのは、後半の44周目。激しいポジション争いを展開していたNo.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組)とNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/ニック・キャシディ組)が5コーナー入り口で接触。36号車のリアウィングなど、パーツの一部がコースに脱落、散乱したことで2回目のセーフティカーがコースインした。
これでまたしても各車のマージンが消滅する中、レースは残り18周で再開。しかし、17号車のスピードは依然として衰えることはなく、逆に38号車は追いかける余力に欠ける状況となり、このあとチェッカーへと向かう上位3台はそれぞれ”ひとり旅”となってしまった。結果、レースはこのままファイナルラップへと突入。最終的に17号車は2位38号車におよそ8秒という大差をつけてトップチェッカー。第2戦富士に続いての2勝目を挙げ、ランキングトップに踊り出ることとなった。38号車は優勝こそ逃したものの、今季初表彰台を獲得。また、16号車は武藤&笹原のコンビとして初表彰台を手にすることとなった。
一方、GT300クラスも序盤からポールポジションのNo.360 RUNUP RIVAUX
GT-R(青木孝行/柴田優作組)が理想のレース運びを披露。だが、ルーティンのピット作業を終えると、戦略でポジションアップを狙う”試合巧者”の車両が上位へと浮上。なんと、予選13番手スタートのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬
悟組)が暫定トップへと立った。65号車は比較的穏やかな路面温度を最大限利用し、タイヤ無交換を敢行。これまでも同様の戦略で戦いを制していることもあり、万全のレース運びで優勝を目指した。
一方、360号車も2番手を死守。セーフティカーのコースインで3番手との差を詰められながらも力走を見せていたが、残り4周の時点で突然のスローダウン。ガス欠が原因だったというが、あまりにもあっけない幕切れで戦いを終えることになった。これで2位に浮上したのがNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)。3位にはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)が続き、タフな戦いを終えている。
・第3戦鈴鹿 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)2H03’20.756 63Laps
2.No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明組) +7.796
3.No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京組)+11.160
GT300
1.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)2H03’26.633 59Laps
2.No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)+2.272
3.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+5.633