スーパーフォーミュラー2018 Round.6
SUPER FORMULA第6戦岡山国際サーキット プレビュー
早くもセミファイナル戦に突入! 岡山戦は久々の一本勝負に!
第5戦ツインリンクもてぎから1ヶ月弱。9月8、9日の両日、岡山・岡山国際サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦が開催される。例年以上に厳しい暑さとなった今夏、レースウィーク中は幸いにして直接台風の影響を受けることはなかったものの、難しいコンディション下での戦いであったことには違いない。シーズン終盤戦に突入する今大会も、9月に入ったとはいえまだ残暑きびしい状態であり、また近づく台風の進路も気になるところ。様々な要素を含み、波乱の展開になるのか否か…。いずれにせよ、シリーズ争いの流れがこの大会でよりはっきり見えてくることには違いないだろう。
■特別ルールによる予選アタックに注目
第1戦鈴鹿、第2戦オートポリスと西日本でのイベントが続いた今シーズン。第3戦以降は東日本での開催となったため、西日本でのスーパーフォーミュラはおよそ4ヶ月ぶりの大会となる。とはいえ、第2戦オートポリスの決勝は天候不順によりキャンセルされているので、実戦が見られるのは、開幕戦の鈴鹿以来になる、その間、ランキングリーダーは鈴鹿を制した山本尚貴から第4戦富士で初優勝を果たしたニック・キャシディへと代わり、この岡山大会で初めての”リーダーズ・レッド”(車両に搭載されるオーバーテイクシステムのランプがポイントリーダーのみ赤色となる)を車両に纏うことになる。
このオーバーテイクシステムはこれまで決勝で5回使用可能というルールに基づいて採用されてきたのだが、この岡山では特別ルールが適応されることになった。予選のタイムアタック時に各自2度使用が認められたのだ。とはいえ、ノックアウト方式の予選、しかも最後のQ3でのみ使用可能。全19台からQ3へと進んだ8台のみがこの特別ルールに則ってアタックに挑む。今シーズンから全大会で装着可能となったソフトタイヤとミディアムタイヤだが、Q3に着けるタイヤはもちろんソフト。しかも7分間という限られた時間内のアタックはまさに一発勝負。他のサーキットではソフトタイヤ装着によって、スーパーフォーミュラにおけるコースレコード更新を達成しているが、岡山ではそれだけでなく、さらなる記録更新の可能性かかっているという。それが、F1GPでマークされたときのタイム更新だ。
1994年、岡山国際サーキットになる前、まだ「TIサーキット英田」と呼ばれていた頃、パフィシックGPが開催され、アイルトン・セナが1分10秒218をマーク。これが現時点までサーキットのコースレコードとして残されている。一方、スーパーフォーミュラでは、3年前に石浦宏明が1分12秒429をマークしており、今回のタイムアタックではどこまでタイムを縮められるのか大きな期待がかかるだけに、予選から目が離せなくなりそうだ。
■タイトル争いに絡むドライバーは岡山がお好き!?
昨シーズン、SUPER GTで史上最年少でGT500クラスチャンピオンを獲得したキャシディ。好成績を手にするごとに自信を深め、レースの精度を高める実力派ではあるが、僅かなセッティングのズレが大きくポジションを左右するこのスーパーフォーミュラにおいては、今ひとつ安定感に欠けるところがある。しかし、ここのところ”いい波”に乗っていることは確かで、その勢いが加速すれば強さもついてくる。それだけにライバルたちにとっては脅威の存在になっているはずだ。そのキャシディにとって、この岡山は昨シーズン初表彰台を手に入れた相性のいいサーキット。是が非でも連続表彰台と意気込んでいるだろう。
岡山を得意とするのはキャシディだけとは限らない。現在ランキング3位につける石浦も岡山マイスターと言うべきか。現在mランキングこそ3番手だが、2番手の山本とは同ポイント。山本が優勝回数で石浦を上回るため、この順位に甘んじてはいるが、ランキングトップのキャシディとの差もわずか3ポイント。4番手の平川亮とは10点差があるため、実質的にはタイトル争いとして上位3人が絞られたとも言える。
そして、優勝争いに大きな影響を与える要素として忘れてはならないのがレースフォーマット。これまで、岡山では2レース制が導入されており(2016年は雨で赤旗終了している)、68周のフルレースは2015年以来になる。加えて2スペックタイヤで迎えるレースは初めて。ここにも新たな要素が見られるため、まさに予測不可能な部分が見え隠れする大会になるといっても過言ではないだろう。
ドライバーとチームが総力で挑む中、より完成度の高いレースをしなければ、勝利を引き寄せることが難しくなりそうな岡山戦。願わくば安定したコンディションの中、緊張感あふれるタイムアタックやダイナミックな駆け引きになるであろう決戦を見てみたいものだ。
■主なタイムスケジュール
・9月8日(土)
09:45〜10:45 フリー走行
11:45〜12:30 ピットウォーク
15:15〜 公式予選(ノックアウト方式)
15:15〜15:35 Q1(19台→14台)
15:45〜15:52 Q2(14台→ 8台)
16:02〜16:09 Q3
17:10〜17:50 キッズピットウォーク
・9月9日(日)
09:00〜09:30 フリー走行
11:15〜12:05 ピットウォーク
14:05〜 決勝(68Laps)