SUPER GT 2014 Round.4 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2014 Round.4

2014年7月21日

SUPER GT第4戦SUGO、読めない天候を味方につけたNo.38 No. 1 ZENT CERUMO RC Fが勝利!


東北みちのくで迎える唯一のSUPER GT戦が宮城県・スポーツランドSUGOにて開催、SUPER GTシリーズ第4戦「SUGO GT300km RACE」は、あいにくの天候不順に翻弄されるレースウィークとなった。そんな中、不安定な天候をも味方にし、力強い走りを完遂したNo. 1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)が今季初優勝を遂げている。

雨と霧が断続的に続いたレースウィークのSUGO。とりわけ土曜日は濃霧に悩まされ、最終的に予選セッションがキャンセルされたほど。このため、日曜日は朝のフリー走行にかわって公式予選を実施。そこでトップタイムをマークしたのは、No.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)だった。一方、6月末に鈴鹿で行われた公式テストから復調の兆しを見せていたホンダ勢がここSUGOでそのポテンシャルの片鱗を見せることに。結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)が2番手タイムをマーク。NSX CONCEPT-GTがついにフロントローからスタートを切ることとなった。

そして迎えた決勝レース。スタート前、ダミーグリッドに整列したクルマはスリックタイヤを装着するほど天気が回復。しかし一向に予断を許さない雲行きは、スタート直後に雨をもたらした。ここで即座にスリックからレインタイヤへとスイッチする車両も現れたが、思うほど天気は崩れず持ち直す。この滑りやすく不安定なコンディションをものともせずポジションを上げたのが、1号車だった。後続車をぐんぐん引離し、大きなアドバンテージを築いた状態でドライバー交代を行うと、その後も盤石の態勢。一方で終盤にかけて天候はまったくもって気まぐれなまま。時折落ちる雨にコースは足下が落ち着かず、コースアウト、スピンなどアクシデントも重なった。だが、その中でしっかりと強い走りを見せ続けたのが1号車。さらにはライバル達がタイヤ交換で慌ただしくピットインするのを尻目にスリックタイヤのまま暴れるクルマを手なずけたチームが次第にポジションアップすることとなり、2番手のポジションを手にしたのがNo.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)、そして予選4位のNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)があとに続いた。

一方のGT300。こちらは予選から緊迫のタイムアタックでNo.10 GAINER Rn-SPORTS SLS(植田正幸/山内英輝組)が初ポールポジションをゲット。雨のコンディションでタイヤの性能をしかと引き出すパフォーマンスを実践した。だが、決勝はトップ争いから脱落。僚友のNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が代わってトップに立つも、ポジション争いで他車と接触、優勝のチャンスを逃した。そして終盤、トップ争いに加わったのがNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行組)。雨に振り回されることなく、ルーティンワークではタイヤ無交換を選択。自分たちの戦略をやり遂げ、チームに8年ぶりとなる優勝をプレゼントしている。

■第4戦SUGO 予選結果
・GT500
1.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)1’19.153
2.No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/武藤英紀組)1’19.557
3.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1’19.679
4.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)1’19.694
5.No.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)1’19.767
6.No. 8 ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツイ/松浦孝亮組)1’19.794

・GT300
1.No.10 GAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLS(植田正幸/山内英輝組)1’27.329
2.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)1’27.586
3.No.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)1’27.732


■第4戦SUGO 決勝結果
・GT500
1.No. 1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)1:47’49.984  79L
2.No.37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)+1’20.016
3.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)+1Lap
4.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)+1Lap
5.No. 6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資組)+1Lap
6.No.39 DENSO KOBELCO RC F(石浦宏明/オリバー・ジャービス組)+1Lap

・GT300
1.No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行組)1:48’43.207 74L
2.No.65 LEON SLS(黒澤治樹/黒澤翼組)+1Lap
3.No.21 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢組)+1Lap



2014年7月20日

SUPER GR第4戦SUGO、雨と霧の悪天候で土曜の予選はキャンセルに


7月19日、宮城県・スポーツランドSUGOにおいてSUPER GTシリーズ第4戦「SUGO GT300km RACE」が開幕、この日は予選を行うスケジュールとなっていたが、天候不良によりセッションは中止となった。

 

天気予報でも下り坂と言われていたこの日の仙台地方。早朝こそ傘なしでも歩ける天気だったが、次第に天候が悪くなり、午前9時スタートの公式練習時にはすっかりウェットコンディションに変わってしまった。

 

レインタイヤを装着した各車両がコースイン。開始30分余りを過ぎ、コースオフした車両回収のために最初の赤旗中断となる。その後も2度にわたり赤旗でセッションが中断。その度に雨脚は強まり、加えて霧が濃くなっていく。結局、セットアップやタイムアタックなど本来行うべき作業の大半をこなすことなくセッションが終了した。

 

予選開始は午後2時。しかしながら直前になってコース上の安全な視界確保が難しいという理由からスタート時間の遅延がアナウンスされる。その後も雨は断続的に降り続き、止めば霧が濃くなるという繰り返し。結果、午後3時にチーム監督と主催者がミーティングを行い、土曜日の予選中止を決定。予選は翌日・20日、日曜日の午前9時5分から、GT300、GT500それぞれ1回25分間の予選を実施することが発表された。

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  • 2014年7月17日

    SUPER GT第4戦 スポーツランドSUGO プレビュー


    秋から梅雨入り前の九州で第3戦が繰り広げられてからはや1ヶ月半。ついにSUPER GTの戦いが真夏の一戦を迎える。7月19-20日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて「SUGO GT 300km RACE」を開催、夏休みに突入したばかりのレースウィークはまさにホットな戦いになるはず。シーズン中盤戦の幕開けとなる今回、果たしてどんなドラマが待ち受けているのだろうか。

    ■SUGOといえば、波乱の展開!?
    今や東北地方の「真夏のレース」としてすっかり定着した感があるスポーツランドSUGOでのSUPER GTレース。過去にはレースファンに語り継がれるような名レースが数多く繰り広げられ、また今年も記憶に残る戦いをひと目見ようと多くの観客が足を運ぶことだろう。

    東北地方とはいえ、なぜかしらSUGOでの一戦は厳しい暑さに見舞われることが多いのも特徴のひとつ。レース直前の現在、まだ梅雨明け宣言がされていないだけに場合によっては不安定な天候の巡り合わせも考えられるが、いずれにせよ、ひと筋縄ではない展開が待ち受けるものと思われる。

    そのドラマを演出するサーキットも特筆すべき点。3.7kmのショートサーキットはアップダウンの多いレイアウトでコース幅も決して広くはない。果敢な攻めが時としてミスを誘発することもある。だからこそチャレンジングな戦いとなり、ドライバーが熱くなれるところでもある。中でもGT500クラスはニューマシンで迎える初のSUGO戦。もちろん、事前に公式テストは行われており、この時にGTAが指定する空力パーツにおいて、富士同様のローダウン仕様のものを装着することが条件づけられることになった。これは様々なコンディションの展開を予測し、安全面を考慮してのこと。とりわけ、コーナリングスピードの向上による影響が大きいという。ちなみに前回のオートポリス戦でも同様の採択がされているため、今シーズンからのニューマシンのポテンシャルがいかに高いかがわかるだろう。

    ■好調なのは? レースの流れに乗るのは? チーム戦略に注目

    前回、オートポリスで劇的なレース結果を手にしたのは、日産勢。1995年以来となるGT-Rによる表彰台独占を果たしている。日産勢は暫くの間、SUGOとの相性が決して良いとは言えなかったのだが、ここ数年は着実に結果を残してきており、第2戦、第3戦とGT-Rが連覇した流れをそのままに持ち込んでくる可能性も高い。というのも、GT-R勢の中でも2台(No.23とNo.46)が夏場に強いとされるミシュランタイヤを装着しているから。ローダウンフォース仕様となる今回、タイヤへの負担はより大きくなるだけに、その足下をしっかりと固めてくるチームこそが、粘りある戦いを披露してくるはずだ。

    もちろん、ライバル達も夏の一戦に向けて策を講じている。また、安定した速さを誇るレクサスRC F勢は開幕戦以来の勝利を目論んでくるだろう。そして、注目すべきはホンダNSX コンセプト-GT勢だ。6月末、鈴鹿サーキットで行われた公式テストではライバルを出し抜く速さを見せたNSX CONCEPT-GT。実は、GTAのレギュレーションによって参加条件が改定されている。それによると、今回から熱対策を行うことが認められ、加えて車両重量が13kg軽減されることになった。実際、鈴鹿では足かせの一部を取り外したと思われるホンダ勢が次々と最速タイムをマーク、その秘めたるポテンシャルの高さをしかとアピールしている。これらさまざまな見直しが、果たして“救いの手”となるのかどうか。3メーカーの戦略からも目が離せない。

     

    ■GT300は国産勢vs黒船部隊の争い継続

    渾沌とした戦いが続く今シーズンのGT300。表彰台に上がるメンツだけでは語られないほど、その舞台裏は複雑で激しいものになっている。シーズン序盤は安定した速さとレースでの強さをバランスよく発揮するFIA GT3車両のチームが戦いを牽引してきた。しかしその中で着実に速さという点でアピールし続けているのは、JAF GT勢なのだ。

    実際、第3戦オートポリスで主役となったのは国産勢を代表する55号車のCR-Zだった。また、SUGOのレイアウトは一般的に国産勢に有利と言われており、今回もオートポリス同様、まず速さで国産勢が上位につけるものを考えられる。ただ、ネックとなるのが信頼性。せっかく速さを見せたとしても結果が伴わなければ何も残らない。序盤の好成績でウェイトをしっかり搭載しているFIA GT3車両のチームは着実なレース運びに特化すると思われるだけに、レースではそれぞれのチーム事情を踏まえた戦略で挑んでくると考えられる。

    中盤を迎えるSUPER GTの戦いは、このSUGO戦を皮切りに、8月は第2週に富士、そして最終週に鈴鹿1000kmの戦いが繰り広げられる。真夏の三連戦、暑さをはねのける強さを持つのは果たしてどのチームなのか、その行方を見守りたい。

     

    ■主なタイムスケジュール

    7月19日(土)
    07:00 – 07:50 オープンピット
    09:00 – 11:00 公式練習
    09:00 – 10:40 : GT500 & GT300
    10:40 – 10:50 : GT300
    10:50 – 11:00 : GT500
    11:45 – 12:35 ピットウォーク
    14:00 – 14:30 ノックアウト予選_Q1
    14:00 – 14:15 : GT300
    14:15 – 14:30 : GT500
    14:40 – 15:12 ノックアウト予選_Q2
    14:40 – 14:52 : GT300
    15:00 – 15:12 : GT500
    15:30 – 16:15 GTキッズウォーク
    7月20日(日)
    09:00 – 09:30 フリー走行
    11:25 – 12:10 ピットウォーク
    12:50 – ウォームアップ
    14:00 -     決勝 81Laps





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