スーパーフォーミュラ2013 Round7 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2013 Round7

2013年11月11日

スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿、山本尚貴が逆転王者に輝く!


11月10日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の決勝レースが2レース行われ、不安定なコンディションの中、まずレース1をポールポジションスタートした山本尚貴(TEAM 無限)が勝利すると、レース2では3位に入賞。シリーズタイトルを逆転で手に納めた。

◎レース1
決勝日を迎えた鈴鹿は朝から雨模様。ほとんど小雨の状態で、午前10時30分からのレース1のスタート進行が始まる頃には雨が止んでいた。しかしながら路面はウェットコンディションであったことから、全車がレインタイヤでスタートを迎える。するとスタート間際には再び雨が落ちはじめ、本降り状態に。結果、20周のスプリントレースは、車両後方から水煙が高く上がり、視界がほとんど確保できないというタフなレースへと一転した。
その中で、まずポールポジションから万全のスタートを切ることに成功した山本。ダミーグリッド上では慌ただしくフロントのスプリング交換とスタビライザーの調整を行うなど、ぎりぎりまで戦いにこだわったことが奏功し、トップを独走。オープニングラップではベテランの小暮卓史(NAKAJIMA RACING)の追い上げに対し逆転を許したのだが、その小暮が2周目にマシントラブルを発生。ピットに戻るというハプニングにも救われ、再びトップに返り咲いた。トップ3は悠々と逃げる山本、それを追う小暮の僚友である中嶋大祐、そして予選6位から荒れたコンディションでキレた走りを見せるNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)で形成されると、不動に。その一方では、11位からスタートし、レース後半から俄然ペースアップを果たしたルーキーの平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が水を得た魚の如く、次々とファステストラップをマークする活躍で、場内を大いに沸かせた。
結果オーライの勝利にほっとしたという山本ではあるが、自身待望のスーパーフォーミュラ初優勝を達成。本来ならば、この勝利だけでも本人にとっては喜ばしい状況ではあったが、逆転チャンピオンを目指す道の途中とあって、レース1周終了直後は、まだ喜びも半ば、という表情を見せた。

◎レース2
レース2は午後2時30分にスタート。これに先立ち、次第に天候が回復した鈴鹿は時折青空が顔を出していた。ダミーグリッドについた車両の足下には、レイン、スリックの両タイヤが準備され、スタート直前、ギリギリまでどちらのタイヤを選択するのか、各チームが頭を悩ませていた。レース1とは異なり、レース2ではタイヤ交換が義務付けられている。しかしながら、ウェットタイヤを選択した場合、その義務は適応されない。一方で、雨が上がり、コース上が次第に乾きはじめているコンディションでは、ウェットタイヤで28周を走破するには限界が見え隠れする。この微妙な路面コンディション、さらにはレース後半には雨が再び降るという天気予報を考慮した上で、チームは今シーズン最後の公式レースをスタートを迎えた。
上位グループの大半はウェットタイヤを選択。その後方のグループではスリックタイヤを選択する車両も見受けられた。そしていよいよスタートが切られ、ポールスタートの山本が申し分のないスタートを決めると、今度はノーミスでオープニングラップを終える。トップの山本は2周目を終えてピットイン。この後も、次々と車両がピットインを行ったが、その作業が落ち着くと、トップにはスリックタイヤを装着した平手晃平(P.MU/CERUMO・INGING)が立ちはだかった。
平手が終盤にピットインすると、実質トップに立ったのは、デ・オリベイラ。予選2位から今季初勝利を目論むチャンピオン経験者はさらにペースアップ。ところが運悪く、ギアボックストラブルが発生し、ペースダウン。代わって中嶋一貴がトップに立った。1周終了直後にピットインした戦略が当たった中嶋。なんとか2位を死守していたオリベイラが週番に突如として降り始めた雨に足下をすくわれ、コースアウトの末にクラッシュすると、ひとり旅状態になる。
2番手を走るのは小暮。オリベイラのハプニングを前に、小暮は前を走る山本をシケインで料理。ちょうどセミファイナルラップを前に西コース周辺で激しく雨が降りはじめ、瞬く間にサーキット全体が雨に包まれてしまったため、山本がシケインでハーフスピンを喫し、その後方にいた小暮がギリギリの攻防戦をモノにしていたのだ。一旦、メインストレートでは山本が先行したのだが、1コーナーで山本がオーバーランし、再び小暮が頭ひとつ出て逆転に成功。まさに手に汗握る攻防戦に詰めかけた観客も大いに沸いた。
レースは雨が降り続ける中、中嶋が今シーズン2勝目のチェッカードフラッグを受け、小暮は今季最高位の2位に。そして、3位でレースを終えた山本が逆転でシリーズチャンピオンを手にする。獲得ポイントでは鈴鹿戦を前に暫定トップにいたアンドレ・ロッテラー(今回は世界耐久選手権参戦のため欠場)と同ポイントではあるが、1大会で13ポイントと最大ポイント獲得がチャンピオン獲得の決め手となった。

 

・第7戦鈴鹿 決勝結果(TOP6)
Race1
1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)20L 38’52.509
2.No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)+8.608
3.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)+10.877
4.No.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)+11.958
5.No.38 平手晃平(P.MU/CERUMO・INGING)+14.906
6.No.07 平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)+15.596

Race2
1.No.01 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)28L 50’24.755
2.No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)+20.603
3.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)+21.725
4.No.07 平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)+22.263
5.No.08 アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)+23.356
6.No.02 ジェームス・ロシター(PETRONAS TEAM TOM’S)+29.130

 

記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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  • 2013年11月11日

    スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿、タイトルを狙う山本尚貴がポール獲得に成功


    11月9日、薄曇りの中、三重・鈴鹿サーキットにおいて、全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の予選が行われた。今回は1イベント2レース制のスプリントレースとなるが、その中で現在ランキング3位につける山本尚貴(TEAM 無限)が2レースともポールポジションを獲得した。
    秋深まる鈴鹿サーキット。今回2レース開催のため、ノックアウト予選のシステムには変更がないものの、Q1の結果がレース1、そしてQ3の結果がレース2の予選順位として採用されることとなった。現在、ランキングトップ、そして2位につけるのは、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)とロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)。しかしながら、2選手は上海で開催される世界耐久選手権に出場のため今大会を欠場している。このため、俄然注目を集めることになったのが、ランキング3位につける山本だった。
    13点という決して小さくないトップ、アンドレとのポイント差をひっくり返して逆転チャンピオンになるためには、まず予選で好位置につけることが最低条件。このため、山本は朝のフリー走行からトップタイムをマークし、勢いをつけて予選に挑むという理想的な形を作り上げた。
    Q1ではコースインを大幅に遅らせ、混雑を回避して渾身のアタックを開始すると、2番手に0.3秒近くの差をつけて今季自身初となるポールポジションを獲得。まずは第一関門を突破した。続くQ2は決勝グリッドに影響がないため、ここではクルマの微調整などに特化。それでも2番手の好タイムをマークし、存在間をアピールした。
    そして迎えたQ3。これまでのセッション同様、遅くにピットインし、アタックに向った山本だが、そこに思わぬハプニングが待ち受けた。なんと先にアタックを開始していた国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)がコースアウトを喫し、まさかの赤旗中断となったのだ。残り時間は1分を切っており、この時点でアタック中だった山本はポジションも6番手に留まっていたことから、これでチャンスが喪失したかに思われた。だが、アタック再開に与えられた時間は3分。これで息を吹き返した山本は心機一転のアタックを披露、見事トップタイムとなる1分37秒774をマーク。コースレコードを更新してポールポジションを獲得。納得のいく予選日を終えている。
    なお、山本が逆転でチャピオンを獲得するには、決勝レースで2レースで2勝、1レースで優勝し、残る1レースで2位、または3位になれば2シーズン連続して日本人チャンピオンが誕生することになる。レース1は午前10時20分、そしてレース2は午後2時30分にスタートを切る。

     

    ・第7戦鈴鹿 予選結果(TOP6)
    Race1
    1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)1’38.055
    2.No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)1’38.320
    3.No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)1’38.331
    4.No.39 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)1’38.381
    5.No.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)1’38.446
    6.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)1’38.496

    Race2
    1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)1’37.774
    2.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)1’38.067
    3.No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)1’38.108
    4.No.49 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’38.202
    5.No.01 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)1’38.399
    6.No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)1’38.630

    記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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  • 2013年11月6日

    SUPER FORMULA第7戦 鈴鹿プレビュー


    「見えないライバルとの戦いに挑む最終戦!」

    ついに今シーズンの最終戦を迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ。舞台は、開幕戦以来となる三重・鈴鹿サーキット。今回は、シーズンを通して初となる2レース制が導入され、優勝を狙う各ドライバーにとってチャンスは2回。距離も短くスプリントレースとなるため、2回目の決勝レースではタイヤ交換は義務づけられてはいるが、タイヤマネージメントもさほど必要としない。まさにドライバー同士によるガチンコ勝負がすべてとなる。
    果たして、その短期決戦で勝利するのはどのドライバーか。そして、シリーズチャンピオンは誰の手に渡るのか?

    ■チャンピオン争いは見えない敵との戦い

    前回のSUGO戦から1ヶ月強となる鈴鹿での戦いは、これまでといささか異なるシリーズタイトル争いとなる。というのも、現在、ポイントランキングでトップを快走するアンドレ・ロッテラーが欠場するからだ。さらにランキング2番手につけるロイック・デュバルも欠場が決まっている。この2選手は世界耐久選手権(WEC)にアウディから出場しており、こちらでもシリーズタイトルをかけた戦いをしていることから、残念ながら日本でのフォーミュラ・レースには姿を見せることができないのだ。

    トップ2選手が欠場する一方、参戦ドライバーの中でランキングトップに立っているのが、山本尚貴。「鬼の居む間に…」ではないが、ライバル不在の中でサクッとチャンピオンタイトルを獲れるのであれば楽勝のはず。だが、勝負はそう簡単なものではない。何しろ、トップのロッテラーと山本のポイント差は13点と決して小さくないからだ。ではここでポイントについて説明するとしよう。

    通常のレースでは、優勝ドライバーに与えられるポイントは10点。ポールポジションを獲得していればさらに1点が加点されるので、フルマークで獲得できるのはフルマークで11点となる。つまり、最終戦が1レースイベントで開催されていれば、山本にはチャンピオンを狙う権利はない。だが、今回の鈴鹿は2レースのため、加点システムが異なるのだ。優勝ドライバーに与えられるポイントは2レースにつき、半分の5点に留まる。しかし、優勝時にはボーナスポイントとして各レース3点が与えられるのだ。もちろん、予選ポールポジション獲得時の1点も適用される。仮に山本が予選で2レースともポールを獲得すれば、まず2点が加算される。そして1レース目で優勝すれば、さらに8点が加わり積算で10点となる。これで差は3点。2レースでの獲得ポイントは2位が4点、3位が3点のため、2レース目では2位に入る必要がある。3位なら同ポイントにはなるが、優勝回数で劣るためロッテラーが王者となる。もし、ポールポジションが獲れない場合は、2連勝することが求められる。このように、容易くない目標の中、しかもライバル不在の中で戦うことが山本に与えられたミッションになるのだ。

    ■今季初優勝を目論むドライバーは他にもたくさん!

    もちろん、チャンピオン争いからは脱落していても、今シーズン初勝利を目論むドライバーも多くいる。松田次生や復調の兆しを見せるものの、それが結果に結び付いていない小暮卓史などのベテラン勢は百戦錬磨のキャリアを活かし、2レースならではの戦い方が身についている。試合巧者の活躍ぶりにも注目したい。

    一方、今季2勝目を狙うドライバーは伊沢拓也と中嶋一貴。伊沢は開幕戦鈴鹿で、そして中嶋は台4戦もてぎでポール・トゥ・ウィンを果たしたものの、その後、表彰台からも遠ざかっている。さらには、鈴鹿、SUGOに続き、今季3度目の出場となる佐藤琢磨の存在からも目が離せない。山本のチームメイトとしての躍進ぶりに期待がかかる。

    ■戦闘車輌は今回がラストレース!

    今シーズンのチャンピオンは、スーパーフォーミュラとしての初代王者となるわけだが、一方で現行車両SF13は今回がラストレースとなり、来年はF1を踏襲したスタイルのSF14がお目見えする。ドライバーにとっても、レースファンにとっても記憶に残るイベントとなるだろう。なお、日曜日、レース終了後には、ニューマシン・SF14のデモンストレーションランが予定されている。

     

    ◎全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦 鈴鹿
    ・11月9日(土):予選日
    09 : 25 – 10 : 25 フリー走行
    10 : 40 – 10 : 55 サーキットサファリ
    12:50 – 13:40 ピットウォーク
    14:00 – 14:20 公式予選(Q1)
    14:30 – 14:37 公式予選(Q2)
    14:47 – 14:54 公式予選(Q3)
    16:30 – 17:00 キッズピットウォーク

    ・11月10日(日):決勝日
    10:20 -   決勝 レース1(20Laps)
    12:35 – 13:25 ピットウォーク
    14:30 – 決勝 レース2(28Laps)
    15:45 – フィナーレイベント&SF14デモラン

    ・併催イベント
    フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第10戦&第11戦&第12戦
    2013 MUGEN POWER Cup CIVIC One Make Race 第5戦

     

    Text : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA





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