SUPER FORMURA 2021 Round.4 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMURA 2021 Round.4

2021年6月21日

天候が回復した決戦。予選5番手の福住仁嶺が自身初勝利を挙げる!


6月20日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて決勝を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦。梅雨入りしたばかりの前日は雨が降り続けるの中でのアタック合戦となったが、決勝日は一転して晴れ模様。がらりと変わったコンディションの中、序盤でポジションを上げ、速さと強さを武器にチャンスをもぎとったNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が自身初の優勝を達成。これに予選7番手のNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が強烈な追い上げで2位に続き、ポールスタートのNo.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が3位に入った。
 

薄曇りの朝を迎えたSUGO。午前9時から30分間にわたって行われたフリー走行では多少路面にウェットパッチが残っていたものの、全車スリックタイヤで感触を確かめつつ、決勝に向けてセットアップの最終確認に時間を費やすこととなった。一方、午後に入ると急激に天候が回復。日差しが照りつけ、午後1時30分からのフォーメーションラップを迎える頃には気温24度、路面温度は34度へと上昇していた。
 

まず、53周先のゴールに向けて好スタートを切ったのは、トップの関口。逆に2番手のNo. 6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は加速が鈍り、3番手No.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)がすぐさま2位、これに予選5番手のNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続き、牧野は4番手までドロップした。2周目、福住は前方の阪口にオーバーテイクシステムを使ってアプローチ。3周目へと入るメインストレートで横並びになり、福住がアウト側、阪口がイン側で1コーナーから2コーナーに入った。ともにオーバースピード気味のまま、2台はどちらも譲らず。だがそこで阪口のリヤが流れて挙動が乱れるとその勢いで福住に接触。押し出される形となった福住だが、コース外のランオフエリアへと逃れながらも阪口の前でコースに復帰した。しかし阪口は態勢を乱した影響を受けたのか、大湯、牧野、さらにはNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)にも先行を許し、後退する。
 

序盤から激しい上位争いとなる中、トップスタートの関口は勢いに乗って2位福住との差をじりじりと広げていく。しかし7周目には2.5秒あった差がこの周を境に徐々に小さくなり、追い上げる福住のペースが関口を上回っていった。レースはトップが10周を終えると、後続車両のうち3台が立て続けにルーティンであるタイヤ交換のためにピットイン。上位争いの中では大湯が真っ先に実施したがタイヤ交換で大幅にタイムロス。ライバルよりも10秒近く時間がかかってしまった。だが、大湯はこの遅れを取り戻すべくタイヤが温まると、1分07秒279というこの時点でのファステストラップを叩き出し、その後もハイペースで周回を続けた。一方、トップの関口と2番手福住は依然として1秒1前後の差で周回。その中で17周を終えた関口がピットインを行い、チームは7.6秒の作業でコースに復帰。大湯の前で再び周回を始めた。すると、その翌周には福住がピットへ。関口がピットに入るとオーバーテイクシステムを多用し、タイムアップを図ったという福住。ピットで待ち構えたチームも7.1秒と関口を上回る時間で作業を終わらせて、福住を関口の前でコースに送り出した。
 

まだ冷えたタイヤで逃げる福住。その背後には関口と大湯が迫る。オーバーテイクシステムがまだ使えない福住だったが、なんとかこの苦しい状況を凌ぎ、逆転を阻止する。そんな中、20周目の1コーナーで勝負に出たのが大湯。オーバーテイクシステムを使って関口を鮮やかに逆転。この勢いで福住に迫っていく。だが、ペース的には福住が勝り、周回を重ねると、2台の差がやんわりと開いていった。27周目、暫定トップを走っていた宮田がピットイン。これでルーティンを消化していないのはNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)とNo. 3 山下健太(KONDO RACING)の2台となる。
 

周回を重ねたタイヤでなおも速いペースで周回を続けた野尻。山下が33周終わりでルーティンを消化するも野尻はその後も周回を重ね、41周終わりでようやくピットへと戻った。ここでチームは6.7秒という驚異の作業時間で野尻を送り出すと、6位でコースに復帰。すると44周目にはファステストラップとなる1分07秒072をマーク、前方の牧野に挑む。だが共にオーバーテイクシステムを使っての攻防戦となり、このあとも幾度となく激しい応戦が見られたが、最後まで順位が入れ替わることはなかった。
 

一方、トップの福住は次第に2番手との差を広げ、一時は6秒近くのマージンを確保。大湯も最後まで善戦したが福住を脅かすところまでは行かず。結果、福住が念願のスーパーフォーミュラ初優勝を達成。これに大湯が続き、開幕戦以来の表彰台に上がった。3位には関口が続き、今季初の表彰台獲得となった。
 

第4戦スポーツランドSUGO 決勝結果 トップ3

1.No.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1:01’37.328
2.No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)+3.746
3.No.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)+5.214



2021年6月20日

スーパーフォーミュラ第4戦 SUGO、ポールは関口雄飛の手に!


6月19日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦が開幕。ちょうどこの日、東北地方では例年より遅い梅雨入り宣言となり、広範囲に渡って雨を降らせたが、ウェットコンディションの予選でトップタイムをマークしたのは、ベテランのNo.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)。安定感ある速さと雨を味方につけて、自身5度目のポールポジションを手にしている。
 

依然として新型コロナウイルス感染拡大防止に細心の注意を払いながら迎えたSUGO大会。朝から雨模様の中、まず午前9時10分から1時間30分にわたるフリー走行が行われた。この中で最速タイムをマークしたのはNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これにNo.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、No.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)、No. 6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らが続き、若手が台頭。一方、関口はこれに次ぐ5番手につけていた。
 

ノックアウト予選は午後2時10分にスタート。朝とほぼ同じような雨量ながら、気温は下がって19度。路面温度は20度の中でのアタックが始まる。Q1・A組には9台が出走し、ここでは牧野がトップタイムを叩き出した。続くQ1・B組では牧野の僚友でもある福住がトップに。これにNo.51 松下信治(B-MAX RACING TEAM)が僅差につけ、Q2に向けて弾みを付けた。なお、今大会では降り続ける雨を考慮し、予選フォーマットの変更が行われている。これにより、Q2でもQ1同様にA、Bの2組に分けて実施され、Q1各組上位7台がQ2の各組でアタックを行うこととなった。
 

そのQ2。まずA組でトップを奪ったのは阪口。これにA組Q1で3番手につけていたNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が0.097秒差という僅差で続いた。さらに牧野、No.15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が続き、この4台がQ3進出を決めたが、ディフェンディングチャンピオンのNo. 1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)はタイムを伸ばせず、Q2敗退に終わっている。
 

一方、B組は赤旗中断を含む荒れた展開となる。セッション開始を待っていたかのようにA組よりも雨脚が強くなったコンディションの中、坪井が安定感ある走りでトップタイムをマーク。さらにアタックを続け、ベストタイムを更新。ところがその直後、1コーナーの立ち上がり、2コーナー進入で左リアタイヤを縁石に引っ掛けて痛恨のスピン。エンジンを止めてしまった。また、ほぼ同じタイミングで松下が馬の背コーナーでスピン。グラベルにクルマを止めてしまう。好調だった2選手がまさかのストップを喫し、結果としてセッションは赤旗中断へ。また、これにより坪井、松下の両選手は赤旗原因を作ったとされ、各ベストタイムが抹消扱いになった。
 

およそ15分後にセッションは再開。依然として降り続ける雨の中、残る5台に与えられた時間はわずか3分だったが、ここで関口が各セクターで自己ベストタイムを連発。赤旗前は6番手だったが、タイム更新により2番手に浮上。結果、トップ福住に続き、Q3進出を決めた。その一方で、現時点のトップランカーであるNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が、0.019秒差で5番手となり、Q3へと駒を進めることができなかった。
 

最後のセッションQ3は午後3時45分にスタート。当初よりほぼ30分遅れのスタートだったが、降り続く雨の中、8台がコースへと向かった。本格的なアタックラップが始まると、ここで真っ先に好タイムをマークしたのが関口。1分20秒248を刻み、福住がおよそ0.6秒差で2番手に続く。するとこれを境にアタック合戦が始まり、宮田が1分19秒799と20秒を切ってトップを奪取した。一方でアタックを続ける関口はセクタータイムで全体ベストを更新し、1分19秒231へとタイムを一気に縮め、トップを奪還する。一方、福住も19秒台に入ったが、宮田には及ばず3番手に。これでトップ3が確定するかに思われたが、チェッカーフラッグが振られる2秒前、今度は牧野がタイムアップして2番手へと浮上。負けじと宮田も引き続きアタックを続けたが、自己ベストタイム更新はならず。これにより、関口のポールポジションが決定した。関口にとっては2018年第6戦岡山大会以来のポール獲得。ここしばらく苦しいレースが続いていたが、今回のポールポジションで見事復活を果たしたと言えるだろう。なお、過去のSUGO大会では、2016、17年と2年連続で優勝を達成しているだけに、ドライコンディションになるであろう翌日の決戦でのパフォーマンスにも注目が集まりそうだ。
 

第4戦スポーツランドSUGO 予選結果 トップ3

1.No.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)1’19.231
2.No.6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’19.274
3.No.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)1’19.445



2021年6月14日

SUPER FORMULA第4戦SUGO プレビュー


シリーズ折返しの一戦、サマーブレイク前に笑うのは誰!?

 

第3戦オートポリスからおよそ1ヶ月のインターバルを経て迎える全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦。早いもので、全7戦のシリーズ戦は今大会で折り返しを迎える。その舞台として用意されるのは、みちのく仙台・スポーツランドSUGO。荒れた展開になることも多く、これまでドラマチックな戦いも数多く見られるこのサーキットで、今回はどのような激闘が繰り広げられるのだろうか。
 

■今回もスポット参戦続出のSUGO

入梅のタイミングであいにくの雨模様となった前回の第3戦オートポリス。中でも決勝日は不安定な天候により、スケジュールが大幅に遅れたり、内容の変更を強いられたりと、当初の予定と大きく異なる戦いを強いられることになった。現地を訪れた観客はもちろんのこと、テレビやインターネット等を通して観戦を楽しみにしていたファンにとっても、存分にレースを味わうことなく赤旗終了となってしまったのは、極めて残念であった。一方、過酷なコンディションでの一戦を強いられたドライバーたちの中からは、新たなスターが誕生した。その名は、ジュリアーノ・アレジ。元F1ドライバーのジャン・アレジ、そして日本の女優である後藤久美子を両親に持つ”二世”は、今季から日本にレース活動の場を移し、スーパーフォーミュラ・ライツにフル参戦。そんな中、WEC(世界耐久選手権)参戦のため、レースを欠場することになった中嶋一貴の代役としてスーパーフォーミュラへも出場することになり、前回のオートポリスが自身2回目のスーパーフォーミュラだった。にも関わらず、アレジは猫の目のようにころころと変化する天候を物ともせず、予選でポールポジションを獲得。スーパーフォーミュラ・ライツとのダブルエントリーが奏功したという見方もあるが、勝負強さは翌日の決勝でも健在。激しい雨の中、コースコンディションをしっかりと見極め、自身初となるオートポリス出走というディスアドバンテージを一蹴するような安定感と強いメンタリティを見せつける走りを披露。赤旗中断によるレース終了という不確定要素の多い戦いではあったが、ルーキーにありがちなプレッシャーからのミスや脆さを感じさせない走りは関係者を大いに驚愕させることになり、その結果として自身初優勝という大きな成果を手にしている。
 

そのアレジは、今大会でも引き続き中嶋一貴の代役として参戦が決定。これは、海外でのWEC第2戦に出場したドライバーたちがまたしても自主隔離期間中のため。これまでと同様に中嶋の他、小林可夢偉(代役:小高一斗)、タチアナ・カルデロン(代役:塚越広大)がステアリングを握る。加えて、WEC第2戦後のテスト参加を表明している平川亮も残念ながら今大会を欠場する。平川に代わって出走するのは、2017年の全日本F3王者でもある高星明誠。今回が2度目の挑戦となる。さらに、今シーズンのレギュラードライバーながら未だ来日が叶わないサシャ・フェネストラズも、中山雄一が同様に代わって出走することになっている。昨年、ルーキーながら勢いあるパフォーマンスを発揮していたフェネストラズ。春先にはドバイで待機し、日本への入国を心待ちにしていたが、事態は一向に好転せず。結局5月に一旦ヨーロッパへと戻り、入国許可を待ちわびている状態だ。結果としてシーズン半分超の出走が果たせず、本人にとってはひどくフラストレーションの溜まるシーズンになっている。
 

■ダイナミックなコース、SUGOでの戦いは?

スーパーフォーミュラが開催されるサーキットの中でもコンパクトなコースとして知られるSUGO。アップダウンが多く、難コースであるが故に外国人選手はじめ、チャレンジを好むドライバーも少なくない。結果としてレース内容もドラマチックな展開になるのか、”魔物が棲む”とも言われている。
 

また、コンパクトなのはコースに限らずピットガレージ周りも然り。ところが、オフシーズンの間に改修工事が進み、今シーズンのレースはリニューアルした形でレースが実施される。フォーミュラマシンが1台入るとスムーズに身動きが取れなかったピットガレージはその間口が大きくなり、さらにはピットロードのコース幅が拡張された。これは、スタッフの作業に良い影響を与えるはずだ。一方、ドライバーが気にかけているのが、ピットロード出口の場所。もともとの位置から移動され、本線への合流位置がこれまで以上に伸びた。具体的には、2コーナー立ち上がりでの合流が3コーナー出口で合流する形となったことが影響しているという。車両によっては、コース上が再度ミラーの死角になってしまうと言われており、走行中の車両に対し、コースに復帰する車両がこれまで以上に注意を払う必要性が高くなりそうだ。いずれにせよ、各チームはルーティンとして義務付けられているタイヤ交換はじめ、ピット作業にかかるタイムロスをしっかりと想定し、レース中の戦略を立てることが求められる。
 

今シーズン、予選で安定した速さを見せ、現時点でシリーズランキングのトップに立っているのは、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)。計時予選となった前回は7番手と出遅れ、豪雨の決勝でもトップ3に入るチャンスはなかったが、今大会で序盤戦のように安定感ある速さとレースを組み立てる力がうまく噛み合えば、高得点の結果を残せるはず。念願のシリーズチャンピオン実現に向け、このSUGO戦は彼にとって大きなターニングポイントとなることだろう。欠場となる同ランキング2位の平川に次いで3位につけるのは、No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)。まだまだ荒削り感が残る大湯だが、レースごとに成長を見せている中での戦いとあり、期待が持てる。さらには、誰よりも勢いに乗り、上昇気流の真っ只中にいると言えるNo.36 アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、その僚友のルーキー、No.37 宮田莉朋にも注目だ。SUGO戦が終われば、スーパーフォーミュラは8月末のもてぎ戦まで長いサマーブレイクに突入する。どのドライバーもいい形で”夏休み”を迎えたいと願っているだけに、切れ味の良いレースを見せて欲しい。
 

■主なタイムスケジュール

・6月19日(土)
09:10 – 10:40 フリー走行
14:10 – 公式予選(ノックアウト方式)
14:10 – 14:20 Q1(A組→上位7台がQ2へ)
14:30 – 14:40 Q1(B組→上位7台がQ2へ)
14:50 – 14:57 Q2(A+B上位7台・計14台→ 8台)
15:07 − 15:14 Q3
 
・6月20日(日)
09:00 − 09:30 フリー走行
13:30 – 14:15 スタート進行
12:45 – 決勝(42Laps)





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